uruya’s diary

夏山登山とツーリング。冬は鉄分多め。

とことんついてない富士御来光登山 その2

2209 吉田ルート5合目登山口


バスで爆睡したせいか、あまり眠れなかった。2000に宿を出て夕食。この時間なので何も考えておらず、ガストを見つけたので適当にすませる。
有料道路スバルラインに入ると、タイヤとの摩擦音で音階を出すメロディロードが「富士山」を奏でる。おぉ、粋な演出だ。くねくねと続く峠道は登っていくごとにガスが濃くなり、シカやイタチっぽい野生動物が何回も目の前を横切っていく。慣れない車ということもあって、非常に気疲れした。北海道の峠道より走りにくい気がするのはどうしてだろう。
5合目駐車場についたのが2100すぎ。この地点の標高2305mで、標高差1470m。沿面距離7.5km。通常なら休憩込み4時間ほどで登頂できる数字だが、登山者の行列で渋滞するという話を聞いていたので時間はたっぷり見込んでいる。だがさすがに早すぎ。2200登山開始にそなえ車内で休憩。

2316 7合目山小屋


順調に高度を稼ぎ、7合目の山小屋へ着。富士山は各合目ごとに山小屋があり、ごく早朝、つまり登山者があらわれはじめる時間から営業している。非常に俗っぽい山だ。ここまではコンディションがよく、雲の切れ間から星空も見えた。
だが余裕があったのはこのあたりまで。7合目すぎから徐々に息が苦しくなってくる。あきらかに酸素が足りない。何もせずにいれば問題ないのだが、ちょっとでも動くとすぐに息があがる。ゆっくり登っては、時々息を整えるために立ち止まるということを繰り返し、少しずつ高度を上げていく。なるほどこれは時間がかかるわな。高齢登山者なみの速度だ。父さん…酸素欠乏症にかかって…
8合目からは須走からの登山者が合流し、噂の大渋滞が発生。山頂までびっしり連なるヘッドランプの列が、さながら何かの宗教行事のようだ。団体登山ツアー客が全体のペースを下げ、立ち止まりながらじりじりと登っていく。高度に体を慣らすにはちょうどよいが、ツアーガイドの質はどうなのよ、という気もする。後ろから登山者が追いついてきてるのに道をふさいで何やら解説してたり点呼とってたりという場面に何度も出くわした。あと挨拶する人がほとんどいないのも印象に残った。山中で人と会ったら挨拶するのが登山者の常識だが、挨拶しても返ってこないので、そのうちuruyaは挨拶するのをやめた。まあそりゃね、こんな人数にいちいち挨拶してられない。

0352 吉田・須走ルート山頂広場


5時間40分で山頂着。ごらんのありさまだよ。9合目から濃いガスと吹きさらしの強風の中に入った。あーあ、雲の中だ。気温はおそらく一桁。強風とガスの水滴のため体感温度は0度以下だろう。防寒インナーとウインドブレーカーに、寒けりゃレインウェア着ればいいやと考えていた自分、完全に気象条件を見誤った。このコンディションはハードシェルが必要なレベル。
体を冷やさないよう人ごみの中を行ったりきたりしながら、一縷の望みで夜明けを待つ。

0429 夜明け直前の山頂広場のようす


まあそうだよね。99%無理ですわw この天気w
夜明け時刻までもう少しだが、すっぱりあきらめてピークハントに向かう。風速20メートル近いんじゃないかという強風とガスの中、御鉢まわりに行くのは少し躊躇したが、他の登山者が向かっていたので、ちゃっかりついていくことにした。

0455 富士宮ルート山頂広場


富士宮ルートからの山頂。このルートだと剣が峰へ往復30分くらいで達することができる。ただし方角的に御来光は見えない。

0517 剣が峰(3775.5m最高点)


ここだ。ここが日本一高い場所だ。3776メートル。正確には3775.63メートル。
「感想はどうだい?」
「もう…これ以上登らなくていいんだって…」
コンディションは最悪だが、それなりの感慨はある。登ってよかった…のか?w
寒くてかなわんし、とっとと酸素の濃い場所へ出たい。しばらく休憩したあと下山開始。御鉢1周へのルートが見えなかったので、来た道を戻り吉田・須走下山口から下山する。御鉢を戻っている途中、ついに雨が降り出した。気温が徐々に上がりつつあるのがまだしもだ。

0631 8合目山小屋 謎の野鳥




下山途中、8合目山小屋に寄って休憩していると、野鳥がちょろちょろと走り回っている。まったく人を恐れず、自分の足の間をくるくる回っていて妙にかわいい。なんぞこれ?
帰ってから同定しようとしたがよくわからなかった。鑑定求む。
(追記:一瞬でイワヒバリorカヤクグリだとの鑑定をいただきました)

0823 下山


吉田・須走下山口を出たのが6時過ぎ、下山まで休憩込み2時間20分。標高差1400mあるはずなのに、異常に速い。しかも筋肉にほとんどダメージなし。なぜだろう? ザレ場の下りが適度に滑り下りる感じでスピードアップしたからだろうか。律儀にジグ切って下るより速いし制動もきくことに気づいてガンガン下りてきたのだ。砂走を下るともっと速いに違いない。
予定よりかなり早いので、昼食をとる時間がある。濡れたままのレインウェア、スパッツ、ザックをレンタカーのトランクに放り込んで下界へ。放っておけばある程度乾くだろう。


つづく。