ボジョレ・ヌーヴォー解禁日に観た「ブルゴーニュで会いましょう」


昨夜は、2年前に観そびれた映画「ブルゴーニュで会いましょう」を鑑賞しました。たまたまその日はボジョレ・ヌーヴォーの解禁日、ブルゴーニュの至宝と呼ばれるネゴシアン、ドミニク・ローランのボジョレをゲットしたばかりで、うってつけのワイン日和となったのでした。

ワインを題材にした映画といえば、Sideways(2004年)やドキュメンタリータッチの「モンドヴィーノ」(2004)あたりを思い浮かべます。舞台がブルゴーニュとなると心当たりがありません・・・

ロマネ・コンティやモンラッシュなど数々の高級ワインで知られるブルゴーニュが舞台というだけで、ワイン好きは吸引されてしまうものです。映画は、ワイン評論家のシャルリ・マレシャル(主人公)がブラインドテイスティングをしているシーンから始まります。アロマを確かめワイングラスを傾けながら試飲をこなし、素早く評点をつけていきます。傍らには美しい秘書が控え、次の予定地三ツ星レストランの名を囁きます。シャルリが時代の寵児であることが分かります。

彼の父親は代々続くワインの醸造家。ところが億単位の負債を抱え、1級畑を手放すところまで追い詰められています。映画の原題は"Premiers Crus"、文字どおり1級畑です。頑固で昔気質の父親と決別しパリで成功を収めたシャルリは、幼いころ畑を眺めながら祖父が口にした言葉を思い出します。

父親がなぜワイナリーを没落させてしまったのか、いまひとつ釈然としませんが、故郷に舞い戻ったシャルリは、慣れない畑仕事に翻弄されながらも試行錯誤を重ね、次第に父子の確執を解いて家族の絆を取り戻していきます。結末に向かって、隣家で有名ワイナリーとしての地位を築いたモービュイソン家の女当主とその娘ブランシュが、シャルリのこれからに決定的な関わりを持つことになります。終始厳しい表情を崩さない女当主が発する言葉がシャルリの気持ちを奮い立たせ、背中を押すことに。

豊かなブルゴーニュの大地を背景にど真ん中を狙ったプロットですから、観終わったあとはワイングラスを傾けたくなること請け合いの映画です。