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夢の枕木たち〜私を支える音楽と言葉 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-09-16 [日常」498・実社会で勉強します このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

しばらく、事務所仕事家事の為、SNS周りはお休みします(例外的に、告知や御礼の挨拶でお目汚しするかもしれませんが、基本は実生活を頑張ります。) よろしくお願い申し上げます。

私の為を思って、関わって下さったすべての方に感謝しています。

2016-08-22 [音楽]497・坂本九さんの謎 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

上を向いて歩こう

2011年以降、夏になると、坂本九の「上を向いて歩こう」と「見上げてごらん夜の星を」が配信チャートで上昇してくる。特に、今年はダウンロードにてプライスオフが実施されていることもあって尚更に好調だ。

その度にいつも疑問に思うことがある。坂本九作品は、なぜオリコン1968年以降)には一切TOP50入りしていないのだろうか。

上を向いて歩こう」が世界的にヒットし、「見上げてごらん夜の星を」や「明日があるさ」が日本で大ヒットしたのが1963年1964年。その後も「夜明けのうた」や「レットキス」など、当時生まれていない私でも知っているヒット曲は多数ある。なのに、1968年以降、データ上にはレコードのヒット曲が一切見られないのだ。

勿論、“一発屋”と呼ばれる人ならば、その数年後、ヒットチャートから影を消すことは何ら珍しくない。しかし、九さんの場合、仮にも世界的に大ヒットし、その後も何曲もヒット、さらに1968年以降も、音楽番組をはじめ様々なテレビ番組のメインキャストとして見かけたし、歌声もバリバリの現役で、決して“過去の人”ではなかった。

この謎について、ネット上で調べようと思ったが、世界的ヒットの話と、日航機事故の話中心で、その間について「なぜタレントとして第一線のまま、レコードセールスが振るわなかったのか」は結局分からなかった。

あまりに消化不良なので、「上を向いて歩こう」周辺について、おそらく世界一詳しい音楽プロデューサーの佐藤剛さん(由紀さおり『生きる』は名作です!)にお尋ねしたら、「是非お話させてください。でも、2時間はかかります」とのことで、そんな超多忙な剛さんのお時間を、自分の趣味ごときで頂戴する訳にもいかず、何かの仕事の際にお願いしますとお返事した。(ちなみに、何らかのスキャンダルとかではないそうです。そう疑った自分が恥ずかしい!!)

既に亡くなった方の低迷要因を調べるより、過去の素晴らしい名曲を発掘していく方が遥かに前向きなので、上記の謎はそれっきりになっているが、いつか、ちゃんと知ることで、その音楽をより深く理解できればいいなと思う。

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2016-08-18 [音楽]496・私は味方です このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

先日、ある女性アーティストのファンが集うサイトにて、ちょっと久しぶりに自分悪口めいたものを見つけた。

ダイレクトに同じ文章を載せずに意訳すると「彼の言っていることは嘘ばっかり」的な内容だった。

具体性がない悪口だったことや、そのアーティストについては自分でもあれこれお仕事で貢献してきたという自負もあり、今回はさほど傷つかなかった。また「つのはず誠」名義で中傷していることから、私が現在は本名で一本化していることも知らないくらい疎遠な人か、あるいは「つのはず誠」名義で書いたひと昔前の記事について、腹を立てたのかもと推測した。

私自身、仕事として自分なりの解釈を示すことはあっても、“仕事”として相手解釈批判したことは一度もない。(このブログやTwitterは、個人的なユルいつぶやきなのでご容赦を。)それでも、そのファンの方は、解釈の違いから、自分が責められている気がして、私への怨み辛みに変わったのかもしれない。愛の深さゆえに憎しみに変わることも、よくあることだから。

でも、もし、私の文章がイヤになったとしたら、そんな時は、以下の事を想い出してもらえれば幾分と腹立たしさは収まるのかな〜と思う、というかそう心からお願いしたい。

私はマーケッターとして、人と音楽を繋げるために、様々なアプローチ仕事をさせてもらっている。無論、それらの全てが上手くいった訳ではない。様々な紆余曲折もあるので、他の同年代の人から見たら、上手くいっていない方かもしれない。

それでも、市場調査分析、お店周りのコンサル配信サイトでの楽曲配置、CDの企画・監修、ニュース記事の作成および媒体社への連絡などなど。あるいは他社のコンピレーションCD選曲を依頼される際でも、なるべく自分が関わったアーティスト楽曲優遇するように心がけている(ちなみに、8/3に徳間から発売された女性ボーカルコンピ、私じゃないですよ笑)。つまり、執筆は、その中のごく一部であり、決して大半ではない。

要は、レコード会社事務所の方を向いて論評するのではなく(あ!今、あの先生の顔を思い出したぞ。いつも紅白をコキおろすくせに、レコード大賞は褒めちぎるという頓珍漢な内容をコメントする方)、アーティストリスナーも満足する施策をあれこれ心がけてのことだと、ご理解いただきたい。だから、一ライターとして気に入らない何かがあるとしても、もっと幅広い視点で見てくだされば、私はあなたと同じ立場にいる者だということです。どうかご理解いただきたい。

また、そう言われても文章自体がどうも気になるというのであれば、私が見るかどうか分からない所で悪態をつくよりも、直接ホームページのメール欄やこちらのブログ、TwitterのDMなどを使ってもらえれば善処するよう努めます。大手事務所の雲隠れじゃあるまいし(笑)、単なる個人商店ですからね。

そんな感じで、今後も仕事をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします♪

親愛なる臼井さま親愛なる臼井さま 2016/08/19 00:26 味方でいてくれてありがとう
光栄です。

親愛なる臼井さま親愛なる臼井さま 2016/08/19 00:31 シーちゃんの月影聴いて泣いています。
シーちゃん最高
シーちゃん最高
シーちゃん最高

usutaka96usutaka96 2016/08/19 01:48 臼井です。コメントありがとうございます。
静香さんについて、反応して下さったのですね。
『月影』、私も大好きな作品です。

宏美さん、奈保子さん、葉子さん、サッコさん、優さん、などなど仕事でご一緒した方の作品はとりわけプッシュするようにしております。勿論、ファンとして好きなアーティストについても、頑張りますね。また、至らないことがありましたら、DM等でこっそりご教示くださいね。

usutaka96usutaka96 2016/08/21 03:55 これ以降にもコメントいただいたのですが、ちょっと誤解を招きかねない表現があったので、いったん削除させていただきました。ご了承下さい。

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2016-08-04 [音楽]495・中島みゆき「バス通り」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

臨月

1981年3月5日発売の中島みゆき通算8作目のアルバム臨月』に収録。

当時、オールナイトニッポンも3年目に入ろうとしていて、シングルも累計10万枚以上の高め安定のところへ「ひとり上手」のヒットで、それを収録したアルバムも年間TOP10クラスの高セールスに。

他にも、人気投票などでは「夜曲」がまあまあ上位で見かけたし、また発売当時は「雪」が泣ける定番と化し、長年のファンにはシリアスな「友情」が人気と、なにかとフックの多い作品だ。

で、その中でLPカセットB面1曲に収められたこの「バス通り」。実は私、この作品15年間ほどハッピーエンド楽曲だと勘違いしていたのだ嗚呼!)。歌詞こちら

どう解釈していたかというと(もう本当に恥ずかしいのだが、あくまでも30年前の私です)、

別れた男と再会した女性が、「あの日はほんとは待っていてくれた」と誤解を解き、主人公女性と男が「二人ひとつの上着(で)かけだしてゆく」、つまり再び愛に走り(だから、店は歌が流れ出して、新たな人生が走ることを象徴、と解釈)、私は「ガラスの指輪」つまり、誤解していた間の偽りの愛に終止符を打つ。

なんて真逆に考えていたのだ。多分、中島みゆきにしては、明るめの曲調だからこそ、ハッピーソングだと確信していたのかもしれない。

しかし、実際は、男がバスを待ちながら昔の恋人主人公女性)のことを、誰か(おそらく今の恋人)と話をしていて、その後、元カノに気づき、気まずくなって(あるいはバスがいつまでも来ないのに業を煮やして)、雨をよけながら「二人ひとつの上着」で駆けていく。それで、主人公女性も、ようやく昔の恋に終止符を打つ、といった具合だろう。


中島みゆきの歌は、時に激論に発展するほど、人によって解釈が大きく割れることがあるが、この歌に関しては、誰ひとり、昔の私のような解釈をしていなかったな〜。(ムキになって、ある時期、みゆきファンに出逢うたびに、「この歌はハッピーエンドか?」と尋ねまくり、ほぼ30連敗だった。あっ、「ハッピーエンドかもね」と言ってくれた人が1人いた。理由は、「そんな昔の女のことをベラベラ喋るような男と別れて良かったじゃん」とのこと。・・・結局、わかれうたという解釈はブレていない(笑)

でも、考えてみたら、読解力うんぬんより、「中島みゆきと言えば、別れ歌に違いない」という先入観を以て聴けば、すんなりそんな歌だと理解できるなぁ。

当時(といっても、この歌をしっかり聴いたのは、バイトCDを買い揃えた1987年頃)の私は、こんな性格なのに「暗い」と言われることに抵抗があり(笑)中島みゆき楽曲からも、幸せな要素を見つけようと懸命だったのかもしれない。

ということで、時代や聞き手の年齢によって、より新たな解釈が出来るという一例でした。中島みゆきの歌って、そういう深さがあるのが魅力ですよね(と言って、当時の珍解釈正当化する私(汗))。

donchandonchan 2016/08/13 11:18 '81当時、深夜3時頃FMでニューミュージックの新譜LPを全曲放送してくれる番組があり、「臨月」はエアチェックして今も録音したカセットがあります。1曲目の「あした天気になれ」で、私も宝くじを買うときは当たる訳が無いと思いながら買うので、ネガティブなところ似ていると思いました。明るい曲調であっても何処か無理して明るく振舞っている、そんな感じがする「バス通り」です。失恋なのに明るく歌った「悲恋白書」を思い出し、また数年後発表された「駅」も曲調は違いますが別れた恋人への断ち切れない思いという点で、似ているような気がします。それにしても、みゆきさんの詞は胸にグサグサきて、怖いくらいです。

usutaka96usutaka96 2016/08/15 03:09 donchanさん、コメント有難うございます!

「バス通り」から“無理して明るく振舞う”を読み取られた訳ですね。お見事です!当時の私は、明るいの?じゃあ明るい内容だね!となんとも単純な人間だったとあらためて反省しました(苦笑)。確かに宏美さんの「悲恋白書」は、曲調と歌詞が不均衡ですね!多分、私がイマイチのめり込めなかった理由がそこにあると思いました。今は、貴重な大野克夫作品として楽しめます♪

今後ともどうぞよろしくお願いいたします〜。

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2016-07-28 [日常]494・「生活苦」?? このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

LOVE OR NOTHING

最近、特にここ1〜2年、仕事でお会いする人の一部から、収入面を心配して、

「大変でしょ?食べていけてるの?」

なんて言われることがある。そんなこと、親しい人にしか話さないし、こちらも聞かないというのが暗黙のルールだと思っているので、ちょっと驚いている。

実際、フリーになって11年間、生活に困ったことは無いのだが、そんな事を強調して、万が一、報酬面の交渉に支障を来たしてはならないので、適当に笑ってやり過ごすのだが。

でも、「辞めた会社にそのままいた時よりも、精神的&経済的に豊かになれるよう努力する。」と心に誓ってやってきたのに、そんな風に見られて心外だったり、また何か自分がひどく至らないのかと心配したり、正直穏やかな気持ちではない。

それにしても、人はどんな人を見た時に、「あの人(経済的に)大変そう」って思うのだろう。

例えば、1日、駅前で虚ろに佇んでいる人を見かけた時とか?沢山のご家族を養っている人をTV新聞で観た時とか?(でも、それは、「大変」というより「立派!」という感心や尊敬に近い)

あるいは、街角で古い金物屋さんを見かけたときとか・・・あっ、音楽業界も金物屋みたいだと思われているとか?(CDと雑誌を作ることだけが音楽仕事じゃありませんて笑)

それとも、今の世の中そこら中で、大変なフリーランスの人が溢れかえっているのだろうか。もし、そんな状況を知って尋ねているのなら、過酷な状況を面白がる前に、そういった人達に何が出来るか考えてくれた方がなんぼか嬉しい。

そういえば、以前仕事を一緒にした人に、上記のような事を尋ねられ、心配かけまいと思い、素直に「お蔭様で、暮らしは豊かになりましたよ」と言ったら

「えっ??“豊か”って、仕事が無くて、ヒマが多くなったって意味??」

と聞き返された。要は、私を心配したのではなく、「ほら、フリーになって、バカを見ただろう(ニヤリ)」と底意地の悪さが透けて見えたので、キッパリ笑顔否定した(ちょっと大人気なかったかも。なお、これが事実なのかハッタリなのかは、謎にしまーすby「コール」工藤静香)。

でもまぁ、そんな風に見えるほど(表立って)活躍できていないということだろうし、これからも謙虚に誠実に進むしかないな〜、とあらためて思ったとある夏の日の午後。

ジャケットは

この街で争って うぶな人たちを傷つけてみても

悲しいね むなしいね それよりも逃げて クズと呼ばれよう」

というフレーズが痛快なロックンロールの「アンテナの街」収録の中島みゆきLOVE OR NOTHING』。

シングル収録が1曲だけのためか、黄色いお店の280円コーナーでよく見かけるCDだけど、280円じゃ十分元が取れる熱量の高い楽曲が多いので、良かったらお手にどうぞ♪

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2016-07-22 [日常]493・大阪市大正区に行ってみた このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

予感

先々月のことになるが、大阪市大正区に行ってみた。2014年批判されまくったNHKの朝ドラマ『純と愛』(だがしかし、吉田羊や黒木華の地上波大量出演で、実は重要な存在)で、21世紀でも渡り船が重要な交通手段であるということが分かり、さらに調べると区の人口の1/4が沖縄県出身およびその親類の方との情報があり、これは、“ここにしかない日本”があるのではと思い、出張のついでに立ち寄ってみた。

↓こちらの方のブログが大変詳しいので、もし興味のある方は、一度予習されるのも良いかと思う。

http://ameblo.jp/amon3838/entry-11662154429.html

確かに、リトル沖縄あり、渡り船あり、海と太陽と工業地帯のコントラストがなんとも言えない昭和の既視感があり、ここでしか味わえない雰囲気が多分にある。

その一方で、なんというか、、、、きっと魅力と同じだけの問題がはらんでいるように私には思えた。そんな所ばかり見えてしまう私がおかしいのかもしれないので、以下はあくまでも一個人の感想としてサラリと見ていただければ。




まず、リトル沖縄だが、その名物の商店街のすぐ近くにスーパーマーケットがあり、こちらに人が集中し、案の定、沖縄系のお店で昼間に開いていたのは、肉屋、八百屋、和菓子など食料品関係の数店のみ。あとは、大半がシャッターを下ろしていた。行く前、観光案内の写真で、「シャッターに、シーサーが書いてあるって沖縄っぽくてよいですね♪」なんて説明を読んだが、そもそも日中にシャッターがそこかしこで下りているということ自体、笑ってはいけないような。。。

そして、渡り船。区内に7箇所の渡船場があり、ラッシュアワーにはほぼ10分おきに動いているのだが、それ以外の閑散期でも、15〜20分おきに出航していて、しかも、どれも大阪市が管理していて運賃はタダ。それは、本当に便利で有難いことなのだが。。。。これは、物凄いコストがかかっているのでは?と、ちょっと恐ろしくなった。ちなみに、私が乗った2回とも、乗船したのは私以外1組のみ。船の運航も2分ほどで済むので、それ以外の時間は、係の人も詰所でヒマそうに本を読んでいた。

