だいだらぼっちは「じんじろげ」を口ずさみながらやってくる

 かなり前の話(たぶん、1997年頃)になるが、『世界まる見えテレビ特捜部』の特番で、マイクロバースト現象が特集されたことがあった。

 局地的・短時間に上空から吹く極端に強い下降気流(ダウンバースト)の一種で、約4km未満の局地的なものをマイクロバーストと呼ぶ(広がりが4km以上だとマクロバースト)。これによって、飛行機が上部から押さえつけられて墜落したり、家が破壊されたりする。

 その放送回には、スタジオにゲストとして森本レオさんがいたのだが、マイクロバースト特集が終わった後「だいだらぼっちの正体はこれじゃないか?」とコメントしていたのが、強く私の記憶に残っている。

 「だいだらぼっち」は、『もののけ姫』にも登場した民話上の存在(妖怪的なものかな)で、よく言われるのは、天から大きな足が出てきて、家屋を踏み潰すというもの。たしかに、民話が生まれるような古に、マイクロバースト現象によって破壊された家屋があったとしたら、当時の人々は、この奇怪な現象にとりあえずの理由をつけるため、巨人の存在を考えたりするかもしれない。妖怪の発祥なんて、だいたいそんなものなので、たぶん森本レオさんの言う通りなんじゃないかと思う。