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文を敲く

2018-09-24

POSを補う手法 -「スリップの技法」

書籍に挟まれている「スリップ」と呼ばれる短冊状の紙を用いたデータ分析テクニック入門書である。POSだけでは分からない「売れ筋」を読み解く手法がいろいろと記載されている。書籍以外の分野にも応用は可能だと思われる。

とはいえ「「愛国本」の売れ筋を積むことも書店の重要な仕事と考える(P.162)」など若干気がかりになる記述も見受けられた。愛国本(という体でヘイトを煽る書籍群)を「積む」ことで売り上げと引き換えに失うものは少なくないのではないか。

2018-09-15

シスアド的リアリズム

転生したらスキルになっていた!? ? モニカの奇妙な相棒 ?(@Makalu) - カクヨム

本作品の主人公は「スキル」と称されるバックエンド人格(裏方)である。バックエンドがあればもちろんフロントエンド(表の人格)もある訳である。転生系にもいろいろあるが身体と人格が1:1の関係ではないというのは珍しいと思われる。

主人公は身体内外から集められた大量のログから問題の原因を突き止め、マルチスレッド起動(多重人格の様に入れ替わったりしない)している表の人格と協力して解決策を導き出す。表の人格が睡眠中の時も身体の監視やメンテナンスを無休で行う。主人公はいわば身体アドミニストレータ―なのである。ゲーム的リアリズムならぬシスアドリアリズムが本作の特色だ。

身体は当然のことながらミッションクリティカルシステム(運用の失敗は死)である。しかし世のシステムと同様にしばしば暴走して制御不能になる。間一髪のタイミングでなんとか助かってはいるものの、しばしば力技で解決していることもあり「運用でカバー」というフレーズが頭をよぎる。

趣向を凝らした設定と怒涛の展開で一気に物語世界に引き込められたが、綱渡り運用が続くのでなかなか辛い。無事完結してハッピーエンドを迎えてほしい。

2018-09-08

2010年代の台湾 -「台湾の若者を知りたい」

2010年代台湾の学生生活が主に記された本である。学校制度や生活スタイルの違いなどが詳しく紹介されていて面白く読むことが出来た。

一番驚きだったのがある学校のクラス目標に「(LINEのクラス連絡用グループは)既読スルーはしない」というものがあると紹介されていたことだ。先日台湾旅行した時に、なんとなく現地の放送を見ていたらLINEのCMがそこそこ流れていて感嘆したが、まさかここまで普及しているとは思いもしなかった。

本書には「影」の部分はほとんど書かれていないが、一部の学生は辛い学生生活を送っているであろうことは想像に難くない。