とはいえ、千本松大橋通称めがね橋)と呼ばれるらせん状の大型の橋の下にも渡船場があり、行ってみるまでは「道路と平行して渡船場もあるなんて、ムダの極致では??」と疑ってていたが、いざ、その大型の橋を歩いて渡ってみたらビル10階分の高低差を上り下りしつつ、800mほどを歩くので、これは船がないと余程の物好きか運動好き以外はしんどいなと実感できた。でも、やっぱり閑散期でのこの本数の多さはビビってしまう。

そして、基本的に大通りは港湾地区に向かう大型トラックと、唯一の公共交通機関である路線バスがひっきりなしに走っているのだが(このバスの本数も凄まじかった)、裏通りは海沿い、川沿いを除けば、ごく普通の住宅街が多かった。いや、その「普通」のお宅の表玄関が凄かった。

まず、「普通」の家の洗濯機は家の表に置いてある。そして、物干し竿は、各家庭に隣接した歩道の上。さらに、その物干し台付近の歩道を見ると、植木鉢が“所狭し”どころか、むしろ所広しと、まるで歩道を占拠するように、各世帯が競うように置いてあるのだ。つまり、歩道までがそれぞれの家の持ち分(だから、この街ではやたら大型の植木鉢やプランターを多数みかけた(笑))。道路を歩きたい人は、車と同じように歩道の隣をどうぞ。裏通りなので車はさほど通らないし、歩行者をよけながらゆっくり運転してくれます。

文章だけで書くと、殺伐とした印象を受けるかもしれないが、実際の大正区は、ゆるやかに時が流れていて、決して治安も悪くもなく(私が住んでいる東京の方がよっぽど危険)、何もかもが許されている、または受け流されている感じがした。これは大阪の「かめへん、かめへん」と、沖縄の「なんくるないさー」がWパンチとなった結果なのかも、と勝手に推測した。

ちなみに私は、「地方でシャッター通りを見かけたら、千円以上出費する」というルールを自らに課しているのだが、ここで入ったお店はどこも接客が良いし、ヒマそうな船員さんも、寡黙ながら感じは悪くなかった。あと、缶飲料の自販機の大半は50円60円コーナーあり。オール80円以下もざら、スーパー玉出は常にタイムセール価格。きっと、プラスとマイナスを合わせれば、十分おつりの来る街だと思う。


ということで、いつも、どうでもよい部分や、どうにもならない部分ばかり気づいてしまう私が見た大正区レポートでした。BGMは、中島みゆきの「誰のせいでもない雨が」(アルバム『予感』収録)。月日、すべての悲しみを癒しますように。

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2016-07-18 [仕事]492・機械に負ける日が来ても このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

いつか離れる日が来ても

以前、ここで書いたことの繰り返しになるが、2年前から配信サイトでの選曲に携わっている。そのサイトは以前、レコード会社から提供された新曲音源をただ並べるだけだったのだが、番組出演情報や季節、時事ネタに沿った選曲、さらには新曲のみならず “記憶名曲”となる旧作も配置すると、このダウンロード不況の中で確実に売上を伸ばすのだから、とてもやり甲斐を感じるし、日々の勉強にもなっている。

だが、囲碁や将棋がそうであるように、この選曲という業務もいずれすべてコンピューター任せになるのかもしれない。

(ちなみに私、人間対コンピューターが1勝3敗の記事を見て、悲観どころか「人間」が凄いと感動したクチ。だって、過去の勝負手を研究しまくった(というか、パクリまくった)コンピューター何百台分を駆使してでも、たった1人の人間が、時に勝ちうるなんて、夢のあるお話だと思いません?棋士の方ってホントに凄い!自分もそれくらい信頼されたいな〜(笑)。)

ただ、現状は、そのコンピューターに楽曲に関する情報を人の手で入れていく必要がある。発売年、製作者、歌詞BPMなど単一的な情報は画一的に入力できるのだが、特に、感情ワード部分のフラグの立て方がまだまだ難しい。

実は、ある会社で楽曲データベース入力を手伝ったことがあるのだが、(実際に作業したアーティストは伏せておくとして)、例えば、吉田美和楽曲って、別れの歌でも次の希望に繋がるものが多くて、その時に「切ない」や「明るい」にフラグを立てるかどうか、入力者によって分かれてしまう。また、逆に中島みゆきの歌で、困難に打ち克つような内容でも、その「困難」自体にダメージを受けて、「応援歌」とは思えず「暗い」の一点張りでフラグを立てる人もいそうだ。

しかも、同じ人でもその時の心理状態感情的キーワードがブレることもあるし、時流に乗って、その歌が結婚ソング卒業ソングに生まれ変わるものもある。そういった部分のアップデートをことごとく実行するには、あまりに現状の人力では追いつかない。・・・という印象を私は抱いた。

とはいえ、いつか、そういった部分も機械的自動入力していくツールが完成するならば、私のような仕事はもうなくなる、のかもしれない。

けれど、いつかコンピューターに負けたとしても、「あなたの、そのこだわりがいいんだよ」と選んでくれる人がいてくれたらいいなと思う。この15年間で、音楽を取り巻く環境は大きく変わり、この先もまだまだ時代は変わるけれど、音楽がある所に人がいることを忘れないでおきたい。そういえば、初音ミク、数年前は年間TOP200に数作入るほどだったのに、最近は殆ど聞かないな。。。(まず握手が出来ないのがシングルCDのヒットを持てないという問題もあるけれど汗)

ジャケットは、平井堅2008年シングル「いつか離れる日が来ても」。本作を含め、平井さんの歌は、時々、終わることしか思い浮かばない、だけど終わったとしても続く愛が描かれているように思う。

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2016-07-11 [音楽]491・生真面目「が」好き このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

生真面目で好き

仕事で対談や取材仕事があったり、また単にプライベートな仲間内で好きな楽曲を語るとき、自分の趣向が大衆が求める答といつも少しズレていることに気づく。勿論、人の感覚なんてバラバラだから面白いのだが、私の場合、いつも「それは分かるけど、1番じゃないんだよなぁ(この場では最適な答じゃないんだよなぁ)、、、」みたいな雰囲気を醸し出してしまうので、状況によっては、−例えば取材時間がなくて1つしか答える余白がないなど−わざと自分の答を隠して、皆が望むであろう1番の答に寄せることがある。例えば、

中森明菜80年代のアップテンポ名曲といえば、せーの→「DESIRE」と言うのが正解だろう。私も大好きだ。だけど、私の心の中でより言いたいのは「ミ・アモーレ」なのだ。決して“「TEENANGE BLUE」が、今世紀最強の名曲で、これが分からない奴はクズだ!”とか言い出す困ったチャンではないのだが(笑)、いつも2番手、3番手の曲が真っ先に浮かぶのだ。

時代で、郷ひろみなら、せーの→「2億4千万の瞳」。もう正解は分かってる。だけど、自分が素直に答えるとしたら「素敵にシンデレラコンプレックス」となるだろう。

70〜80年代岩崎宏美アッパー名曲なら、せーの「シンデレラハネムーン」が最も大衆的だが、これも「決心」か、また歌謡曲ファンが多いなら「未完の肖像」と答えたいほどだ。

そもそも、松田聖子を差し置いて河合奈保子ファンを公言していること自体世間からもズレている、と言われるのだろう。(ちなみに、私、聖子さんのオリジナルアルバムほぼ全作持っているので、キライな訳がない!あっ、ちなみにSMEの復刻仕事が殆どないのは、私が避けているのではなく、先方が社内人脈で済まされることが多い、というのが最大の要因です。)

そのズレる要因は、簡単に言えば「遊び」がないのだ。生真面目に楽曲の良さだけを追求しているというか。でも、より多くの人の心をつかむものは、やはりどこかくだけた表現や、親しみやすさが必要だったりする(ああ、これもここで何回も論じている中期奈保子作品ジレンマそのもの)。その余白って、こうした楽曲の浸透度のみならず、友達の作り方とかプレゼンの仕方とかにも現れているなぁ〜と、最近つくづく思う。

しかし。それぞれの問に対して、こういう自分の少しズレている感覚理解しつつ、1番の答を把握するというのは、公私問わず様々なヒット現象を見つめてきたからだろうし、その意味で、データを見つめるという事は、(未熟とはいえ)謙虚さを備えるためにも重要なのかな〜とも思う。

ジャケットは石川優子の『生真面目で好き』。これもまた、彼女の資質楽曲の特徴を端的に表した秀逸なタイトルだと感心する。

いせっこいせっこ 2016/07/16 14:23  こちらではご無沙汰です。
 多数派を把握し肯定しながら少数派でいることは大事だと思います。そういう人が時代を動かしていくのかなぁ、とも思ったりします。
 ちなみに、石川優子さんのアップ曲といえば、多数派は『ふたりの愛ランド』か『シンデレラ サマー』なんでしょうけど、個人的には『ドリーミー・ドリーマー』だったりします^^;。

usutaka96usutaka96 2016/07/17 02:28 いせっこさん、コメントどうもです〜。
そうですね、わざとC級歌謡ばかり探す人は対応に困りますが(苦笑)、それぞれの人のツボが分かるといいな〜と思います。ちなみに、私の場合は、心からいいなと思うものがいつも2番〜5番の事が多いです。どの歌手の1番だけを知っている人は、得てして音楽以外も多趣味で、邪心がなく音楽を聴いている人が多い気がします。
「ドリーミー・ドリーマー」も良い曲ですね!きっと、優子さんは、声も顔も可愛い分アイドルとの差異化を図る為、シングルだけを売りたくなかったんだろうな〜と勝手に想像します。今ならば、miwaや大原櫻子という立ち位置もありますが。
また、よろしくお願いいたします。

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2016-07-03 [音楽]490・柏原芳恵「太陽は知っている」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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1985年7月3日(ちょうど31年前!)に発売された柏原芳恵レギュラーシングルの通算22作目渡辺美里杉山清貴の同名異曲ではない。

80年デビューの中では奈保子第一党(微笑)の私ではあるが、この年の柏原芳恵は、大好きなシングルが揃っている。

穏やかなメロディーコーラスワークながら、秘められた恋を歌う中島みゆき作詞作曲の「ロンリー・カナリア」、テレサ・テンに続けとばかり叙情歌謡路線に突入した「待ちくたびれてヨコハマ」、そしてこの「太陽は知っている」の後が、高見知佳シングルB面曲の焼き直しだが、道ならぬ恋を切々と歌い上げたオリジナル色の高い「し・の・び・愛」と、(ワタシ的には)まさにエエトコドリだ。

だけど、この情報が溢れた時代に「太陽は知っている」に関する感想レビューが1件もヒットしないのは、あまりにも勿体ない。いや、芳恵さんの悪女路線=「ちょっとなら媚薬」「悪戯NIGHT DOLL」そして本作は、いずれも前作のセールスを大きく引き下げたので、需要が少ないのは重々理解している(あまりにもフィクションと思えないから?(汗))。だけど、需要のなさと、楽曲の完成度は別物なワケで、とはいえ当時のTOP10ヒットでもあり、やはり埋もれさせるには勿体無いので、私ごときが語ってみたい。


まず、当時のシンセサイザーど真ん中のイントロ(編曲は、この頃の彼女の楽曲に多い渡辺博也氏)。前年の彼女のアルバムでやたら評価の高い『ラスター』や、河合奈保子「微風のメロディー」「潮風の約束」のような涼しげな音色が好きな人なら絶対にハマりそう。コーラスが徐々に乗ってくるのも私が好きなパターンだ(笑)

作詞は、松井五郎で、フランス映画『太陽が知っている』をもじった辺り、同年末の岩崎宏美『cinema』に継承されているし、女性詞だと狂おしさを出すのが絶妙松井さんだけど、柏原芳恵というキャラを投影したのか、本作ではドライ恋愛がさまになっている。

因みに歌詞こちら

作曲は、83年の「夏模様」の成功に気をよくしたのか、2年ぶりに松尾一彦(当時オフコース)を起用。「夏模様」の穏やかさも素敵だが、静かなAメロから、徐々に昂ぶるBメロ、そしてサビでスパークするというダイナミックな曲想は、松尾さん本人も「夏模様」以上に気張っている。(気合いが入るほど、逆に売れなくなるのは、自作期直前の河合奈保子にも多数見られる現象ですね。。)

そして、こんなあれこれ特筆すべき楽曲を、柏原芳恵がいつもの涼しさと激しさを上手く使い分ける、独特な表現力で歌っていて、しかも遠目に見れば「あれ、口パク?」と思えそうなほど、レコード再現性の高い歌唱をTV番組でも披露していた。それだけ本人にハマっていたのだろう。

ということで、あまりご存じない方は、どこかで動画があれば堪能してみて(著作権でガッツリ生活させて頂いているので、非公式なものはリンクできません。でも、それが、購入のキッカケになる人がいる事も存じております。そこまで堅物でもないのです)。

気になった方は、Amazonで『 ゴールデン☆ベスト 』を覗いてみてください。レコチョクiTunesでも数十秒試聴できます。

ドイツ語通翻訳ドイツ語通翻訳 2016/07/03 22:49 私が音楽的思考もないのに、この曲が取り扱われる嬉しさの余り書き込み致します。
1985年は柏原良恵さんの楽曲性超高レベル年だと思いますし、楽曲性レベルが上がると河合奈保子さん同様何故か売上が下がるという本末転倒(私に言わせれば「お前らどこ見とんじゃ」という現象)にも全く同感です。
あくまで私の嗜好ですが、今現在、柏原良恵さんの曲だとこの曲中心に1985年作品、それに河合奈保子さんだと「挑発路線」が未だに心に伝わってくるのです。

usutaka96usutaka96 2016/07/04 07:55 ドイツ様〜!コメント有難うございます、嬉しいです。
1985年説、大変有効だと思います!!おニャン子クラブの大ヒット、バンドブームの到来、バブル絶頂期と、あれこれ「歌謡曲と正面に向き合う」ことが難しくなったのでしょうね。多分、論文1本書けるほど深遠なテーマです。それほど素晴らしいご意見、有難うございました〜!

