三省堂国語辞典の初版 現在は第5版
ある家に配達に行くと、軒先でおばあさんが三省堂国語辞典の初版を机上において、便箋に手紙を書いていた。
その使い込まれた辞書が気になり奥付を見せてもらうと、
なんと1960年(昭和35年)の版。*1
検印も金田一京助の「金」の1字が鮮やかな赤色で押してある。
感動して「これは貴重。長く使ってもらって辞書も幸せですね。」と私が言うと、
「実は電子辞書を買ってみたけれど多機能すぎて使いこなせず、逆戻りしたんだ。」と言われた。
確かにお年寄りに電子辞書は別の意味で重い。
昨今電子辞書に押され紙の辞書の売り上げも下降線だけれども、紙のほうが便利なケースも結構多い。
時代の先端をみんなが希求するあまり、いい物やいい習慣も、現実に生きている価値を省みられず忘れ去られていく。
古臭いリアル書店の立場にも通じるものがある。(希望的観測)
それにしても金田一京助の「金」の検印はいいなあ。
*1:ということは前回のロッテ11連勝と同じ年!
http://www.nikkansports.com/ns/baseball/f-bb-tp0-050503-0045.html