2005-08-18 Wolf Brother
■オオカミ族の少年 "Wolf Brother"
夏休みのため中だるみ、とても暑いし〜、ということで、このところ更新できずにいました。
さて、ハリー・ポッター6巻を読んで以来、続けてファンタジーを読んでみたくなりました。
まずは、Michelle Paverの「Wolf Brother (Chronicles of Ancient Darkness)」です。評判が良いので読みはじめたのですが、これがなかなか面白い。舞台は6000年前ということで、ちょっとクセのある言葉を使って雰囲気を出しています。こういう少年の冒険物語は、子どもの頃の読書の楽しさを思い出させてくれます。中年を過ぎてこんな本を読んでみるのも良いものですね。童心に帰れます。
年代記ものということで、今後の展開も楽しみ。名作として残る作品かも。
★原語PB
Wolf Brother (Chronicles of Ancient Darkness)
★日本語訳
2005-08-11 花火
■花火
この前の日曜の夜は花火大会に出かけてきました。やはり夏は花火ですねぇ。夏の夜空に描かれる一瞬のアート。そしてあの音がいいですよね。パッと光ってから一瞬遅れてドーン、お腹に響くような花火の音は、ほんと臨場感を盛り上げてくれます。
花火を眺めていると、日常の嫌な事もすっきり忘れてリフレッシュできるように思います。この夏のうちにもう一度、花火見物行きたいなぁ。
ということで、花火についての本と花火の映像のDVDのご紹介です。
★花火関連書
★花火映像をDVDで楽しむ
2005-08-06 「黒い雨」と「夕凪の街桜の国」
■「黒い雨」と「夕凪の街桜の国」
八月六日の午前八時十五分。
事実において、天は裂け、
地は燃え、人は死んだ。
〜「黒い雨」〜
今日は広島原爆忌。60年前のこの日、午前8時15分に広島に起こった事を、現在を生きる一人の日本人として、どのように捉えれば良いのでしょうか。何年か前、広島を訪れた時感じたのは。これほどの悲惨な事実があったことを、どこか遠い別の国の出来事のように思ってしまうのは何故なのだろうか、という事でした。自分が生まれるはるか前の出来事ではあっても、これほどの事があって、しかも、今なお後遺症に苦しむ人もおられるというのに・・。
言葉や映像でいかにリアルに戦争の悲惨さを描かれていても、それを実感として理解するのは容易なことではありません。自分自身が体験していないことは、想像することはできても、やはり想像にすぎない部分はあります。しかしもちろん、だからこそ戦争体験を語り継ぐことに大切な意味があるのでしょう。
「黒い雨」は昭和41(1966)年に発表された、広島被爆体験をもとに書かれた井伏鱒二の小説です。被爆して黒い雨を浴びた主人公と姪、四国の山間の村での生活が描かれますが、やがて姪に原爆症の徴候が現れます。
「戦争はいやだ。勝敗はどちらでもいい。早くすみさえすればいい。いわゆる正義の戦争よりも、不正義の平和の方がいい」
〜「黒い雨」〜
「正義の戦争より不正義の平和」は、実際に戦争の惨禍を味わった人の本音でしょう。いかなる大義名分も戦争を正当化することはできません。どうも最近は歴史教科書の問題など、過去の戦争を評価を改めようとする動きがあるようですが、そういった議論に空しさを感じます。あの戦争で失われたものの大きさを忘れてはならないと思います。
そしてまんが「夕凪の街桜の国」実はつい先日読んだのですが、感動しました。
★原爆の記録
★映画化された「黒い雨」のDVD
2005-08-04 村上信夫さんの本
■村上信夫さんの本
今日の報道で、帝国ホテルの元総料理長の村上信夫さんが逝去されたことを知りました。村上信夫さんのフランス料理の本は、若い頃よく参考にさせていただいたものです。高級レストランに行く機会などまず無かった私にとって、本物のフランス料理は憬れでした。村上さんの本のレシピを参考にいろんな料理に挑戦したのものです。
村上さんの本は家庭で作ることを前提にやさしく書かれていましたし、ちょっとした調理のコツやテクニックなど、ほんとに多くのことを教えていただいたような気がします。
テレビでもよく拝見しました。東京は神田のお生まれで、いかにも江戸っ子職人気質を感じさせる方でした。帝国ホテルのシェフとして日本のフランス料理の第一人者でありながら、庶民的な「おふくろの味」の大切さを語っておられたのが印象的でした。心からご冥福をお祈りいたします。
