都市人類学研究会について

 2010年5月からスタートした本会は、都市人類学に関心をもつ大学院生が集まってはじめた自主研究会です。

毎月1回、京都にて関連テキストの講読とディスカッションを行っております。
愛称はアバ研です。
人類学を標榜していますが、社会学民俗学、都市史といった都市に関わる学問を広くとりあげていきます。人類学以外をご専門にされている方ももちろん大歓迎です。

所属の枠を超えて都市にご関心のある方との交流拠点になればと考えています。
どなたさまもどうぞお気軽にご参加ください。

 またGoogleグループにて、本会のメーリングリストを作成しています。講読会への参加は厳しいが、情報共有やコネクションづくりに活用したいという方も大歓迎です。どうぞご利用ください。

★都市人類学研究会MLhttps://groups.google.com/group/urban-anthro

本会・およびメーリングリストへの参加方法は、お手数ですがサイドバーのメールフォームからその旨お伝えください。
みなさまのご参加をお待ちしております。

第15回 都市人類学研究会

 ご無沙汰しております。アバ研呼びかけ人です。梅雨空が長く続いておりますがみなさまお変わりありませんでしょうか?

今月からいよいよアバ研が本格的に再始動いたします。

次回の開催日時は7月25日(水)18:30〜です。会場は、参加人数を見て調整させていただきます。


◆今後の開催日時について
 日程調整の便をはかるため、勝手ながら毎月最終水曜日の18:30〜で固定させていただければ幸いです。参加を希望される方は、お手数ですが右のメールフォームからご連絡をお願いいたします。

◆今後の会場について
 会場は参加人数を見て調整いたしますが、基本的には今後も京大か、その近辺で開催していければと考えています。


◆今回のテキスト
 何人かのメンバーの方とは直接ご相談させていただきましたが
以前からこのブログでもとりあげさせていただいた、以下のテキストを予定しております。

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

※テキストの内容は、以下の通りです。
★内容(「BOOK」データベースより)
 嘘や騙しをふくむ熾烈な駆け引きを展開するマチンガ。彼らのアナーキーな仲間関係や商売はどのように成りたっているのか。みずから古着を売り歩き、500人以上の常連客をもった著者が、ストリートで培われる狡知(ウジャンジャ)に着目して解き明かす。

★著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
 1978年生まれ。
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科一貫制博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、現在、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員。論文 「タンザニアにおける古着輸入規制とアジア製衣料品の流入急増による流通変革」(『アフリカに吹く中国の嵐、アジアの旋風』(アジア経済研究所)所収)

参加を希望される方は、お手数ですが右のメールフォームからご連絡ください。
みなさまのご参加をお待ちしております。


▼以下、詳細のご確認をお願いいたします。

〈第15回 都市人類学研究会〉

◆開催日時 7/25(水)18:30〜20:00頃まで

◆テキスト

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

◆内容 各自が同書を精読し、ディスカッションを行う。

◆場所 未定

第14回都市人類学研究会

 前回のアバ研にご参加いただいた皆さまありがとうございました。
テキストはシンボリック相互作用論をもって「コミュニティ」を論じた
A.P.コーエン 1985(2005)『コミュニティは創られる』でした。

グローバリゼーション下の都市部において
消滅すると考えられていたコミュニティが活性化されたのはなぜか
相互行為によってつくられる境界に注目して分析しています。

そこで、次回は最新の研究として 
鍋倉 聰 2011
シンガポール「多人種主義」の社会学―団地社会のエスニシティ―」 を
とりあげます。

ふるってご参加ください。

ご参加を希望される方は、

お手数ですが右のメールフォームからご連絡ください

★内容紹介

 人種暴動や民族紛争ではなく、平和裡に営まれる団地の日常生活に密着。そこで暮らす人々の視点から、多人種主義と総団地化社会、標準化と差異化のせめぎ合いを精緻に描き出し、グローバル化のもたらす原理的相克について考察を進める。

★内容(「BOOK」データベースより)

 人種暴動や民族紛争ではなく、平和裡に営まれる団地の日常生活に密着。そこで暮らす人々の視点から、多人種主義と総団地化社会、標準化と差異化のせめぎ合いを精緻に描き出し、グローバル化のもたらす原理的相克について考察を進める。

★著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

鍋倉 聰

1970年生まれ。京都大学文学部哲学科社会学専攻卒業、同大学院博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。現在、滋賀大学経済学部准教授。専攻は、比較社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

▼以下、詳細のご確認をお願いいたします。

〈第14回 都市人類学研究会〉

◆開催日時 7/27(水)18:30〜21:00頃まで

◆テキスト

シンガポール「多人種主義」の社会学―団地社会のエスニシティ―

シンガポール「多人種主義」の社会学―団地社会のエスニシティ―

◆内容 各自が同書を精読し、ディスカッションを行う。

◆場所 京都大学人間・環境学研究科 演習室333(3F) を予定。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm
※ご参加されるかたはお手数ですが、左のメールフォームからご連絡をお願いします。