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2016-06-28 [音楽]489・音楽配信で歌謡曲の再発見 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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1ヵ月半ぶりの更新です。最近は、2016年上半期の市場レポート媒体社やレコード会社向けにまとめたり、アンケート分析したり、空いた時間にも執筆を入れたりして、相変わらず仕事漬けです(笑)。Twitter等でも、連載のお知らせ以外、もっと気軽に書きたいんだけど、およそ音楽ファンとは思えない人に意図しない方向で断片的にさらされるが面倒で、「うーん、フリーで書いているのに、仕事以上に気を遣うのもヤダな〜(笑)」と思って、このブログもいい加減に書けないと思っていたら、1ヵ月半も経っていました(苦笑)。どうぞ、ここは私や音楽が好きな方の息抜きの場所になれば嬉しいです♪


さて、2年前から仕事配信サイトの監修をしているのですが、主だったJ-POP部分の開拓は、こんな時代にも拘わらず、有難いことに売上増が続いているので、更に歌謡曲テコ入れも始めています。その上位ラインナップはだいたい、レコチョクさんと同じなので、まずはこちらをチェックしてください。

http://recochoku.jp/genreranking/kayoukyoku-enka/daily/

歌謡曲定義は、最近、大きく揺らいでいて、ここでも、小林明子など当時はニューミュージック区分されていた楽曲が入ったり、他方、松田聖子や工藤静香新曲歌謡曲としてランクインするなど、かなり雑多になっていますが、まあ全体として、40代以上の人が気負わず聴けるものが多いと思います。それは、それで一つの楽しみ方でいいんです。

また、定額聴き放題や人によっては「音楽に一切お金を払わない」と言ってしまう人もいるなかで、1曲の音源に対し250円(一部作品プライスオフでも150円)を払うリスナーがちゃんといるのも嬉しい。それだけ楽曲にチカラがあるということなんでしょうね。ちなみに、このチャート常連は、松田聖子、中森明菜工藤静香坂本冬美美空ひばりテレサ・テンあたりで、今年になって沢田研二の各楽曲が急上昇してきました。それを眺めているのもまた楽しくなります。

だがしかし。この1年間欠かさず配信系の歌謡曲ヒットを見つめているのですが、河合奈保子楽曲が週間どころか日間でも一向にTOP100に上がってこないんです。それが不思議。というか勿体無い(苦笑)。

※ここで注意しなくてはいけないのは、元々このチャートに現れない、歌謡曲出身歌手もいるということ。郷ひろみ、西城秀樹、ちなきなおみ、太田裕美、堀ちえみ、石川秀美、浅香唯あたりは、もともと当時の楽曲配信されていないし、また山口百恵や小泉今日子がないのは、メーカー側が「歌謡曲」ではなく「J-POP」のジャンルに意図的カテゴライズしているので、ここに登場しないのですが、奈保子さんは歌謡曲区分なのに、一切ここにはないのです。本人が休業中だからと言われるかもしれないけど、ご覧のとおり、休業、引退鬼籍の歌い手さんもバンバン入っています。

奈保子さん自体は、CDボックスやベストアルバムライブDVDなどの音源映像をまとめると、それこそ復刻系ではトップクラスセールスになるので、むしろ再評価は進んでいる方なのですが、どうも、1曲単位で購入する人が少ない、極端に少ないのです。代表曲として比較メディアで紹介されている「スマイル・フォー・ミー」や「けんかをやめて」くらい購入しても良さそうなものを(笑)。柏原芳恵なら、代表曲「春なのに」「ハロー・グッバイ」は勿論、(とても優れた楽曲と思いますが知名度的に)やや格下の「ちょっとなら媚薬」や「最愛」でも、ここではちゃんと入るのに。

まぁ、これも1曲じゃなく、もう一気に全部買ってしまいたいほど、河合奈保子は魅力のあるアーティスト、と捉えればいいのかもしれませんね(微笑)。実際に、当時からシングルセールスが同クラスアイドル歌手に比べ、アルバムセールスがすこぶる高かったのですから。

また、私自身も諦めが悪い人間なので(笑)配信特集選曲に、奈保子さんの「FOR THE FRIENDS」「モスクワ・トワイライト」「Sky Park」などの単曲や配信アルバム特集で『A面コレクション』を掲載して、釣竿を垂らしています(笑)。そうすると、他の歌謡曲出身歌手にも引けをとらずアルバムが買われるので、やはり音源だけでも魅力があるのが分かります。

ということで、これも一つの音楽の楽しみ方としてご紹介してみました♪

White AutumnWhite Autumn 2016/07/03 13:53 蒸し暑くなってきましたね。お元気でご活躍のようでお喜びもうしあげます。

小泉さんはJ-POPという概念ができてからもヒット作品を出しましたからまだしも(それでも、あの方は”歌謡曲”の典型だと思います)山口百恵さんにそれはないでしょう、と思います。百恵さんに対してもかえって失礼にあたるのではないかと…まだまだ「伝説」にふりまわされてリテラシーを持とうとしない人が大多数なのですね。

河合さんについては、ファン以外の人でも知っている、聞けば思い出せる「国民的代表曲」に縁がなかったことが今さらながら残念ですね。もう取り返しがつきませんし。

usutaka96usutaka96 2016/07/03 21:11 White Autumnさん、いつもどうもです。裏方仕事ばかりが増えており、ますます地味になりそうです(笑)。

そして、カテゴリーの件、「かえって失礼」、素晴らしいお考えですね。近年の歌謡曲の再評価の筆頭でもいらっしゃるので、こうしたランキングに出れば目立つだろうな〜と思います。

そして、奈保子さん、、確かに代表曲は少ないのですが、それでも「夏色のナンシー」「恋、はじめまして」「最愛」「Oneway Generation」あたりが入るくらいなら、奈保子さんも入ってもおかしくないな〜と思うのですね。物真似効果で「シンデレラ・ハネムーン」が「聖母」「ロマンス」に次ぐ高ランクなので(配信、カラオケとも)、誰かハイハイ言いながら(勿論デフォルメです)物真似してくれないかな〜と思っています(微笑)。

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2016-06-27 [仕事]488・信頼のある関係に敬服 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

掛け値なく相手が良くなることを願って発言する方がいらっしゃる。いつか、その人徳ストックが、花開きますように。そして私も、そんな人に少しだけ追いつけますように。

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2016-04-17 [日常]487・「縁」と「一期一会」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

一期一会

熊本・大分の地震、早く落ち着きますようにと心から願う。

さて、1月〜3月は、またまた忙殺されていた。執筆以外で、不特定多数の方に向けての文章はなかなか入力が進まない。Twitterは文章というより、単なる呟きだし(笑)、逆に言えばそんな風にスラスラと文章を書ける人が羨ましい!

で、そんな最中、3月にどうしても逢いたい人がいた。その方とはある時期懇意にさせてもらったのだが、昨年の春、急に海外転勤が決まり、「お別れ会」的なこともできないままに、遠くに行ってしまわれた。その方が、約1年ぶりに出張で日本に帰ってこられるというのだ。

ただ、今回は会社の用事が済み次第、またすぐに帰国しなければならないという。だったら、相対的にヒマな私の方が動いて、どこかで時間を作りましょうと提案した。これまでメールで何度もやり取りしていたが、実際に逢えた時に、もっとちゃんと伝えたいことが沢山あり、その日まで心はワクワクしたりドキドキしたり。・・しかし、実際は逢えなかった。私の方は仕事を早く繰り上げ、空港や宿泊先などで時間を合わせたのだが、それでも、どうしても逢うことができなかった。

その方からは全く時間がなかったと言われたが、真意は分からない。本当に数十分の余裕もなかったのかもしれないし、帰国中、連絡が取れなかったのも、Wi-Fi機能をONにするのを忘れるほど、多忙だったのかもしれない。また、実は多少の時間があったかもしれないが、重要な会議があると聞いていたし、その直前に人と逢うことがストレスだったかもしれないし、「同僚」「家族」など様々な案件の中で私に「逢いたい」と思わせる動機付けが欠けていたのかもしれない。ただ、「逢えなかった」という事実だけが残った。そして、それを恨むこともなく、所詮はそれくらいの「縁」しか私には結べなかったのかもしれない、と自分に言い聞かせた。

そんなことを考えて、年齢を重ねていくうちに「逢う」ことは、なんて難しいことなのかとあらためて実感した。

まず、時間の都合をつけることが難しい。仕事の都合、家庭の都合、30代後半から40代になると本当にこの辺のやりくりが大変だ。忙しく仕事をしながら、子育てや親の介護などに時間をかけている人とそうでない人とでは、この部分が全く異なる。また、中高年になると自身の健康状態も重要になってくる。体が丈夫でも「気が乗らない」ということがそれ以上に負担になることもあるだろう。

さらに、限られた自由時間の中で、誰とどう過ごすか考えた上で、逢える相手を選ぶこともあるだろう。その時に、仕事のつきあいをからめた方が自身のスキルアップになるという考え方もあれば、むしろ仕事から解放された人と逢うことで、ストレスを発散できるという人もいる。それも人それぞれで、どちらが正しいとかはない。

そう考えると、やはり自分に「逢う」ことを選んでくれた相手には、いっそう感謝せねばと思えてくる。実際、そのうち「逢おう」と考えていたら、行方が分からなくなってしまったり、亡くなってしまわれたりも、普通にあるようになってしまった今の年齢、今の時代において、まさにそれが「一期一会」になることも多いのだと痛感させられる。

だから、「逢える」ことって実はとってもミラクルなのだ。

ギムリンギムリン 2016/05/07 11:09 ご無沙汰です。小生も10年以上前に海外勤務だったことがありました。本当に休暇の一時帰国ならよいのですが、出張中の時は本当にバタバタしてました。当時はネット環境もよくないですし、現地とは時差もあるのでホテルにこもってFAXで対応も頻繁にあり、日本のメンバーからは予定外の工場・営業所出張も入れられるしで、ほとんどプライベートで休まる時間なし。
多分、少しでも時間があれば、頭と目を休めていたかったように思います。
そんな生活だったので、有楽町の駅前も通ったはずなんですが、宏美さんが歌手復活して帝劇でレミゼ再演していたのも全然気づいていませんでした。

ライブの参加に関しては、そのうち行けると思っていたら、本田美奈子さんのような例もあるので、本当にチャンスを見つけ聞いておかないと、後悔することがありますね。
といいながら、まさに仕事や家族との時間配分で、ますます難しくなっていることも事実ですが。

usutaka96usutaka96 2016/05/08 00:20 ギムリンさん、当事者側の貴重なエピソード、有難うございます!いっそう心が晴れました〜。

LIVEは本当に仰るとおりですね。同業のフリーランスの方で、1人で悠々自適で、しかもナツメロ専門で動いている方の話を聞くと、羨ましくもあり、でもきっと限られているからこそ、得られるものもあると思います。でも、まずは健康でありたいものですね。有難うございます♪

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2016-03-03 [音楽]486・工藤静香、本サンプルCD到着 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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またまた1ヶ月ぶりとなってしまいました。2月は、メーカー様向けの市場分析レポートが大量にあった1月に比べれば、多少余裕があったものの、日経トレンディネット桑田さんヒット分析の記事執筆や、LISMO Storeの特集での選曲など、あれこれ働いていて、趣味としての文章を書く余裕がありませんでした〜。

さて、3/9に発売となる、しーちゃんこと工藤静香の3枚組ベスト『My Heartful Best -松井五郎コレクション-』の本サンプルを、ポニーキャニオンさんから送っていただきました〜。嬉しい!

まず、プラケースや帯が分厚くて新鮮です!この分厚さといったら00年発売の非公認3枚組『ミレニアム・ベスト』と同じですが、あれは1枚ずつの超簡易プラケースで、ジャケットもあまりにシンプル(しかもそこに印刷されたシングルのジャケットに愛情のかけらもなかった泣)でしたが、今回は1パッケージで、ジャケットも撮りおろし、おまけに各ディスクの色も綺麗だし、まずこの点でかなり嬉しいです♪

次に、ブックレットですが、15枚組のBOXSHIZUKA KUDO ORIGINAL ALBUM COLLECTION』に次ぐ分厚さの52ページ仕様!でもあれは、ご本人のコメントが少しあるだけで、ほぼすべて歌詞集でしたが、今回は、ブックレット内に別衣装&ヘアスタイルでの写真が数点(こちらはワイルド!)、解説&松井五郎さんインタビュー文が14ページ(前年のベストは4ページ)と、それなりに充実しています。まぁ、ページ数が増えたのは文字サイズがデカくなったからですが、ファンの皆さんも、しーちゃんご自身も歳を重ねている訳で、そろそろ老眼も始まっている人もいると思うのです。また、文字が大きい方がメッセージもよく伝わるという思惑が、しーちゃんなり、松井さんなり、スタッフさんなりの配慮があったと思うし、そう考えると文字が大きいのはいいことです♪

そして、肝心なディスクですが、前年の『My Treasure Best』に続いて、こちらも最新リマスタリング効果が!約16年ぶりとなる「わたしはナイフ」「うらはら」も新鮮だし(特に「うらはら」は、かなり生!という感じ)、全体に音の細かさも力強さもビシバシと伝わってきます。その分、「抱いてくれたらいいのに」「ワインひとくちの嘘」など初期ならではのあどけない声が際立っていますが、そこが好きな人もいるでしょうし、これはこれで有りじゃないかと。ハイレゾ版は既に発売されていますが、これは通常のCDでもかなり改善されています。Disc1のBloomが約45分、Disc2のAquaが約37分、Disc3のCrescentが約52分と、分数の不均衡はどうぞ気になさらずに♪

そして、楽曲解説の方は、、、まぁ、私が書いている部分は、どうぞ大目に見てやってください(微笑)。彼女が近年のテレビ番組で、当時を振り返ってコメントしたものと、当時のインタビュー記事での発言が異なることがしばしばあるのですが、内容が改ざんされた様子がない限り記事を優先して書いています(グラビアなど嘘くさい設定−カメラマン付きの“ひとり旅”とかw−も確かにありますが、音楽誌は真面目です)。でも、自分に照らし合わせて考えても、25年以上前のことを、逐一憶えていませんし、しかも凄まじく働いていた時期なんて、数年前どころか数ヶ月前でも記憶が吹っ飛んでいますから、トップスターならば尚のこと。そこは誰を責めるでもなく、ニュートラルに書いております。

松井五郎さんのインタビューでは聞き手を担当し、そこに後日ご本人に加筆いただきましたので、お人柄の表れた文章となっています。私自身、松本隆松尾潔松井五郎の男性「3松」の女性詞が好きというほど、松井先生リスペクトしておりますが、ご本人はいたって穏やかなミドル紳士という感じで、松尾さんのように饒舌でもなく(30分のインタビューでも2時間になるほど笑)、本当に謙虚クライアント要望に応えながら仕事をされているのだな〜と実感いたしました。

以上、一般リスナーにはちょっとコアな切り口に見えるかもしれませんが、全28曲、ブックレットを読みながら聴けば超充実の3枚組ベストだと分かっていただけるかと思います。よかったらチェックしてみて下さいませ♪

白くま白くま 2016/03/05 20:58 usutaka96さんはじめまして。
工藤さんのソロデビューからの大ファンの者です

昨年の中島みゆきさんと後藤次利さんのベストに続き
松井五郎さんの作品が出て嬉しいです。
迷わずく購入いたします。
ブックレット楽しみにしてます。
ご存じでしたらお聞きしたいのですがミレニアムベストは高音質リマスタリングはせれてるんでしょうか?。

whitheoutoyuorloveとゆらぎの月、フルで早く聴きたいです。中の工藤さんのワイルドな写真も楽しみです。
もうすぐですね♪。
ご説明どうもありがとうございます。

ANYANY 2016/03/06 09:34 松井五郎セレクション楽しみですが、
来年次の切り口は工藤静香作詞集でどうですか?
静香の作詞って独特で、案外いいかと。
Shizuka sings Aeri とか Myself BESTとかね。
どうですか?

usutaka96usutaka96 2016/03/06 21:12 白くまさん、始めまして。
コメント有難うございます!