この週末は、村上さんを偲んで、久しぶりに洒落た洋食でも作ってみますか。
2005-08-03 夏休みの絵本
2005-08-01 翻訳について考える
■翻訳について考える
ペーパーバックを読んでいてたまに気になるのは翻訳家のことです。日本語に訳しにくい表現とか、あいまいで二通り以上のの解釈が可能な言い回しとか、抽象的で微妙にややこしい描写とか、プロの翻訳家なら、どのように訳されているのだろうか、と疑問になって、日本語訳の本を立ち読みしたりすることもあります。そんな時、やはりプロの手腕に感心することが多いのですが、ちょっとニュアンスが違うのではないかなぁ、と感じることもあります。そして、たまに、まるっきりの誤訳を発見することもあります。よく見つけるのはブランド名など固有名詞ですが、探すと結構見つかるものです。
ということで、翻訳についての本です。翻訳ってのは大変な作業なのだと実感。また翻訳の面白さもちょこっと理解。
こちらは誤訳と誤解について、考えさせられる本
ところで「超訳」と呼ばれる翻訳手法があります。シドニィ・シェルダンの日本語版で有名ですが、私も読んでみみましたが、かなり驚くべき訳文です。ここまで大胆な省略、加筆、意訳が可能なのか、と唖然とさせられました。やはり、シドニィ・シェルダンはPBで読みたいですね。簡単に読めますし・・。
★シドニィ・シェルダン代表作
2005-07-28 ハリー・ポッターとイギリス田舎旅とアンティーク
■ハリー・ポッターとイギリス田舎旅とアンティーク
ハリー・ポッター第六巻「ハリー・ポッターと混血のプリンス」の米国版を読み終えたところです。読み終えたばかりですが、もう第七巻が待ち遠しいです。日本語版の発売もまだ先のようですから、ここでストーリーについて触れることは差し控えますが、ともかく最終巻への期待が大きく膨らむ内容でありました。きっと今、全世界の読者が同じ思いなのでしょうね。早く続きが読みたい〜、と。
さて、ハリー・ポッターを読んでいると英国を訪れたくなります。ロンドンなどの都会も良いのですが、ちょっと田舎の風景に憧れます。機会があれば絶対行こう、と決意しているのですが、なかなか機会に恵まれません。せめて旅の本でも読むことにしましょうか。
★イギリス田舎旅の本
そして、「ハリー・ポッターと混血のプリンス」にも出てきましたが、ロンドンへ行ったら、アンティークのお店はぜひ覗いてみたいですね。魔法の香りがしそうなアンティークのロケットが見つかるかもしれません。もしかしたら、ヴォルデモートの魂が封入されているかも。
★英国アンティークと英国風インテリアの本
2005-07-25 杉浦日向子さんの本
■杉浦日向子さんの本
報道によると、江戸風俗研究家の杉浦日向子さんが逝去されたとのこと。まだ46才の若さということで、残念でなりません。漫画家として活躍された後、江戸の風俗文化の研究家として多くの著書を出され、またテレビ番組の解説者、コメンテイターとしてもお馴染みでした。日本橋の呉服屋の孫娘として生まれた生粋の江戸っ子。驚く程の博識で、そして無類のお蕎麦好きとして、また、こよなく日本酒を愛する酒豪としても知られました。お酒が大好きな私にとって、憬れの粋人でありました。
今日できることは、明日でもできる。どうせ死ぬまで生きる身だ。・・・ソンナニイソイデドコヘユク。(「ソバ屋で憩う」まえがき)
そう書かれた杉浦さんなのに、こんなに急いで行ってしまわれるなんて・・。
心からご冥福をお祈りいたします。
★杉浦日向子さんの本
2005-07-23 「河童」と上高地
■「河童」と上高地
明日7月24日は芥川龍之介の命日「河童忌」です。芥川は昭和2年のこの日、致死量を超える睡眠薬の服用により他界します。まだ35才の若さでした。
さて、芥川は晩年の作品「河童」で河童社会を描くことによって、当時の日本社会を痛烈に風刺しています。
僕は人並みにリュック・サックを背負い、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登ろうとしました。穂高山へ登るのには御承知のとおり梓川をさかのぼるほかはありません。僕は前に穂高山はもちろん、槍ヶ岳にも登っていましたから、朝霧の下りた梓川の谷を案内者もつれずに登ってゆきました。