第13回都市人類学研究会

なかなか厚みのある論集で、長丁場になりましたが
都市下層にフォーカスを絞ることで、歴史軸を参照しながら
民族誌を描く試みを、短期間でいくつか読むことができたと思います。

 今回は、古典編の版ですので、ごく教科書的な一冊ということで
象徴主義の立場から「コミュニティ」を論じた
アンソニー・ポール コーエン 1985(2005)『コミュニティは創られる』をとりあげます。
現代の都市を分析する時、象徴主義のどのような点が
有効に働くのかに注目してみたいと思います。

ふるってご参加ください。
当日、緊急連絡をされる場合はこちらまでおかけください。

★内容(「MARC」データベースより)
コミュニティが社会学社会人類学を架橋するものであると主張。シンボル的な次元がコミュニティの特徴の中心に位置づけられることを示し、構造に基礎を
置いた定義の探求が行き着いた膠着状態から脱出する方法を提示。

★著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
コーエン,アンソニー・ポール
1979年マンチェスター大学社会人類学専任講師。1971年:同社会学専任講師に転属。その後、オンタリオ州キングストンクイーンズ大学助教授、
ニューファンドランド州メモリアル大学(カナダ)研究員を歴任。エジンバラ大学人間社会科学部教授。サザンプトン大学で1967年に哲学・社会学士、
1968年に社会学政治学修士、1973年に政治人類学博士を取得。これまでの業績は、単行本が2冊、雑誌論文、シンポジウム論文多数。王立人類学会
会員。社会人類学会委員会委員。農村経済社会研究会メンバー

★吉瀬 雄一
1951年横浜市生まれ。1975年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1984早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。関東学院大学文学部
教授。都市社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第1章 イントロダクション
シンボリズムと境界
シンボリズムと意味
シンボル・文化・コミュニティ
コミュニティ―「古典的」伝統とシカゴ
シカゴの残骸―露呈した神話の数々
結論

第2章 境界をシンボライズする
境界と社会変動
儀礼と境界
シンボリックな反転と自意識

第3章 意味のコミュニティ
コミュニティ―構造か、あるいはシンボルか?
シンボリズムと社会変動
外見と偽装
外見と変容

第4章 コミュニティのシンボリックな構築
精神的構築物としてのコミュニティ
過去をシンボライズする
現在に反応する―エスニシティとローカリティ
コミュニティとアイデンティティ
対立と境界―コミュニティのシンボル的構築

▼以下、詳細のご確認をお願いいたします。

〈第13回 都市人類学研究会〉
◆開催日時 6/28(火)18:30〜21:00頃まで

◆テキスト

コミュニティは創られる (関東学院大学人文科学研究所選書)

コミュニティは創られる (関東学院大学人文科学研究所選書)

◆内容 各自が同書を精読し、ディスカッションを行う。

◆場所 京都大学人間・環境学研究科 演習室333(3F) を予定。
 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm
※ご参加を希望される方は、右のメールフォームからご連絡ください。

第12回都市人類学研究会

 先日のアバ研にご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。
古典・それも都市計画史のテキストということで、
ロバート・ホーム 『植えつけられた都市』をとりあげました。

いつもと毛色がちがう内容でしたが
植民都市の歴史的経緯(とくに伝染病感染源=先住民という感覚!)や
グランドデザインの先進国へのフィードバックなど
フィールドワーカーが都市で直面する事態の
「抵抗」や「日常的実践」の発生する背景がぐっとクリアになった印象を受けました。
都市社会学の分野ではよく参照される部分でもあり
なかなか歯ごたえのある回だったのではないでしょうか。

 さて、次回のアバ研の詳細をお伝えします。
なかなか時間がとれず告知が遅くなり申し訳ありません。

今回のテキストは、倉沢愛子編 2007
「都市下層の生活構造と移動ネットワーク――ジャカルタ、東京、大阪、サン・クリストバルのフィールドワークによる実証」明石書店です。

実践のテキストとしてとりあげます。
論文集になっていますので複数の事例を追うことができます。

★著者

 倉沢愛子[クラサワアイコ]
1970年東京大学教養学部卒業。同大学院社会学研究科ならびにコーネル大学大学院博士課程修了。慶應義塾大学経済学部教授。大学在学中から日本占領期のインドネシア史を取り上げ、コーネル大学で博士号を取得。博士論文『日本占領下のジャワ農村の変容』は草思社から、1992年出版され、サントリー学芸賞を受賞。近年は視点を現代インドネシア社会に移し、開発政策の中で変容していく庶民の生活を分析、研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

★要旨

 都市の下層社会の形成と住民の生活構造について、インドネシア、メキシコ、日本の異なる構造をもった3つの国のケースをとりあげ、開発とともに変容してゆく伝統社会のメカニズム、一方で発生する諸現象、共通する問題を探求しながら生活のありようを実証的に論ずる。