松井五郎作品集は、多分、ファンの方と一般のリスナーとの
温度差が大きいでしょうし、昨年ほどのセールスは難しいかも
しれませんが、聴き応えはすごくあります。ご存知のように
ホント、しーちゃんが好きそうなんですよ。

『ミレニアム・ベスト』に限らず、どんな企画盤でも、
リマスタリングはなされていますが、特に高音質に
こだわった、ということはないと思います。まぁ、便利ですけど。

あと数日ですが、どうぞお楽しみになさって下さい♪

usutaka96usutaka96 2016/03/06 21:15 ANYさん、いつも有難うございます。

愛絵理集は、量が多いですし、また来年は
30周年なので、もっと様々な切り口になるんじゃ
ないでしょうか。あっ、ベストが出ればの話ですが。

今年はお求め易さ優先で、CD3枚組となったようですが、
次回は映像ディスクもあれば嬉しいですね。

ANYANY 2016/04/13 12:19 発売してかなり経ちますが相変わらず愛聴しております。
ところでこのアルバムはどれくらい売れたんでしょうかね?
案外、中古で見かけます。

最近、また静香ばかり聴く時期なんですが(笑)
やはり音質は劣悪ですが、ミレニアムベストが1番。
静香のシングルで外せる曲がないんですよね。
Blue Zoneまで綺麗に収まってるのも、便利。
非公式でもいいものはいいですね。
来年あたりにオールタイムベストに期待したいです。

usutaka96usutaka96 2016/04/17 00:20 ANYさん、3日間も放置してすみませんでした。
最近、有料の執筆と分析の依頼がとても多くて、TwitterFacebookレベル以上の文章が書けずにおります。

さて、このベストの売り上げは、B面集の2倍以上は売れているので、私としては満足です。が、中古で見かけるというのは、ブックレットが魅力ない、という私の責任もございますので、今後も精進したいと思います。

シングルに外せる曲がないかどうかは。。。私はノーコメントといたします(微笑)。いえ、悪くないのですが、アルバムの名曲より地味なシングルもあるので。。

オールタイムベストも私も期待しております。また、声がかかるといいな〜。

2016-02-01 [音楽]485・工藤静香/My Heartful Best このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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今年の1月はめちゃくちゃに泣いてしまいたいほどに忙しくて、年末からのしーちゃんこと工藤静香さん情報に触れることが出来ませんでした。年末のディナーショーの感想は、きっと方々で出ているでしょうし、ここでは制作や宣伝に少しずつ関わっている3月9日発売のベスト『My Heartful Best〜松井五郎コレクション〜』について、告知させてください。

まず、曲目を載せておきます。当然ながら全28曲、前回のベスト盤と被っていません!(そりゃあ作詞家が異なるので笑)また、旧音源は全曲最新リマスタリングで、あまりのやっつけのジャケット&本人非公認ながら便利だから仕方なく聞いていた00年の『ミレニアムベスト』で慣れていたあの曲もこの曲も新鮮に聴けるはず!(太字はシングル曲です)

DISC 1 Bloom 01. 抱いてくれたらいいのに 02. 恋一夜 03. ちょっとしたGUILTY 04. メタモルフォーゼ 05. くちびるから媚薬 06. きみが翼をひろげるとき 07. あなたしかいないでしょ 08. 深海魚 09. Without Your Love(初収録、93年録音)

DISC 2 Aqua 01. 天使みたいに踊らせて 02. ぼやぼやできない 03. Mirageの虜 04. バロックパール 05. Non-Stop 06. とても小さな傷心 07. わたしはナイフ(久しぶりのCD化)08. うらはら(久しぶりのCD化) 09. さよならLONELYこれっきりLONELY

DISC 3 Crescent 01. ワインひとくちの嘘 02. X'masがいっぱい(久しぶりのCD化) 03. MOONLIGHTのせいじゃない 04. 夏がくれたミラクル 05. セレナーデ 06. 捨てられた猫じゃないから 07. めちゃくちゃに泣いてしまいたい 08. 声を聴かせて 09. 存在 10. ゆらぎの月(初収録、新曲

前回のベスト盤『My Treasure Best -中島みゆき×後藤次利コレクション-』は、2004年くらいから私が「これ出しましょうよ!」としつこく言いつつも燻っていた企画に、静香さんが新曲を足してくださったことで実現しましたが、今回の場合は、静香さんが松井五郎さんで集めたいと言って下さったことや、その数年前の後藤さんのデモテープ(後述)がキッカケで実現したというのが強いです。それでも、私自身、今回もプレスリリース文を担当するなど、売れてほしいことには変わりありませんので、あれこれ特長を書いてみますね。

まず、なんと言っても本作はとても聴かせる2曲を初収録。1曲は既に発表されている93年のお蔵入り曲「Without Your Love」で、これはホント93年にこの楽曲??と驚くほど不思議雰囲気楽曲。かなりブルージーでシングル向きじゃないかもしれないけれど、何度も聞いていると、口ずさんでしまうような後藤マジックの1曲で、いかにもしーちゃんが好きそうなメロディーです。言葉遣いユニークで面白いです。えぇ、私もすっかり中毒です!

そしてもう1曲の「ゆらぎの月」(タイトルは既にフジテレビ「MUSIC FAIR」ホームページで告知済)はドラマや映画の主題歌になりそうな情熱的なバラード松本俊明さんの曲といえば「風になりたい」「Olivia」などしっとり系が多いイメージもありますが、今回は良い意味ベタです。しーちゃんのボーカルも乗っていて、かなり共感度高いはずです。今週末、2/6の『MUSIC FAIR』でも早々に歌われるので、是非聞いてみてください。「優」とか「雨夜の月に」とか好きな人はハマるはず。えぇ、私もすっかり虜です!

また、今回は28曲3枚組という構成で、ディスクごとの楽曲の振り分けや曲順、さらにディスクごとのコンセプトやタイトル松井五郎さんが決めておられます!もし、私が決めたらいかにもベスト盤っぽい下世話さを出しますが(汗)、そこは松井五郎という作家さんらしさが出ていて、静香さんも納得の構成です。また、初作詞の88年から現在までを振り返ったインタビューも2千字ほどで掲載される予定で、「えっ?そうだったんですか!」と目から鱗の新事実も多数語られています。あと、静香さんの写真カットも上記衣装とは異なるパターンでも何点か掲載されるはずでそれもお楽しみです!

そして、大変僭越ながら今回も私の方で全曲解説を担当しております。今回は28曲もあるのに、前回と同様の形式で書かせていただいたので、総文字数が8千字を超えています(あまりの駄文でこの後バッサリ切られてなければ汗)。レイアウト等はポニキャンさんにお任せしているので、読める文字の大きさになっているのか、ちょっとドキドキですが、3枚組ならケースも幅広くなるし、その分ページ数も前回の32Pより増えるんじゃないかと期待しています!今回も、過去の雑誌を読み返して、自分なりに頑張って書きましたが、当然メインは静香さん、松井さん、後藤さん、松本さんなど楽曲に関する部分なので、ライナーに興味なくとも、まずはそちらをご堪能いただければ。

前回より新曲が1曲増えて、総収録曲数も10曲増えてお値段据え置きの税込3000円!(今回も、TSUTAYA購入特典として抽選でトークイベントご招待も予定されています。)ドップリと工藤静香×松井五郎世界に浸れるので、是非チェックしてみてください♪

TWTW 2016/02/04 20:11 うわー、これdisc分けが絶妙ですねー。
各discにタイトルもついて、最初は2枚組でいいんじゃね?と
思いましたが、これは正解!
私はナイフとか久しぶり!だし。
もちろん
予約しました。

ところで20thベストにもその後のBOXにもリマスター収録
されなかったPleaseをサルベージしたベストが欲しいです^ ^
ミレニアムベストじゃあまりにも笑

usutaka96usutaka96 2016/02/05 06:53 TWさん、コメント有難うございます!

そうですね、面白い3枚組だと思います。バラード多めなdisc3の軽重のバランスが、かなり偏っていますが、多分、それが松井さんの聴かせたいポイントなのかなと思いますね〜。

「Please」もきっと最新の音だとスリリングになるでしょうね〜。あと、Little Kissも。30周年BOX(出るのかな?)に期待します!

2016-01-09 [日常]484・メディア情報も複眼で(後編) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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さて、昨日の続きです。

雑誌:とかく「雑誌はあてにならない」と言われ、私も相当なガセネタに「この“関係者が語る”って誰やねん(笑)」とツッコミを入れることも多々ありますが、私自身は日経エンタテインメント!で15年書かせていただいて、また他の雑誌でも「日経エンタ!的にお願いします」と言われることがあるので、他の執筆者よりもスキャンダル少なめです。芸能記事はさておき、私に限らず音楽記事基本的にどこも善意発信が多いと思いますね。芸能記事の大半は・・・政治的な引力が往々にして働いていますからね(笑)。また、テレビや新聞ほど文字数シビアではないので、図表などを書くと詳しく読み取ることができて保存版のものも多いです。但し、全媒体中、最も即時性が低いので、そのデータを扱う際、更新日時に注意する必要があります

ただ、これは実際に経験して痛感することですが、原稿の校正はパソコン上で眺めるだけじゃなく、ちゃんと紙に印刷して行わないと随分とミスが残ってしまいます。やはり、それだけ活字では読み取る力を発揮できるということなんでしょうね。

Web:そして、どの媒体よりも文字数制限がなく、また記事依頼から短期間でアップされるという、総じて理想的メディアにも思えます。記事の内容も、かなり硬いものから、近年急増するユルフワなものまで制限がないし、他のメディアのように「あれ書くな」「これ書くな」というコンプライアンス案件も殆どなく校正で見落としても、後でこっそり訂正更新されていたりして、こちらが感心するほどです(Yahoo!レベルのトップ媒体でも間違った写真掲載を何事もなくしれっと差し替えるなんて、他のTV新聞・雑誌では有り得ない!)。

しかし、その一方で様々な問題を感じています。まず、総じて原稿料が安め。私が連載している媒体では、その大半で活字媒体並みに担当者様が調整して下さっていますが、他の某有名音楽媒体では1日、2日がかりの記事に対して5千円だったり、またある人気音楽媒体からは「修行の場だと思って、タダで書いてください」と言われ、即、断りました(笑)。いや、Webでは仮想敵が一般の方の、ノーギャラで素晴らしい呟きというのも分かりますよ。でも、それではWebライターは食べていけない→執筆本数を稼ぐ→テキトーな記事文字を埋める、の悪循環ですやん。Webは、人を育てるという観点が他の媒体と比べて希薄な気がします。何から何まで自己責任、みたいな

その点について、編集部から「いや、それは自分でアフェリエイト広告をくっつけて稼げば」と意見されることもあります。で、それが過ぎてか、全くの部外者が、私が書いた記事をブログやYouTubeなどの動画サイトにそのままアップして広告収入を得ているのも、年に十数回見かけやれやれと思います。そのYouTube映像が数万PVとかになっているのを見ると、その人のチャッカリ感に唖然。(ちなみに私は媒体社からお金を戴いているので、それは出来ないし、いったん納めた原稿なので自分で削除も出来ません)そんなチャッカリさんとは、友達にはなりたくないな〜。(笑)

また、読み手の方にも善意が必要な媒体だと痛感します。時に、新聞や雑誌からWebに転載される事もあるのですが、その際にそのタダで読める部分だけを悪意にかいつまんで批判するのはどうなの?と思うこともあります。新聞や雑誌ならば脚注もあるのに、Webに転載される際にその部分が省略されていて、それを悪く捉える人もいて、げんなりします。今や2chの方がまだ大人で良心的かも。雑誌ならば誤解されてもご批判は受け止めようと努めます。お金を出して意見下さっているのだから

以前、こんなこともありました。Webに転載される際に、1位の現象転載されず、2位から述べているように見えたらしく、私の学歴部分を引き合いに「こいつは東大に入れなかったコンプレックスから1位を無視するんだ」なんて書かれた時は、それはそれはゲンナリしました。学部によって大学の偏差値なんてまちまちだし(事実、理学部は当時、東大が最難関じゃなかったし)、いや、そんな問題じゃなくて、そもそも30年も前の限定的能力基準を鵜呑みに生きているはずありませんて。

と、そんなこんなでメディアも複眼が必要というお話でした。というか、日常のどんな分野でも、結局そうなのかもしれませんね。まぁ、分かりやすい事例ということで(私が)。長文、最後までお付き合いいただき有難うございました♪

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2016-01-08 [日常]483・メディア情報も複眼で(前編) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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(↑怒ってないってば。目と眉毛が近いんだってば)

12月から1月にかけて、NHK総合、読売新聞&共同通信発信のスポーツ紙&地方紙、日経エンタテインメント!の年間特集、そしてレギュラー執筆と、テレビ、新聞、雑誌、Webと4種類のメディアに露出させていただきました。それぞれに良い所、学ぶべき所がある一方で、それだけでは分からない事実も多々あるなぁと思い、よく「ヒットチャート複眼的に」とアホの一つ覚えのように(笑)繰り返している私ですが、「これはメディア情報も複眼的に押さえるべきだな」と実感いたしました。以下、メディアごとにまとめたので、良かったら頭の片隅にでも置いていただければ♪

テレビ:全メディアの中で、いや私が小物なせいですが、毎回、(登場時間)/(打合せ時間比率が最も低くなります。今回も、2時間打合せして登場時間30秒ほど。逆に言うと、それだけキャッチー言葉、興味を引く言葉が求められます。しかも、そこにはエンタメ的なキーワードがないとボツに。私は自分なりに分析してから真実に向かうというスタンスなので、この分じゃあ生放送なんてとても無理。

長年、日経エンタ!編集委員の品田英雄さんが生放送に出演されていて、昔の私は「それ分かるけど、、、正確にはそうじゃないし」とぶつくさ文句を言っていましたが(ゴメンナサイ!)、いざ自分が出演するとなると、その的確さがよく分かります。正確さよりも、その場で笑いや驚き、感心に変えることがテレビでは重要と思われます。これも勉強だと思って頑張ります〜。

新聞:私は、このブログ、Twitter、FacebookなどSNS全般において、同キャリアの同業の方に比べ、随分とシオシオな状況(苦笑)ですが、それとはうらはらに、新聞メディアからの連載やコメント登場、取材は恐らく音楽業界の中でもそこそこ多い方だと思います。おそらく、私が図表を用いた解説が多かったり(一見インテリっぽい。えぇ、実際は違いますとも!)、市場規模などの数字を説明したり、という点を記者の方が気に入ってくれるからだと思います。

しかし、その反面、新聞反体制スタンスというか、社会問題を言及するのが生業の方も多く、私がニュートラルに答えたつもりでも、紙面に出たら随分と辛口に味付けされていて驚くことがあります。ただ、讀賣新聞の清川記者など一部の方は、私の言いたかったニュアンスをそのままに汲み取って下さり感心します。これって普段の仕事でもなかなか出来ませんよね。ともあれ、新聞コメントの識者枠は、前向き発言に読み換えて丁度くらいかなと思います

ちょっと長くなりますので、続きは後日にでも。こんなヨチヨチな私に今後もあれこれご鞭撻下さい♪

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2016-01-07 [音楽]482・2015年間ランキング/よく聴いた曲編 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

D'AZUR(初回生産限定盤A)(Blu-ray Disc付)

とっくに新年が明けましたが、こちらにて私の独断による年間ランキング2015を公表したいと思います。

毎年のことですが、これは優劣ではなく、単に私の頭の中で鳴っていたり、また実際によく聴いたりという楽曲がそのまま並んでおります。網掛けした楽曲は、特に先入観を除いて聴いてほしいかな〜。そのうち、個別解説するかもしれません。では、どうぞ。

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岩崎宏美が1位となっていますが、これこそ楽曲の完成度というより、この1年あれこれヒロリンも熱烈なファンの方も、そして私も頑張ったという想い出からここにある感じです。

サザンみゆきさんは、もうライフワークです。これも順位が高くても放置して下さい(笑)。あ、でも「Why&No」は今の時代を強く意識させられる作品なので聴いてほしいかも。

なお、時々、日経エンタ!のアイドル特集でPerfumeに触れていなかった(実際は、アーティスト部門で言及&評価したのに、Webに転載されたのがアイドル特集のみだったので、触れていないように誤解された)と、時にPerfumeファンに「最近のアイドルが分かっていない」と酷評されますが、普通に毎作品聴いております。あと、AKBも販売システムについて、論じることもありますが、楽曲自体はよく出来てるな〜と感心します。あと、西野カナがホント楽曲の展開が上手くなりましたよね。

そして、5位の藍井エイル(あおい・えいる)を聴いていると、河合奈保子「コントロール」や「ジェラス・トレイン」を想い出します。彼女、歌唱の抑え方も今後上手くなっていけば、さらに成長すると期待しています。アニソン出身なので、ファンの方はそれだと面白くないのかもしれませんが、ボーカリストとして更に広く聞かれればいいな〜。