そして、山道で霧に巻かれて道に迷った「僕」は河童と遭遇。この河童を追いかけて河童の世界に踏み込んでしまった「僕」は、しばらく河童社会で暮らすことになります。この河童の国は、人間社会と奇妙に共通すると同時に奇妙に相反する不思議な社会を形成していました。
その中でも一番不思議だったのは河童は我々人間の真面目に思うことをおかしがる、同時に我々人間のおかしがることを真面目に思う――こういうとんちんかんな習慣です。たとえば我々人間は正義とか人道とかいうことを真面目に思う、しかし河童はそんなことを聞くと、腹をかかえて笑い出すのです。
しかし河童社会と人間社会には共通点もあります。資本家に虐げられる労働者、戦争で儲ける資本家、官憲による検閲・・。
「河童」が発表されたのは芥川最後の年、1927年です。この昭和初期という時代は、治安維持法の公布、さらに満州事変、5・15事件へと、と日本が軍国主義に突き進んでいく時期でした。河童社会に投影して描かれた当時の日本社会が、やがて戦争による破滅へと向かうことを、まるで芥川は予見していたかのようにも思えるのです。
ところで、河童の国への入り口は上高地。山歩きが好きな私は上高地には何度も訪れています。河童橋周辺こそ観光客で賑わっていますが、すこし足を延ばせば、落ち着いて素晴らしい自然を満喫できます。上高地から槍ヶ岳、穂高岳などの山々へ通ずる梓川沿いの道は、しばらくは平坦な遊歩道になっています。私はいつもこの道を辿る時、その後の山旅への期待に気分が高揚します。芥川はこの道を歩きながらどんな事を考えたのでしょうか。
★芥川龍之介作品
★上高地の風景写真集など
2005-07-21 誰が為に鐘は鳴る
■誰が為に鐘は鳴る
今日7月21日は作家アーネスト・ヘミングウェイの誕生日です。ヘミングウェイは波乱に満ちた生涯を送りました。釣りに狩猟、ボクシングに闘牛、多分にドン・キホーテ的な戦争参加、度重なる事故による大怪我、4度の結婚、そして自殺。ちょっと血の気が多くて突拍子もないところがあるけど、なぜか憎めない不思議な魅力があって、いざというときには頼りになるオヤジ、そんなイメージでしょうか。「パパ」という愛称が似合いますね。
さて、彼の小説では「誰が為に鐘は鳴る」がいちばん印象に残っています。冒頭にJohn Donneのこの詩が引用されています。
No man is an Iland, intire of it selfe; every man is a peece of the Continent, a part of the maine; if Clod bee washed away by the Sea, Europe is the lesse, as well as if a Promontorie were, as well as if a Mannor of thy friends or of thine owne were; any mans death diminishes me, because I am involved in Mankinde; And therefore never send to know for whom the bell tolls; it tolls for thee.
John Donne
「誰が為に鐘は鳴る」はスペイン内乱に参加したアメリカ人、ロバート・ジョーダンとゲリラの一隊の物語です。僅か三日間の時間経過のなかで、ロバートとスペイン少女マアの恋や、ゲリラの間に起こる事件や戦闘シーンなどが臨場感たっぷりに描かれています。また回想や会話のかたちで登場人物達を取り巻くさまざまなエピソードが語られることによって、多元的なふくらみをもつ重厚な内容になっています。
ところで、ペーパーバックで読んだときに驚いたのですが、会話はスペイン語を交えながら、ちょっと古風な文体で表現されていて、英語で読んでいるのにもかかわらず、まるでスペイン語の会話がそのまま聞こえてくるような感覚になるのです。じつに巧みな文章なのでした。という訳で、ぜひ原文でどうぞ。
★PBと日本語訳
★その他のヘミングウェイ作品
★ヘミングウェイ関連書


















































































