文を敲く

読書記録とその他雑記。

洋行 -「ウィーン愛憎」

1980年代初頭にオーストラリアへ私費留学していた著者の留学記である。もっとも昨今の「留学」とは大きくかけ離れている(まずインターネットがない)ため、留学というよりは「洋行」と表現した方が良いのかもしれない。著者の言行録も興味深いがそれ以上にカフカの小説の登場人物を髣髴とさせるウィーンの住民たちが印象に残る。

かれこれ30年近く読まれ続けるベストセラーなので、コミックエッセイ化してもかなり面白く仕上がるとも思う。