という感じで、聞いているのはどうしてもベテラン比率高めですが、J-POP全体を見渡して「うた」をリスナーに届けたいな〜と思います♪

ANYANY 2016/01/12 10:23 正直、ヒットの規模がどんどん小さくなり、
AKBですら最近の楽曲はほとんど記憶にありませんねー。
松田聖子の松本隆×ユーミン曲も期待ほどでは無く。

ところで
工藤静香の松井五郎コレクションを企画されたのですか?
名曲揃いなのは静香ファンとしては当たり前なのですが、
松井五郎という切り口は新しいというか冒険というか、斬新。
もっとも中島みゆきコレクションはともかく松井五郎で
どれだけ一般ユーザーが食いつくか。楽しみです。

usutaka96usutaka96 2016/01/12 17:49 ANYさん、コメントどうもです。
「最近の楽曲はつまらない」は、人によると思います〜。EDM系が好きな人、自由な解釈のロックが好きな人などは今が面白くて仕方ないでしょうし。

また、高齢の方は多感期ほど音楽に胸がときめく訳がなく、それは楽曲の劣化とは異なると思います。ANYさんは、そうじゃないと信じておりますが。

そして、松井五郎コレクションは、中島×後藤同様、元々アイデア出ししていたものに、静香さんが率先され実現しているので、他の企画とはやや異なりますが、あれこれと携わっています。

シングルヒット曲数は、中島×後藤よりも多いので、ライトは「ベスト盤」として、コアは「未発表2曲」を楽しみにしてもらえればいいなと思います。レア曲満載のB面集が最高99位(翌週300位圏外)なので、私自身は、それ以上いけば及第点かなと思います。

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2015-12-24 [音楽]481・2015年間ランキング/邦楽アナログアルバム編 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

SONGS -40th Anniversary Edition-(完全生産限定盤) [Analog] 「魂リク」(アナログ盤) [Analog] 葡萄(生産限定アナログ盤) [Analog] EPIC DAY (アナログレコード) 【LP+ダウンロードカード封入】 [Analog] TU れこーどうもとつよし(完全予約生産限定) [Analog]

この時期、数々の年間ランキングが発表されますが、人と異なる視点で(優劣はさておきw)お仕事をいただいては暮らしている私らしく、ここでは「アナログアルバム邦楽ヒット作品を紹介してみましょう。

出典はサウンドスキャンの初動売上から抜き出してきたものなので、実際のセールスはこれよりも多少伸びていますのでご了承下さい。(但し、アナログは大半が1週目に集中するので、大きくは変わらないと思います。)

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これを見ると、既に現役でなくなったレジェンドも含め、カリスマ性やスター性の高いアーティストが上位を占めるのが分かります。CDはっぴいえんど渡辺美里)やダウンロード音源(B'z)のセットというのも保険になっているでしょうが、まさに「手元に持っておきたい」という原点が集約されているような。

それにしても、毎年、山下達郎大滝詠一関連作品サザンオールスターズ/桑田佳祐くらいしか週間千枚以上はなかったのに、今年は14作もあるなんて、明らかに伸びています。こういった好況が関係者に伝わって、2016年は50作を超えるんじゃないかな〜。そういうのも楽しみです!

2015-12-16 [音楽]480・AKB48「唇にBe My Baby」ヒット検証 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

唇にBe My Baby Type A 初回限定盤

AKB48の最新シングル「唇にBe My Baby」のオリコンでの初動売上ミリオン割れ(90.5万枚)がSNS上でも大きな話題となっている。事態を受けてのことなのかどうかは分からないが、その直後に追加の大握手会の開催、また次回シングルでAKB卒業生の主要メンバーが復活するなどが決まり、それはそれで見苦しいだろという書き込みが大量にあり、なんだかスタッフ側もファンもソワソワしている模様。

私自身、今回はNHKの連ドラ主題歌365日の紙飛行機」効果でCDショップでも売上が良いと聞いていたし、実際レコチョク及びLISMO等の関連サイトではCD発売前週からダウンロードが始まっているのだが、同作はAKBの中では2年前の「恋するフォーチュンクッキー」に次ぐ勢いで売れているし、なんだかその「売上不振」というニュースはどうにも納得がいかなかった。

ということで、サウンドスキャン(SS)で今年の4枚のシングルの初動売上(一般流通8種類の合計)を算出してみた。

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すると、総選挙の投票コード付の「僕たちは戦わない」を除いた今年の3作中では「唇にBe My Baby」は一番売れているではないか。お店の方や自分が見てきたヒット感覚が正しくてちょっとホッとした。この後、年末の特番でも「唇にBe My Baby」と「365日の紙飛行機」はじゃんじゃん歌われていくだろうし、後者などは紅白効果が特大級になるのは間違いないし、 365日の紙飛行機」はAKBにとって久々の「ヒット曲」らしい「ヒット曲」になると思う

だから、オリコン売上が下がったという“ピンチ”は、むしろ劇場盤売上に縛られずに、「ヘビーローテーション」以前の、 “CDミリオンにいかなくても、カラオケやダウンロードでガンガン支持されるような本来の「ヒット曲」” 路線に戻るという“チャンス”という気がするのだ。結成11年目に向けて、そうした次のステップに進むのか、それともCD売上(それも大握手会目当ての劇場盤)に固執し続けるのか、AKB48の今後にも注目したい。

2015-12-14 [音楽]479・「うた」なのか「おと」なのか このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

組曲(Suite)

仕事のお付き合いでFacebookをしたり、CDショップ大賞の候補作のニュースを見たりしていて、最近思うことがある。それは、とかく音楽好きの人(それが高じて音楽業界にいる人)の多くは、「歌」が好きというよりも「音」が好きで、そこが自分との好みが大きくずれているということだ。

先日もこんなことがあった。タワーレコードにて中島みゆき組曲(Suite)』のフリーペーパーが置かれていて、そこには、全国の店員さんが彼女の最新作を推薦する為のPOPをコンペで作成し、その中での優秀作が掲載されているのだが、選ばれた10人前後のコメントが、ほぼ全員「演奏」や「曲調」について中島みゆきをプッシュしているのだ。私を含め多くのみゆきファンは、「歌詞」や「歌声/表現力」の魅力を強く感じているだろうし、その異なる視点は新鮮味もあったが、やはり「歌」と「音」のどちらで音楽を聴いているかがすごく違うのだなと思った

他方、実際のCDやダウンロードの市場は、「音」の魅力よりも「歌」の魅力でヒットするものが多い。つまり、中島みゆきに限らず、一般のお客様は「音」よりも「歌」を重視している人が多いのだ(無論、そこにヒエラルキーはない)。私自身は、たまたま今の感覚を大切にして仕事をしているだけで、自然と「人」と「音楽」がより繋がるので、それは心から嬉しい。

だから、これからも「生涯音楽素人」(?)として「うた」を大切にしていきたい。

ギムリンギムリン 2016/01/04 20:11 紅白で評判のよかった、島津亜矢さんの場合は、心にしみる語りを中心にした「うた」が、
Superflyの場合は「音」を中心にした流れに身をゆだねる気持ちよさがあったので、
いずれの要素も有りかなと思いました。

ただ、あまりに歌詞が聞き取れないのは、素晴らしい演出だったPerfumeでも、ちょっと苦手かもしれません。

今年もよろしくお願いします。

usutaka96usutaka96 2016/01/05 05:49 ギムリンさん、こんにちは。
こちらこそよろしくお願いいたします。

Superflyは「おと」もカッコいいですが、やはり「うた」での説得力がハンパないから、あれだけ長くトップを君臨しているんだと思います。

無論、私も「おと」を無視している訳ではありません。
ただ、音楽業界の人たちの多くは「おと」を余りに重視していて、あたかもそれがカッコいいみたいな風潮があるように思えますね〜。

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2015-11-27 [音楽]478・中島みゆきコンサートレポート このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

f:id:usutaka96:20151127221303j:image:medium

先週の木曜日、中島みゆきコンサート『一会(いちえ)』を見学させていただいた。以下、素晴らしい内容だったのをレポートをまとめてみたので、興味がある方に読んでいただければとても嬉しいです。

※いわゆるネタバレ満載なので、読みたい方だけお願いします。また、いつもとは異なり、編集部等の校正スルーして出しているので、誤字脱字、表現の至らない部分は善良に読み解いて下さいませ。感想等は、私信でusutaka96 (アットマーク) excite.co.jpにお送りいただければ幸いです。それでは、よかったらお楽しみください♪

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2015年11月19日、中島みゆきコンサート『「一会」Concert2015〜2016』が東京国際フォーラム ホールAにて開催された。会場には、中高年の方が多かったが、音楽フェスでよく見かけるファンキーなタイプではなく(笑)、ごく普通に暮らしている感じがした。それでも、ボジョレ・ヌーボーが解禁するかのように、この日を心待ちにしていることが、高揚した人々の顔から伝わってきた。

開演のベルが鳴ってまもなく波の音が聞こえ始め、演奏がスタート。緞帳が上がり観覧車や魚のオブジェなど、海沿いを想わせるセットを背景に、みゆきさん(以下、親愛をこめて「さん」付けで呼びます)が登場し「もう桟橋に灯りは点らない」を歌った。この日は空気が乾燥し、開演前に咳をしている人が多く、みゆきさんも大丈夫だろうかと気になったが、それはすぐに杞憂だと実感するほど、力強くも愛にあふれた優しいボーカルで絶好調だ。

1曲歌い終わって、いつものゆる〜いトークが始まり、会場が爆笑の渦に包まれる。本人いわく、このトーク選曲の“山あり谷あり” の構成も彼女のコンサートの大きな魅力だ。

今回は、3部構成とのことで、第1部のサブタイトルは〜Sweet〜、そして第2部が〜Bitter〜と本人から案内された。その“Sweet”を最も象徴するのが、3曲目の「ピアニシモ」だろうか。「大きな声と同じ力で歌ってください」と歌うその歌詞のように、艶やかで繊細な歌声が披露され、歌詞カードがなくともその言葉の一つ一つが心に浸透するように聞き入った。「樹高千丈 落葉帰根」は01年のアルバム『心守歌』収録のまさに大人を安らげるようなバラードで、心地よさに酔いしれたが、気のせいか、はたまた時代のせいか「私は独りが嫌いです それより戦さが嫌いです」という歌詞が、いつもより気になった。今から考えると、この歌が歌われたのも後半への伏線だったように思える。

静かに歌うばかりではなく、ドラマ『家なき子2』の主題歌として95年にミリオンヒットとなった「旅人のうた」では、実力派コーラス3人の力添えもあって、みゆきさんの力強いボーカルが会場中に鳴り響き、“人生旅人”へのラブソングのようだ。

通常のアーティストであれば、新作メインの選曲になるのだが、一筋縄ではいかないのがみゆきさんのコンサート(微笑)。今回も8曲目にして、初めて2015年11月発売のアルバム組曲(Suite) 』から歌われたのが、彼女を約30年間撮り続けている “動物写真家”のたむじんこと田村仁を歌ったという「ライカM4」。途中モデルさながらに茶目っ気たっぷりにポージングをしながら、パワフルなロックンロールを歌うみゆきさんは、いつまでも格好良い。そんな第1部は、88年発表の癒しバラード「MEGAMI」で幕を閉じた。


 20分の休憩後、第2部がスタート。第1部の“Sweet”と第2部の“Bitter”を繋ぐように流れたのは、軽快なトランペット演奏の「ビター・スウィート・サンバ」。そう、オールナイトニッポンテーマ曲として、あまりにも有名なあの曲だ。すると、DJブース風のセットからみゆきさんが登場。いつもの甲高い声で「オールナイトニッポン!」とコールした後、開演前にお客さんから募集したお便りを、ラジオ同様に面白おかしく読み上げていく。(ちなみに、現在も、「オールナイトニッポン 月イチ」として、毎月何週目かの日曜深夜に放送されている。)

楽しいおしゃべりが終わった後、舞台が暗転。今回のコンサートは“ツアー”ではなく、東京・大阪の会場に限定する分、音や映像などの演出にこだわった、とのことだが、まさにそれが体現されるようなステージだ。

第2部1曲目の「ベッドルーム」にて闇に誘うようなエレキギターの音が鳴り響いてからは終始、暗がりの中で一筋の光や怪しげな雲行きの様子が、みゆきさんの歌のメッセージ性をいっそう鮮明に浮かび上がらせた。

前半のアコースティックから激しいロックスタイルに変わる「友情」では、まるで世の中のやるせなさの中から、命の尊さを訴えるかのように、繊細な歌声が魂の叫びへと昇華する。これに呼応するように、今にも消えそうなほのかな赤い薄灯りも印象的だ。

この後に歌われたのが96年発表の「阿檀の木の下で」。みゆきさんから事前に「最近の楽曲ではないが、今の世の中に合うもので、島国に関する歌」として、婉曲的に紹介されたのだが、間奏で激しく聞こえる上空の飛行音や独特な音階から、誰もが沖縄の歌だと分かっただろう。

その間、みゆきさんが、白い巫女のような衣装で、祈るように、そして願うように歌う。歌の最後に、彼女が、赤い紐を左右の手でもてあそぶ姿は、国と県の間で揺れ動く現在の沖縄を象徴しているように思え、また紐の色から遠い昔に犠牲となった人々を想像した。(無論、これは筆者の解釈であって、彼女からの強制的メッセージは何一つないことを申し添えておく。)

さらにメンバー紹介を経て最新アルバムから歌われた「Why&No」では、「訊けばいいじゃんいいじゃん「なんでさ」ってね」「言えばいいじゃんいいじゃん「ことわる」ってね」とワイルドに歌いきる。昨今、すさまじい勢いで変わり続ける日本について、“あなたはどう思うのか”、“このままで良いのか”と問いかけられるようだ。

第2部のラストは、NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』主題歌の制作裏話をコミカルに話した後に「麦の唄」を披露。間奏にて、黒いコートから金麦色に輝くノースリーブの衣装に早替わり。『紅白歌合戦』での感動が呼び起こされる。真っ暗な中にただ一人、光輝くみゆきさんの姿に、どんな世の中になっても共に生きていこうという揺るがない意志を感じさせ目頭が熱くなった。


そして、アンコールを経て、92年のミリオンヒット曲「浅い眠り」から第3部“〜Sincerely Yours〜”がスタート。ここまで何曲も熱唱してきたのに、このダイナミックな楽曲を歌いこなし、それでいてラストの高音部分も切なくキマる。そして、最後に歌ったのが「ジョークにしないか」。「笑ってくれましたか」と優しく問いかけるようにピアニシモで歌い始め、そしてトークのないまま三方に深々と礼をした後、颯爽と立ち去っていく。まさに、彼女は“歌でしか言えない”言葉を伝えうる歌い手だとあらためて感動した。

それにしても、通好みな選曲にも感心する。最新アルバムから歌ったのは3曲のみ、他に『マッサン』主題歌の「麦の歌」や90年代ミリオンヒット曲は歌われたものの、カラオケで大流行している「糸」も、CMで使われている「時代」や「Nobody Is Right」もない。全20曲中、最も前の発表曲が81年の「友情」で、「わかれうた」や「ひとり上手」などそれ以前のヒット曲もない。ただ、自分が今の時代に伝えたいと思った楽曲だけを厳選したのだろう。

もっとも、2015年デビュー40周年で、過去のヒット曲を詰め込んだベスト盤などあれば大ヒット確実なのに、このタイミングでリリースしたのが10曲オール新曲アルバム組曲(Suite)』という事実を鑑みれば、こうした選曲の方が自然にも思える。12月9日には、『私の子供になりなさい』以来約17年半ぶりとなるアナログ盤も発売される。彼女のこだわりがより伝わってくるようで、こちらも楽しみだ。