★目次

まえがき(倉沢愛子
1 外来者の流入と都市下層社会の変容
  ――ジャカルタ南郊の集住地区の事例(倉沢愛子
 1 植民地都市ジャカルタの変容
 2 調査地レンテン・アグンの歴史的背景
 3 「開発」の開始と外来者の流入
 4 住民のプロフィル
 5 地域社会における外来者の地位
 6 故郷との絆――外来者二〇名の調査から
 おわりに
 付録 調査質問票
2 変容のなかのパサール(伝統的市場)
  ――ジャカルタ南部L市場から(内藤 耕)
 1 ジャカルタのパサール
 2 ジャカルタ南部L市場
 3 L市場の常設店店主たち
 4 管理され得ぬパサールとカキリマ
 5 まとめ
3 都市下層の生活構造と社会的位置の変容
  ――近現代の日本における貧困の性格変化(中川 清)
 1 異質な生活世界への関心
 2 近代の貧困概念の形成と展開
 3 貧困対策の実施状況と都市下層
 4 「中流社会」と貧困把握の変化
 5 多元化する貧困と社会生活
4 ひさぐ野宿者、もがく野宿者
  ――地位隔離と意味世界(青木秀男)
 1 日本の野宿者
 2 野宿者への道
 3 野宿者の隔離
 4 仕事の意味
 5 境遇の意味
5 離村インディオ流入と都市エスニシティの変容
  ――サン・クリストバル市の事例から(清水 透)
 1 チアパス高地の社会関係の変化
 2 植民地的(コロニアル)フロンティアの消滅
 3 都市インディオ性の形成
 4 サン・クリストバル市における新たなフロンティア


▼以下、詳細のご確認をお願いいたします。

〈第12回 都市人類学研究会〉

◆開催日時 5/31(火)18:30〜21:00頃まで

◆テキスト
 倉沢愛子編 2007
 『都市下層の生活構造と移動ネットワーク』明石書店


◆内容 各自が同書を精読し、ディスカッションを行う。

◆場所 京都大学人間・環境学研究科 演習室333(3F) を予定。
  http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm

 ※ご参加されるかたはお手数ですが、左のメールフォームからご連絡をお願いします。

【テキスト変更】第11回都市人類学研究会

 先日お伝えした次回のアバ研につきまして
テキストの変更がありますのでお知らせします。

前回までの内容と、議論の流れを鑑みて

ロバート・ホーム 2001
「植えつけられた都市―英国植民都市の形成」

をとりあげることになりました。
前回の『抵抗する都市』が分析対象とした
アフリカを含む植民都市の形成と運営について概観しています。

*内容は以下の通りです。

★要旨

 世界で最も急速に都市化しつつある諸地域の都市の歴史、そして都市計画の歴史は、今なお比較的無視されたテーマである。未だ研究対象のほとんどはヨーロッパ及び北米に限られている。
本書は、研究領域を拡大し、第三世界の都市形成に影響を与えた植民地主義の役割を明らかにするものである。

★目次

序 「都市の主輸出国」
1 入植地の「グランドモデル」 2 「植えるのが商売」―植民都市景観の形成者たち 3 大英帝国港湾都市―世界海洋帝国 4 労働者階級の「収容」 5 「ヨーロッパ人の不便」―人種隔離、その起源と衰退 6 「民衆へ奇跡を起こす人」―都市計画の理念(1910‐1935) 7 「この新しき法制」―都市計画の制度化(1900‐1950) 8 「あなたはどんな国を望ますか?」―独立への移行

▼以下、ご確認をお願いいたします。

〈第11回 都市人類学研究会〉

◆開催日時 4/26(水)18:30〜21:00頃まで

◆テキスト
「植えつけられた都市―英国植民都市の形成」

植えつけられた都市―英国植民都市の形成

植えつけられた都市―英国植民都市の形成

◆内容 各自が同書を精読し、ディスカッションを行う。

◆場所 京都大学人間・環境学研究科 演習室333(3F) を予定。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm

※ご参加されるかたはお手数ですが
 左のメールフォームからご連絡をお願いします。

今後よみたいテキスト(1)

 昨日の第10回アバ研にて、今後読みたいテキスとしてあがった著作を、カテゴリ「今後のテキスト候補」にて試験的にお知らせします。
今回あがったのは以下2冊です。ご参照ください。

・倉沢 愛子編 2007
『都市下層の生活構造と移動ネットワーク――ジャカルタ、東京、大阪、サン・クリストバルのフィールドワークによる実証』明石書店

・小川 さやか 2011
『都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌世界思想社

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

都市を生きぬくための狡知―タンザニアの零細商人マチンガの民族誌―

本ブログは今後、都市人類学の関連学会や研究会、イベントなどの告知やリンクにも活用できればと考えています。
お知らせしたい情報があれば、本会MLにぜひご投稿ください。