浦賀和宏『地球平面委員会』幻冬舎文庫

ネタバレ注意。
かの名探偵の孫、大三郎・クイーンが日本の大学に入学し、「地球平面委員会」なる謎のサークルの活動と騒動に巻き込まれる青春ミステリ。
この作家、超久々に読んだけど、あーこういう爽やかさの欠片としてない、陰惨な青春ミステリ書く奴だったなーと、かつての安藤直樹シリーズの記憶が甦った。それよりかは幾分軽い、バカミス寄りの作品だけど。
脱力系のオチは比較的「分かり易さ」のあるもので、宮里真希の迫り方とか細かい伏線もノスタルジック（？）だわーって「同世代」を感じたりもする。エラリイ・クイーンの孫って設定を、こんなくだらないオチに使い捨てるってのも、いかにもアンチ・ミステリな浦賀らしい方法論。
…しかしまあ、基本的にはチープな読み捨て系エンタメ・ノベルではあって、そうした諸々も酷く平坦な感情の中で想起したことでした。
評価はＣ。

地球平面委員会 (幻冬舎文庫)