今回の若いアーティストにも負けない圧倒的なパフォーマンスに、これからも、中島みゆきは私たちの“ヘッドライト”そして“テールライト”として、活躍し続けることを確信している。

文:臼井 孝(T2U音楽研究所)

セットリスト

第1部〜Sweet

M1 もう桟橋に灯りを点らない 1994

M2 やまねこ 1986

M3 ピアニシモ 2012

M4 六花 2001

M5 樹高千丈 落葉帰根 2001

M6 旅人のうた 1995

M7 あなた恋していないでしょ 2012

M8 ライカM4 2015

M9 MEGAMI 1988

(休憩)

第2部〜Bitter〜

M10 ベッドルーム 2012

M11 空がある限り 2015

M12 友情 1981(2コーラス目より)

M13 阿檀の木の下で 1996

M14 命の別名 1998

M15 Why&No 2015

M16 流星 1994

M17 麦の唄 2014

第3部〜Sincerely Yours〜

M18 浅い眠り 1992

M19 夜行 2001

M20 ジョークにしないか 2014

2015-11-21 [音楽]477・他人の街(工藤静香) このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

Rise me

Twitterをしていると、こんなことがよくある。私が、ある情報やデータを流したとする。すると、何度もリツイートや「いいね」登録をしているようだけれど、決してフォロワーにはならない、という人を見かける。

その時、私の中にある感情が生まれる。

それは、リアル人間関係でも以前から生じていた。例えば、中島みゆきファンの友人に、工藤静香中島みゆきの曲を歌っているよと教えると、その曲は聴くけれど、それ以外の工藤静香の曲は一切聴かない、と言われた時など、結局広がりのない音楽ファンに出会った時だ。

別に正義とか道徳とかを振りかざす気などさらさらない。ただ、少しだけ淋しく感じる瞬間がある。いや「淋しい」というほど切なくはないな。少しだけ、ほんの少しだけ「情報」じゃなく「人」を感じて欲しいなと思うことがあるのだ。

こういう喜怒哀楽が明確じゃない感情って歌にしづらいな〜と思っていたら・・・あった。それがタイトルに書いた工藤静香の「他人の街」だ。93年に工藤静香が発表したアルバム『Rise me』の1曲で、中島みゆき作詞後藤次利作曲。(ゆえに、工藤静香My Treasure Best 中島みゆき×後藤次利コレクション』に収録されています〜。)

歌詞こちら

発売当時は、アルバムの中の1曲で、ラブソングでもないし、私が好みがちなベタバラードでもないし、なんだかよく分からないな〜、同じアルバムオリジナルでももう1曲のラブバラードの「そのあとは雨の中」の方が心に響くなぁ、とあまり深く聴かずにいたのだ。しーちゃんファン&みゆきさんのWファンであるにもかかわらず。(ごめんなさい!)


「それは書かれるほど むなしくはない」・・そうそう、別に誰かを責めようとも思わない。ただ

「人から人への距離が少し遠い」・・そう、サクサクと情報だけ集められる感じが、「少し遠い」、その程度だ。

でも、それを批判するのでもなく「やさしすぎて臆病になった」と自分に言い聞かせるように理由を探す。この部分の解釈は人それぞれだろうけど、私自身は「あまりに自分が構われずにいること、それは相手の優しさかもしれないけれど、誰にも話しかけられなくて、一瞬、街が怖くなった」くらいに受け取った。

そして「ただそれだけ」と結ぶ。そう、本当にただそれだけなのだ。本来、歌にもならないほどの微々たる感情だ。

いかにも21世紀にあてはまりそうな状況を20年以上も前から言い当てていたなんて、やはり中島みゆき恐るべし!みゆきさんはよく、「時代が取り残したものを後から拾っていく」というけれど、時々、時代を随分と先回りしている気がすることもある。これは、単に時代が繰り返しているということなのか。

ということで、どこかで興味を持ってくれたら嬉しい、とてもささやかだけど、現代だからこそ胸に響く歌だ。

岩渕敏司岩渕敏司 2015/11/22 23:41 素晴らしい記事ですね。ほんとうに素敵です。
あの代数幾何のような難解な歌詞への、
とても素敵なすくい取りであり、回収です。
(そろそろお誘いさせてください)

usutaka96usutaka96 2015/11/23 05:25 岩渕さま〜、コメント有難うございます!

いえ、私も発売当事「なんだか、よく分からないな〜」だったのが、10年以上経って「なんとなく、あるかも」くらいになり、この程ようやく分かった程度です(汗)。
またのご連絡orお誘いお待ちしております〜♪

2015-11-13 [音楽]476・「糸」VS「ひまわりの約束」年代別カラオケ人気 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

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日頃から色んな音楽チャートを舐め回すように見ている私だが、2015年8月あたりから、カラオケチャートにて、中島みゆきの「糸」と秦基博ひまわりの約束」が1位、2位のデッドヒート攻防戦を続いているのが気になっていた。確かにどちらもテレビ番組等で取り上げられる度に上昇するのだが、それにしても一体どんな年代の人が歌っているのだろうか、と。そこで、JOYSOUNDの公開データを使って調べてみた。

厳密には、男女差もあるのだが、意外にも接戦なのは30代・40代だけで、10代・20代はドラえもん効果も大きいのか秦基博の圧勝、50代以上は元々のアーティスト認知の高さからか中島みゆきの圧勝。グラフだけ見ると中島みゆきが有利に見えるが、全年代で僅差になるということは、10代・20代カラオケ頻度が多いからだろう。

また、今年になって秦くんがNHK歌謡コンサート』とか『チャリティーコンサート』とか、明らかにエルダー向けに打って出ているのだが、今後何回も重ねていけば、グラフの右側がググっと立ち上がって、秦基博の圧勝となりそう。

方やみゆきさんの方は、現状は満年齢23歳あたりから伸びてくるのだが(やはり社会の荒波に揉まれて初めて中島みゆきの魅力が分かるということでしょうか笑)、日テレ土曜9時あたりのドラマ主題歌があれば、このグラフの左側の認知もググっと伸びそうです。嗚呼『家なき子』再び(←懇願)。

という感じで、データひとつ取っても、あれこれ世の中が見えて面白いのです♪

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2015-10-22 [日常]475・それは「歌」が好きだから このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

私の歌?リスペクト?

先日、あるライターさんと2人でカラオケに行った時のこと。私の歌を聞いた彼が感心しながらこう言った。

「いやぁ、臼井さんて、ホント歌が好きなんですね。いつも仕事には“愛”が必要って言っている意味が分かりました!!」

勿論、リップサービスも存分にあるが(笑)、彼の言葉を聞いて、私の中で今までの音楽に関する疑問が急激に氷解したような気がした。

時に「アイドル評論家」のカテゴリーに分類される私だが、現実はそう呼ばれるには程遠く、全曲を聴いているのは、河合奈保子岩崎宏美中森明菜工藤静香をはじめとして、個性的ボーカリストの数人程度に限られている。それは、歌が好きだからだ。

そのアイドルについて、以前Twitterで「歌唱力もダンスもコントも握手会の神対応も出来るアイドルなんている訳ないじゃん」とある現代アイドルファンから反論されたが(私自身は、昭和アイドルと現在のアイドル定義が異なると呟いただけだが、彼の中では「今のアイドルは歌が下手」と非難めいて受け取ったらしい)、そもそも、私は好きなアイドル出身歌手に、ダンスやコントスキルはさほど求めてはいない。(中森明菜が突如握手会を開いて、愛想を振る舞われても逆に「何があった??」と、こちらが心配してしまいそうだ(笑)。 それも歌が好きだからだ。

そして、近年の女性アイドルグループも、実際は全否定のわけがなく、好きなグループとそうじゃないグループがいるのだが、よくよく考えてみたら、前者は歌手志望で結成されたグループで、後者は女優・タレント志望を中心として結成されたグループという違いがある。(勿論、AKBグループの中でも、NMB48の山本彩はもっと評価されればと思うように例外のメンバーもいる。)これも、私が歌が好きだから、潜在的にそんな振り分けをしていたのだろう。

他にも、好きなバンドのタイプ(要は演奏音でボーカルが聴こえないのは苦手)も、女性シンガーソングライターの中で好きな人(制作力に引けを取らぬ歌唱力がある人が好き)も、さらには『TEAROOM☆NAOKO』のMARUさんのところで取り上げていただいた10年前の『名曲発掘!ジュエル・バラッズ』なんてコンピの選曲基準も、すべて「歌が好きだから」に集約される

私はなんと単純な人間だろうか(笑)と呆れるほどにスッキリした。私がどこかで何かを書いたり語っているのをご覧になった際は、「歌が好きだから」というフィルターを通していただければ嬉しい。そして今後も、そんな人の言葉や想いを拾い上げていきたい。

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2015-10-14 [音楽]474・柏原芳恵『アリエス』収録曲解説より このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

アリエス

近年、柏原芳恵のEMI時代の4枚のCDを入手した。『アリエス』『愛愁』『Lover’s Sunset』『YES,I LOVE YOU(配信されず)』のうち、私は『愛愁』が断然好きで、スタッフが彼女をポストテレサ・テン”としてしっかり育てようとしていたことがよく分かる。しかし、セールスが激減したように、やはりこれはアイドルファンにはあまりに地味で重いと感じることだろう。アイドルファンにも演歌・歌謡曲ファンにもそっぽを向かれた名作で、まさに、音楽先入観/イメージ問題の根深さを実感する。

その点、その前作『アリエス』は全作詞阿久悠言葉の重みを感じさせつつも、音楽的にはロックからニューミュージックアンビエントポップスとかなり挑戦しているのが興味深い。このアルバムには、全曲のライナーノーツがなぜか“英語まじりのローマ字”という不思議言語で書かれているのだが、ちょっと読みづらいので日本語に直してみた。以下、記載してみる。 (※決して私の感想そのものではありませんので、ご注意ください!)


美少女阿久悠/林哲司/萩田光雄

今回のアルバムの中で最もロック色の強い楽曲。彼女のこれまでの歌の中では、比較的重めのリズムだが、乗りに乗って歌っている。彼女の胸の鼓動が直接伝わってきそうなLIVEな仕上がりとなっている。

くちびるかんで純愛阿久悠/林哲司/萩田光雄

軽快なサウンドに乗せて、生き生きとした彼女のボーカルが聴こえてくる。一つの言葉五感を大切にした歌が、甘く、時には苦しく、我々の耳に入ってくる。グロッケンマリンバシンセリズミカルで歯切れよく、効果的に使われている。

夏の夜は一度ほほえむ阿久悠/Frankie.T/萩田光雄

誘惑的なシンセブラスや、挑発的なギターに乗せて、激しく躍動的な彼女のボーカルが魅力。彼女の荒々しい息づかいまでもが伝わってくる。シーケンシャルなシンセフレーズが彼女のボーカルと共に耳に残る。

ストレンジャー阿久悠/林哲司/萩田光雄

 パーカッションが細かくリズムを刻み、空想的なムードに浸りながら、遠い所に行った気分になれる涼しげなサウンド。 彼女の夢見ごちなボーカルコーラスが、そんな気分をさらに高めてくれるとびきり上等なリゾートポップス

シャワーの下で阿久悠/萩田光雄/萩田光雄

シンプルピアノ伴奏に乗せて始まる、彼女のか細い、切ないボーカルを聴いてほしい。 心の高揚を敢えて抑えた、このボーカルに我々はむしろ大きな気持ちの揺らぎを感じざるを得ない。

不良の掟阿久悠/Frankie.T/船山基紀

言葉をぶつけてくるような、いわゆるツッパリ風の歌い方に、これまでの彼女を知る者は驚くかもしれない。繰り返される彼女のボーカルと、コーラスとの掛け合いが聴きどころのひとつ。 サンプリングドラムの音が力強く、サウンドの大きな要となっている。

A・r・i・e・s阿久悠/林哲司/船山基紀

触れるだけで壊れてしまいそうなそんな心情をタイトに、そしてソフトに歌い上げた楽曲。特に「アリエス」のハイトーンが魅力的。ダルシマーの切ない響き、ストリングスシンセの切れのある音色ポイント

ガラスの鍵阿久悠/船山基紀/船山基紀

スピード感あふれるバックに乗って、彼女の自分自身に言い聞かせる様が、一瞬の隙もないボーカルに反映している。彼女の持つ心の痛みが、そえゆえに何倍にも強まって伝わってくる。 サンプリングガラスの音が、サウンドエフェクトとして使われている。

私のすべて阿久悠/林哲司/船山基紀

 サビの一連のフレーズの歌い方が聴きどころ。全体に広がるソフトなブラスシンセが優しく、彼女のボーカルを包んでくれている。 地味ながらも今後の彼女の方向性の一つを示した楽曲

最後のセーラー服阿久悠/林哲司/船山基紀

サビの済みきった美しく伸びたフレーズが特に印象的。それを活かすための前半の丁寧な歌い回しが好感を持てる。戸惑う女の子の気持ち表現するには、十分過ぎるほどだ。

シンプルで無機的とも言えるサウンドによりかえって、彼女の歌から詩心が伝わってくる。

参加ミュージシャン

ドラム岡本郭男宮崎まさひろ

ベース美久月千晴、富倉安生、

ギター松下誠角田順今剛

キーボード山田秀俊、オガワラルミコ、エルトン永田(一郎)、倉田信雄

ストリングス:ジョー加藤グループ

コーラス木戸やすひろ、比山貴咏史(清)、平塚文子、広谷順子

シンセサイザー・プログラミング:助川宏、梅原篤、船山基紀、坂下ヨシマサ、伯耆弘徳

作家陣のみならず、ミュージシャンも超豪華。意外な注目ポイントは現在、算命学者哲学者として活躍しているという伯耆弘徳氏が4曲で参加している事。しかも、楽曲ごとに(ほうき・まさのり/ひろし/ひろゆき/ひろのり)と記載が異なるのも意味深。(もしかして4兄弟とか?)

ともあれ、じっくり聴けるポップスで、彼女のアルバムの中でもTOP5に入りそうなほどコンセプチュアルな作品なので、どこかでチェックしてみては?ちなみに、ダウンロードでは1500円で正規に購入できます。

ANYANY 2015/10/15 06:09 彼女のターニングポイントは「待ちくたびれてヨコハマ」で、
これがかなり売れたから、あっ、こっちの歌謡曲路線もイケるか?
と脱アイドルを模索しちゃったのが運のつき。
もちろん、従来のニューミュージック路線を基本にしつつ、
ファン無視で暴走し始める。
EMI移籍後のアリエスのアルバムとか、サウンド自体はかなり
カッコイイんだけど、当時、作詞が阿久悠っていうのがマイナスで
長いこと聴いてこなかった。
ちゃんと聴いてみたら、実はいいアルバムなんですけどね。
シングルおよびアルバム「アリエス」は許容範囲なんだけど、
次の「冬の孔雀」がキツかったw
「花嫁になる朝」、「途中下車」とかあったけど、
これはもうアイドルじゃないなあ。と。
ファンは望まないですよね。ただでさえ年齢以上の大人っぽさで、
歌番組で同い年の河合その子とデュエットした時の違和感たるや。
同じ年デビューの
河合奈保子はSSW路線で脱アイドル、
柏原芳恵は演歌歌謡曲路線で脱アイドル、
85年のおニャン子や中山美穂や本田美奈子の有望新人が出てきて
シフトチェンジせざるを得えないんだなー。
と、当時は思ってましたが、やっぱり素質なんですよねー。
セールス的には
決して正解ではないけど、
失敗とも言い切れないなにかを感じます。

そして脱アイドルしようとしなかった松田聖子も同じく。
クオリティでは失敗だとは思うが、
セールスや、未だにTOP10以内に
アルバムが食い込む凄さ。

何が正解だったかわからないですが、
芳恵のEMI移籍後の地盤沈下の中でも
ちゃんと聴いてみたら実は案外いいアルバムってのが、
秘宝的でいいのかもしれませんね。

usutaka96usutaka96 2015/10/15 12:04 ANYさん、こちらでも有難うございます。
(書いた内容にさほど触れず、持論をグイグイ展開される所、面白いです(微笑))

阿久悠は、この前年が小林旭「熱き心に」(大滝詠一)、90年に八代亜紀「花束」(服部克久)と、クロスオーバー演歌歌謡曲で成功していたので、この人選はそんなに間違いじゃないかな〜。デビュー時の作詞家でもあり、スターティング・オーバーという意味もありますしね。

私は、82年以降の歌謡曲〜ニューミュージック路線は正解だったと思いますね。「冬の孔雀」も、「思秋期」や「乙女のワルツ」と同じタッグで、ストリングスなんて、「難破船」と酷似(どちらも若草恵です)していて、歌い手によってはポップスの範疇だったのかなと思います。「十六夜物語」も芳恵さんが歌ったら、演歌チャートに入ったかもしれませんね。それくらい、彼女の場合は、歌い方でかなり聴こえ方が変わっている気がします。「待ちくたびれてヨコハマ」に限らず「最愛」も「し・の・び・愛」も相当に演歌ですから(だから有線が強かった)、スタッフはさらに推し進めたんでしょうね。

でも、BOXの付属DVDなどを見ると、彼女の歯茎と鼻にかけたような独特な「オ」段の美声が、レコーディングのままLIVEでも再現出来ていて驚きます。あらためて彼女は、歌手なんだと。また、よろしくお願いいたします♪

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2015-10-13 [音楽]473・私が好きな河合奈保子元気タイム このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

Calling You

注:以下の文章は、誰かを批判したり、誰かに問題提起したりする為のものではなく、あくまでも私の想いを綴っているだけなので、そういう人もいるのだと穏やかに読んでいただければ幸いです。

8月に発売されたファン投票による2枚組ベスト『私が好きな河合奈保子』を一通り聴いた。選曲も、さすが可憐にそこに佇んでいるような昭和アイドル、そしてその延長のエレガントなシンガーソングライターというイメージにピッタリだ。

しかし。しばらく聴いていて、ちょっとムズムズしてきた。いない。私の好きなスパーク系の奈保子が少ないのだ。私自彼女のLIVEの中でも“奈保子元気タイム”が大好きだったせいか、彼女がLIVEパフォーマーとしてハイレベルであることがここからはさほど感じられない気がした。

ということで、そのフラストレーションを解消すべく、私の好きなマイナー調のハードポップ路線多めで、気分をアゲる為に作ってみた。(★は『私が好きな河合奈保子収録曲、だから皆無という訳ではない)

『私が好きな河合奈保子元気タイム

1.エスカレーションシングル)★

2.THROUGH THE WINDOW(シングル

3.MANHATAN JOKE(シングルデビュー両A面

4.ちょっぴりパッショネイト(AL『スカイ・パーク』)

5.桜の闇に振り向けば(AL『JAPAN』)★

6.I'm in Loveシングル「ラヴェンダー・リップス」B面

7.ジェラス・トレイン(シングル)★

8.緋の少女(AL『スカーレット』)

9.わたしは旅人、あなたは罪人(AL『Calling You』=画像

10.UNバランス(シングル

11.Twenty Candles(AL『It's a Beautiful Day』)

12.唇のプライバシーシングル)★

13.今日を生きよう(AL『ブックエンド』)

14.コントロール(シングル

15.モスクワ・トワイライト(AL『さよなら物語』)★

16.クラブ・ティーンネイジ(AL『スカーレット』)

17.冬のカモメ(AL『NINE HALF』)

18.美・来(シングル

無論、これら全てがベスト盤向きの楽曲とは思えないし(笑)、また私自身が好きな彼女の楽曲こちらにも綴っているように、初期の可愛い楽曲も壮大なバラードも多数ある。けれど、彼女の音楽をよりリアルに楽しみたいな〜と思う時、こういう選曲が私の中でピタリとハマるのだ。

自作期になってからも「雨のプールサイド」や「緋の少女」から「今日も生きよう」などを歌っていたことから、本人もこういったハードポップ路線自分音楽の一部だと感じていたのだろう。(だから無理矢理やらされていた訳でもないでしょう。)

彼女に限らず「アイドルアイドルらしい曲だけ歌っていればいい」「フォーク出身歌手ロックには手を出すな」など、とかくパブリックイメージ通りのものしか受け付けないリスナーが多いのも分かる。しかし、そんな人にとっては、30歳手前までバリバリの理系で突き進んできた私の、音楽業界でのこの18年間は「クズ」みたいなもので(笑)、やはり自分人生否定されたようで悲しくなってくるのだ。

良いものは良い。“需要なき供給”と片づけるには、あまりに熱量や完成度の高い楽曲群を聴いていると、今日も“道なき道”を進んでいこうという気にさせられる。やはり、私が彼女の楽曲から学んだものは凄まじく大きい。

ANYANY 2015/10/15 06:37 個人的には彼女のデビュー5周年企画
3ヶ月に一度シングルとアルバムを同時発売という
ファンのお小遣いを無視した企画時に出した
すべての作品が素晴らしく、そこからマトモに河合奈保子を
聴き出したので、彼女のハード路線が基準になってしまっており、
初期スマイル路線や後期SSW路線も好きは好きだけど、
やっぱり作品で言うと83年から86年が王道ですね。
異端と言われようが、ファンのリクエストベストに入らなくても
絶対的ですね。
個人的に、今推したいのは「オリエンタルアイズ」ですかね?
後半のフェイクが素晴らしいね。
シングルでは「コントロール」が別格ですが、
いわゆる元気タイム定番曲の中ではあまり歌われなかったので、
やはり「ジェラストレイン」ですね。

今でも「もし河合奈保子が自作路線では無く、
ソウルR&B路線に行ってたら、と。
でもたぶん似非杏里的なサウンドにされちゃって地盤沈下かな?

だから自作路線は正解だったんです!!

未・来とかでちょっと復活してるんですが、
歌詞がわかりにくいというか、これはサウンドも声もいいのに、
歌詞がねぇ・・・。
なんでこんなになったんでしょうかねー?
未来的カルマとか彼女的にはどうだったのか?
聞いてみたいものですね。

usutaka96usutaka96 2015/10/15 11:50 ANYさん、いつも有難うございます!

そう、ANYさんも私も、あの歌唱力急進期が基点になっているのが、大多数のスマイル基点の方と異なっているのだと思います。「オリエンタル・アイズ」は地味で、ラブソングというには深遠ですが、聴き入ると素晴らしいですね、仰る通りフェイクも冴えています。ちなみに「ジェラス・トレイン」は、意外と元気タイムで歌われていますよ(微笑)。(95年の今のところLAST LIVEでも披露)

「美・来」は、その前の吉元由美と時間を共有しながらすり合わせた3作に比べたらどうしても共感度が落ちますし、仰る通り、さがらさんは1番と2番の時間経過が分かりづらいのが弱点かなと思いますが、それでも奈保子さんの例えば「今日を生きよう」のスパークぶりとか凄いものがありますので。ファンベストの35曲中、この時期をガン無視ってのは勿体ない気がするのですよね。美来的「ノルマ」ですね、私も不思議でした。でも、歌唱、作曲は『ブックエンド』が最も冴えていると思います!

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2015-10-12 [音楽]472・岩崎宏美 40周年感謝祭 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

40th Anniversary Self Cover Best MY SONGS (40周年記念感謝盤)

10/10、ヒロリンこと岩崎宏美の『40周年感謝祭 光の軌跡』の見学で、東京国際フォーラムまで行ってまいりました。いやぁ、今回は本当に素晴らしかった、本当に心から楽しめました。御礼にもう何枚も持っているCDをあらためて買おうかと思ったほど(笑)

今回は、40年間を総括したベスト・オブ・ベストな選曲で、MCもとても面白くて、万人が楽しめる内容になっていたことも大きいのですが、何より表現の幅がさらに広がっていることに感動しました

ここ10年程の宏美さんは、体調との闘いがあったと思うのですよ(しかも、5年程前は、歌詞記憶との闘いも加わり、本当に毎回ハラハラでしたが、こちらはプロンプターの導入で解決)。それは歌謡コンサートのようなTVでの1曲勝負の時に、「あぁ、本当はもっと上手なのに!」と歯がゆい想いをすることがあり、けれどLIVEでは前半に体調が悪くても、後半に向けてギアをかけて凄まじい絶唱をしたり、本当に淋しさや悔しさを滲ませた哀しい歌声だったりで、これはこれでプロの一流の歌手の矜持を見せてくれました。つまり、この試練があったからこそ、様々な表現にトライできたのでしょう。

だけど、今回のヒロリンは、声の調子がすこぶる良かった。穏やかなミディアム調での優しい歌声も、壮大なスロー・バラードでの熱唱も良かったけれど、何より目からウロコだったのは、初期楽曲でのボーカルが随分と可愛らしくなっていた点で、それが大きく広がりを見せたと思います。宏美さんといえば、77年の「思秋期」以降、年齢以上に大人っぽい歌い方にシフトしていったと思うんですよ。だから、「檸檬」や「夏に抱かれて」、「すみれ色の涙」あたりは、もしかして今の方が、主人公の若々しい気持ち体現できている気もしました。

また、宏美さんの歌声が進化しているのを確信したのは、戻ってから『MY SONGS』のDisc2の前半を聴き直してみて、違和感を覚えたから。「あぁ、今だったらもっと上手いのに!」と思った曲が何曲もありました。2010年の『Dear Friends BOX』のインタビューディレクターの湯田淳一さんが「35年歌ってきた人が、まだ進化しているんです」と仰ったことが、さらに続いているなんて!岩崎宏美様、恐れ入りました!

そんな感動の渦に飲まれ、これからもファンでいようとあらためて思った次第です。ただ、私が親衛隊の方々を凄いな〜と感心する一方で、ちょっと自分にはできないなーと思うのは、 ヒロミちゃーーん!」と声をかけることです。だって、“宏美さん”、“ヒロリン”と呼ぶことはあっても、“ヒロミちゃん”って、まったく結びつかなくて。“ヒロミ姐さん”の方が、まだ私の中の岩崎宏美に近いなぁ(笑)。でも、今回のように歌声も可愛くなられたから思い切って「ヒロミちゃーーん!」と呼んでみるべきか。ともあれ、LIVEで化けるあのカラフルな歌声はこの「ヒロミちゃーーん!」コールの魔法も加わっているのは間違いありません!

WhiteAutumnWhiteAutumn 2015/10/13 11:15 こちらのブログでははじめまして。Twitterではお世話になっております。国際フォーラムのコンサートにお見えだったのですね。私も見に行きましたよ。太る前のおしゃれ着を着ていったため、両手フリフリで思い切り手をあげられませんでした。(笑)

自分のことはともかくとして。
岩崎さんのコンサートやショーは昨年から何回か拝見していますが、今回はとてもよく声が出ていましたね。正直なところ、歌謡コンサートや谷村新司さんの番組では、やや無理しているかなと感じるところもあるのですが、収録もあるためでしょうか、この日に合わせて全てを整えてきたという、プロの魂にふれた感じです。お客さんの乗せ方も好調でしたね。楽しいひと時でした。

会場では、セットリストや内容のWeb掲載はご遠慮くださいというおふれが出ていて、どこまで具体的に書いてよいか迷いますが、お客さんにコーラスをつけさせたワルツの歌が一番よかったです。この曲は売り上げ順収録の「ゴールデン☆ベスト」に入っていないため、翌日配信サイトで取りました。”影の思秋期”といった感じですね。当時のヒットチャートは強力なライバル揃いで、ロマンス以降では初めてベストテンに入れなかったと出ていますが、それだけに岩崎さんも、もっと多くの人に今からでも知ってもらいたいという思いが強く出ていたように感じました。

この曲に出会えたことで、二重唱からシンデレラハネムーンまでのA面はひと通り覚えた…と思っていたら、まだ「悲恋白書」が残っていました。

お仕事ご多忙とは存じますが、これからも臼井さんの記事を楽しみにしております。

usutaka96usutaka96 2015/10/13 18:34 WhiteAutumnさん、コメント有難うございました。

国際フォーラム、本当に良かったですね!これまでもフォーラムは、収録を多数されていますが、仰る通りこの日に向けての万全のコンディションだったと思います。それに加えて、本当に体がラクそうで、良かったです。数年前は、見ていてこちらが涙ぐんでしまうほど、体調を崩しておられたので(当時は幾つも症状を抱えておられました)。

例のワルツの曲は、まさに記憶の名曲だと思います。シングルとするにはやや地味ですが、後から聞くと心に自然に浸透するような。奈保子さんでいうと、「ラヴェンダー・リップス」的位置だと思います。ちなみに、めざましテレビの軽部アナもこの歌が大好きと言っていたので、そこまでマイナーでもないかな〜と思います。あと、良かったらLIVEやファンの人気曲を集めた『ゴールデン・ベストII』もご参考ください。こちらも5千枚ほど売れています♪

donchandonchan 2015/10/21 18:46 国際フォーラムのコンサートが、どんなに素晴らしく、そして凄く盛り上がっていたかを、熱く語って頂き有難うございました。
その場にいたら、思いっきりオタク丸出しで感想を書けたものを・・・と思いました。
幸運にもそのコンサートを見た宏美ファンのコメントを待っていたのですが、奈保子さんファンの方だけでしたので、私も何か書かなければと思った次第です。

実は先月の相模女子大グリーンホールに行ったのですが、前半に聴いた範囲で感想を書きます。
ツアーが始まる前にヒットメドレーが2つ有るとラジオで話されていたので、のどの調子は大丈夫なのかと凄く心配でしたが、親衛隊の「宏美ちゃ〜ん」コールで上手く乗り越えているなと思いました。ただ、コールと歌が重なりそうな部分があって、コールはほどほどにと思っています。

リサイタルを行っていた頃は、春と夏のコンサートで試して良い出来だった曲+宏美さんの力量より一、二段高いハードルの選曲で成長してきた訳です。
オリジナルだけのコンサートは他の歌手では当たり前の事ですが、宏美さんは初めての事ではないかと思います。
こんなに盛り上がるのであれば、20年前「岩崎宏美」として歌謡界に戻ってきた時に、今回の様なコンサートを行っていたらと思わずにはいられません。
ただ素晴らしいアルバム「FULL CIRCLE」は誕生しなかったでしょうね。(コンサート会場の新宿厚生年金で素晴らしい歌唱
に興奮していました)

また長文になってしまいスミマセン。

usutaka96usutaka96 2015/10/22 00:51 donchanさん、コメント有難うございました。

親衛隊の皆さんのコールは、明らかに宏美さんを元気づけていると思います!また、宏美さんの鮮やかな歌唱をじっくり聴きたくて「コールはほどほどに」と思うファンもいるでしょう。このともすると難しいバランスを保てているのが、隊長や隊員の方の開演時または終演時の挨拶だと私は感じています。

そして、20周年の時も今のような構成だと盛り上がったでしょうね。でも、ご指摘のように、あの時は懐メロ歌手じゃない“新生・岩崎宏美”をアピールすることが先決でしたし、今は良かったと思っています。逆に、今は湯田さんが「あとかたもなく」のスクラッチの苦情を背負われて、“裏切らない作品の中で、どれだけ攻められるか”となっている気がするので、もう少し作品選びでも冒険してもらってもいいかな〜と、思いますね、安心して聴ける歌唱となった今だからこそ。いずれにせよ、まだまだ楽しみなアーティストですね♪

donchandonchan 2015/10/22 13:35 臼井孝さん、つたない文を読んで頂き有難うございました。
(親衛隊へのフォローも有難うございました。)

私も「歌が大好き」ですから、歌の情景が見えてきたり、歌の世界に埋没して時間が止まった様な感じがしたら、すぐCD買ったりコンサートに行ってしまう方です。ストライクゾーンは広いです。
なので「あとかたもなく」に苦情がきたことに驚いています。シングルのアレンジの方が、歌の世界に近いと思います。スクラッチではなく、詩の暗さに拒否反応があったのではないでしょうか?(聴いていて宏美さんとダブって辛かったから)
カップリングの「約束」の方が、温かく包み込むような歌唱で好きです。チャレンジには拍手を送りたいです。

常々思っている事があります。どんな歌も歌ってしまう宏美さんに歌を作るのは難しいでしょうが、宏美さんが歌う事を想定しない歌、この世界は歌えないだろうという歌づくりをして欲しいなと。まだ「未完の肖像」ですし、「Chapter?」を期待しています。
誰もが岩崎宏美=歌手のイメージを持っているので、歌になりたいとか歌い続けるという歌詞では、当たり前すぎて興味を示さないと思います。

ブルーノートで大きな声で笑ってステージを見ていた湯田さん、チャレンジよろしくお願いします。あと、花粉症の季節を外してレコーディングして下さい。m(_ _)m

usutaka96usutaka96 2015/10/23 20:56 donchanさん、またまたコメントどうもです!(すみません、前の前のコメントは、同じくヒロリンファンのtanukiikkaさんと混同しておりました。)

「あとかたもなく」は、30th BOXでヒロリンも仰っているように、スクラッチについての意見が多かったようです。(歌詞は、ヒロリンがべた褒めしていたことから始まった事もあって、クレームがあったとは聞いておりませんね。もしそうなら「殴ってもいいですか」の方が否定意見があったかも笑)

いずれにせよ、もうこの15年間の功績があるのですし、今のヒロリンならどんな歌でも表現しそうだし、ディレクター様には、お客さま(特に、コンサートだけ来るような方)を気にしない作品にもトライして欲しいですよね♪

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2015-10-01 [仕事]471・つのはず誠、卒業します このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

河合奈保子 BOX シングル・コレクション Jewel Box?Naoko Singles Collection

突然ですが、2015年9月30日をもって、15年間使ってきましたペンネーム「つのはず誠」を卒業しました。

「卒業」というと、もう執筆を辞めるみたいですが、今後は本名の「臼井孝(うすい・たかし)」で統一して、分析、企画、執筆のすべてを頑張ろうと考えております

思えば、2000年9月頃、日経エンタテインメント!のヒットチャートに関するコラムを読んで、「ちょっとこういう解説は浅い。私なら、こう読み解きます」みたいな改善提案をしたら、その視点が面白いということで同年10月に始まったのが同媒体のWeb上でのヒットチャート解説の連載。

その際に、会社には迷惑をかけないようにということで、(当時音楽広告代理店サラリーマンでもあった為、クライアントの大半はレコード会社だったので)、ペンネームをつける必要がありました。当時は西新宿の中でも旧地名「角筈」に住んでいて、この地名を何らかの形で残せればいいという願いと、ヒットチャートを正しく読み解きたいという思いから、考えついたのが「角筈真」でした。

しかし、これでは読みづらいということで、また「真」は“まこと”なのか“しん”なのか分かりづらいということで、「つのはず誠」として執筆することにしました。00年からは日経エンタテインメント!のWeb版、01年からは本誌と河合奈保子CD BOXJewel Box』でのライナーノーツ執筆(ここでは企画には関わっておりません)、02年からはCDジャーナルとじわじわ執筆仕事が増えました。当時は、土曜と日曜のみ、そうまさに週末ライターだったのです。

その後、04年に広告代理店を辞めた時点で、「つのはず誠」=「臼井孝」と公表し、05年10月にはT2U音楽研究所として独立。以降は、音楽市場分析の延長で、本名にて、講演したり、コメントで登場、企画CDの監修や選曲をする機会が増えました。その一方で、楽曲解説インタビューを手がけることもあり、例えば同じCDなのに「企画:臼井孝、執筆:つのはず誠」ということも度々ありました。そのことで、クライアントを混同させることも度々あり、また私自身も「臼井孝経由で頼まれた執筆は、どちらの名前で書くべきだろう?」と混乱しておりました(苦笑)。

それで、独立してまる10年となるこの2015年10月に本名に一本化することにいたしました。もしかして、どこかで「ペンネームを変えて、何か悪いことでもしたの?」と憶測している人がいたら、やんわりとこちらのサイトに誘導いただければ幸いです。

ということで、今後も愛と情熱の文章や図説で、リスナー音楽を結びつけていきたいな〜と願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます♪

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2015-09-23 [音楽]470・岩崎宏美「愛がいっぱい」 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

愛がいっぱい (MEG-CD)

まずは業務報告です。9/16発売となった企画CD誰にも言えない恋のうた』9/20付のオリコンデイリーで34位まで上昇しました。ちょっと年代幅が広いのでどうかな〜と思いましたが、聴いているとセツナさムンムンなので、それがじわじわ受けているのは有難いことです。次週以降も上がるといいな〜。で、秋田県のヒロさん、女性ボーカルカバーがお好きのようで、今回のレビューを書いて下さっていたり、そのレビューの対象が、私が共同通信の『音楽玉手箱』で紹介したものを多数聴いて下さっていたり、なんだか嬉しいです。もしかしてこちらを読んでおられたらDM等くださいませ。(usutaka96 + excite.co.jp)


さて。ヒロリンの「愛がいっぱい」1997年9月22日発売、52作目のシングルで、当時は20周年から続くオシャレな路線で旧来のファンも戻らず、シングルもTOP200圏外、アルバムもTOP100圏外と、まぁ、セールス的にどん底(泣)だった時期のシングルですが、これ、吉田美奈子作詞作曲編曲提供作とは思えないほどヒロリンの特性を活かしまくった楽曲です!

まずサウンドは、彼女の快活な声がビシバシ響くような陽気なメジャーコード美奈子さんお得意の多重コーラスもここでは、重々しくなく明るく響いています。そして、ロングトーンも随所に入っていて、まさにヒロリン節が何度も聴ける、聴け過ぎてしまうほどのボリューム感です。

しかも、そのロングトーンの箇所は「いまー」「まちにはー」「そっとー」「つづきをー」「あいがー」「みつめなおしたいからー」などなど、すべてヒロリンの力強く響く「ア」音か「オ」音ばかり続くのは、明らかに作為的。美奈子さんの歌ではこんなことホント珍しいのです。美奈子さんご本人が、ヒロリンにヒットさせたくて狙いまくったのか、ビクター側から要請したのか定かではありませんが、とにかく物凄く作為的。これ、「決心」「月光」あたりの勢いがあったら、また今とは皆の印象も変わってヒットしていたかもしれませんね。

ただ、惜しむらくは、そういう音の響きを重視し過ぎた為か、歌詞がイマイチ分かりづらい所。好きな相手といったん離れてみた上で、愛そうというのだけど、その深みが短いセンテンスでは伝わらないような。。。まぁ、でも美奈子さんの歌の中ではかなり分かりやすい方ですが(微笑)。

ちなみに、こちらの歌、上記のような特長から、カラオケ高得点が非常に出やすいのですが、いかんせんJOYSOUND f1以降の機種にしかなく、DAMにもなく、なにより知っている人が少なく、私がいつ歌っても、月の歌唱人数が1人という有り様。でも、私がいつもいろいろ歌いきった上でガラガラな声で歌っても90点台が出るほどなので、素直に歌える人ならきっと95点とか平気で出ちゃうと思います。よかったらご参考ください。

あ、あとこの歌が収録された『SHOWER OF LOVE』は、ホント音楽好きなら気に入る熱量の高い楽曲が多いので、良かったらどうぞ♪

donchandonchan 2015/09/30 22:57 宏美さんの事を書いて頂き有難うございます。気が付くのが遅くなってスミマセン。
デビュー20周年の「FULL CIRCLE」は、新生岩崎宏美として私たちのところへ戻ってきてくれたと喜び(私だけ?)、アメリカ進出も有りかと期待していましたが、多くの宏美ファンは変化を求めていなかったのでしょう。それは40周年コンサートのリクエストベスト10を見れば納得です。
次のアルバムは、路線を修正しながら吉田美奈子さん・角松俊生さん等新鮮なアーティストの楽曲で作られた「SHOWER OF LOVE」は良い曲が入っている好きなアルバムの1つです。特に広瀬香美さん作曲の「PAIN」から宏美さん作詞・南佳孝作曲の「RAIN」はタイトルといい、内容といい続けて聴くと最高です。
'95のシングル「朝が来るまで」は明るさを感じる佳曲でした。翌年の吉田美奈子さん作の「BELIEVIN'」は宏美さんの長所を最大限に生かした素敵な曲ですが、関西のドラマの曲だったので全国的にはいま一つ盛り上がらず。もっとポップな曲になった'97「愛がいっぱい」は以前の宏美さんならヒットしたかもしれません。でもミュージカル「レ・ミゼラブル」に泣きながらファンテーヌを演じていた時期です。明るい歌を歌っても哀しみが滲み出てしまいファンとして見ていて辛かったです。ミュージカル女優としての評価が上がった事は嬉しいことではありますが・・・。
25周年のアルバム「Never Again〜許さない」に収録の「あなたへ」は、やっぱり筒美京平さんの曲は宏美さんにピッタリだと痛感しました。もう作品書いて下さらないのでしょうか?

usutaka96usutaka96 2015/10/01 09:35 donchanさんご無沙汰しております&とても嬉しいコメント有難うございます!!

私も『FULL CIRCLE』喜び組(笑)で、それが引き金となって音楽業界に転身したといっても過言ではありません。donchanさまは、いつも和やかに素敵なコメントやブログをなさっているので、この時期は革新的すぎとお感じなのかな。。。と思っていたのですが、大きな誤解でした。素晴らしき理解者でいらしたのですね!

そして、「朝が来るまで」→「BELIEVIN'」→「愛がいっぱい」の試行錯誤、そして『レ・ミゼラブル』やそれをダブらせる私生活。。。本当に宏美さんは、この時期色んな意味で闘ってそして傷ついておられたのだと思い、donchanさんの解説に泣きそうになりました。「愛がいっぱい」は、あんなに明るい歌なのにホントどこか翳りがあるんですよね。

私も京平先生との再会をまた望んでいますが、京平先生も「私たち」のB面化、(自身の作品ではない)「思秋期」の大ヒットなどお考えのところもあるでしょうし。。。でも、最高の組み合わせの一つですから、無理なく期待したいですね!

donchandonchan 2015/10/02 23:30 臼井孝様、いつも私のオタクコメントに応えて頂き、感謝!「Thanks」「Thank You!」であります。
年の離れた「きょうだい」の影響で、洋楽も好きだし歌謡曲も好きでした。好きな特定の歌手はいませんでした。
そこに同い年の普通の女子高生なのに、歌うと大人顔負けの上手さの岩崎宏美さんにめぐり逢って(霧は無かった!)しまいました。私は、彼女のような才能も無く「未来」のことを考えては「センチメンタル」な日々を送っていました。(笑)
才能に惚れた私は、テレビやラジオで歌った歌をカセットに記録するようになりました。もちろん、聴きに行った「コンサート」の曲目も記録していました。今のように会場に曲目が書かれてませんから、初めて聴いた曲のオリジナルの歌手と題名を探すのが大変でしたが、知らぬ間に楽しみになりました。(沢田研二さんの「ある青春」をカバーした時の歌唱は特に凄くて、ライブ盤に収録して欲しかったですね。)
コンサートに行く度、私の音楽の世界が広がって行きました。童謡・フォークにニューミュージック&海外のPOPS・ソウル・カンツォーネ・Jazz等とにかく幅広いジャンルの曲を歌い、毎年成長をしていく姿を観に行くのが最高の喜びでありました。
書きだすと止まらないので、この辺で終わりにします。
宏美さんの音楽談義が出来る貴重な存在の臼井さん、これからも宏美さんをよろしくお願い致します。
PS.donchan名での活動はこちらだけですので。

usutaka96usutaka96 2015/10/04 14:36 donchanさん、こんにちは。またまた面白いコメント有難うございます。

>donchan名での活動はこちらだけですので。

あっ、何かの時にコメントが一致していたので、素敵なファンブログ「Happiness岩崎宏美」の管理人の方かと思っておりました。もし誤解があったらすみません、

それはさておき、リアルタイムのあの凄まじいオールジャンルのコンサートを堪能されていたとは羨ましい限りです。私はまだまだ勉強不足な部分もありますので、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!

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2015-09-15 [仕事]469・『誰にも言えない恋のうた』 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

誰にも言えない恋のうた

※9/20付オリコン日間34位に登場しました。よかったらお聴き下さい♪

9月16日に、久しぶりに企画・監修をつとめたコンピレーションCDが発売になります。その名も『誰にも言えない恋のうた』。以下、曲目です。

1 Can’t Stop Fallin’in Loveglobe

2 この夜を止めてよJUJU

3 let go/m-flo loves YOSHIKA

4 Ti AmoBENIEXILEカバー

5 かたち あるもの/柴咲コウ

6 悲しみがとまらない (2009 version)/杏里

7 慟哭工藤静香

8 あなたのキスを数えましょう(2010 version)/小柳ゆき

9 Woman "Wの悲劇"より/薬師丸ひろ子

10 最後の雨/Ms.OOJA (中西保志カバー

11 恋する気持ちmihimaru GT

12 あなたがいれば/華原朋美

13 P. S. I miss you高橋洋子

14 別れの予感/テレサ・テン

15 恋におちて–Fall in love-/小林明子

テーマは、まさにタイトル通りです。

ラブソングコンピのような能天気(笑)ではなく、かといって失恋したからすぐに次に切り替わる訳でもなく。やるせない気持ちでも、また、どんな状況でも相手への想いだけは確かにあるようなコンピが作れないかな〜と思っておりました。まぁ、分かりやすい状況では「不倫」がありますが、決して不倫だけじゃなくて「永遠片想い」とか「別れても続く想い」とか、そういった相手への一途な想いというベクトルで、一つにまとめたいなと思っておりました。

ですが、3つ前の記事にも書いたように、世の中サブスクリプションにてプレイリスト自由に操る中で、コンピCD意味はないだろうと各社消極的だったのですが、こちらの企画、まずはダウンロードサイトの方でやってみたら、結構な売上げとなりまして、その結果を受けて、女性ボーカル限定CD化してもらえました。

早速、カタログ通販などミドル世代以上の女性からはいい反応が出ています。まぁ、いつものようにこのゾーンを頼りに作っているのですが(笑)。また、Amazonでは9/15時点で150枚以上のオーダーが入っています。やっぱり、“誰にも言えない”からこそネットで買いたい方が多いのでしょうか(微笑)。

それにしても、今年はダウンロードサイトでの選曲とか、先日は岩崎宏美さんのハイレゾの監修とか、配信系の仕事を大量に受けており、CD企画は2月の工藤静香『My Treasure Best』(私が名づけました)に次いで、まだ2作目! 07年以降、毎年10〜40枚は企画や監修に関わってきたのに、今年は遂にひと桁となりそう。仕事自体は上手くいっているのに、CD仕事がぐんと減ってしまって、少しさびしくなります。

ともあれ、聴いていただければ、普通のコンピじゃない熱量を感じる内容となっているので、良かったらどうぞ。

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