ひまわりの顔

utakichi2006-08-19

灼熱の太陽のもと、光をぜんぶ吸収したようなひまわりの花を見ると、毎年、はっとします。

ひまわりの葉は意外に熱に弱いみたいで、日中の直射日光を浴びた葉は萎れていることが多いのですが、それでも、花は太陽と真っ向から向き合っています。

今年はそんなひまわりの花を見ることも少なかったなあ、と、ラテンアメリカの本を開きたくなります。

メキシコには「ドウエンデ」と呼ばれる、お手伝いの得意な「小人」がいるけれど、あまりつきあいすぎると、ドウエンデたちはその人と離れなくなってしまって、ついにはほとほと困り果てる事態となる、とこの本にはあります。イグナシオは、小人たちの力を借りて畑仕事をしたけれど、彼らがあんまりどこへでもついてくるので憂鬱になってきます。結局、うまくだまして、退散させるのでした(「お手伝いの得意な小人たち」)。

日本のお犬さまとか、お狐さまとかに似ていますね。

昔読んだ絵本『チャマコときいろいうま』に出てきたドウエンデは、「小人」ではなくて、暑い暑い日の昼下がり、なんにもすることがなくてつまらない、と思っているチャマコの前に現れます。
たしか出現したドウエンデは「わたしは ドウエンデ〜」という歌をうたいながら髪を振り乱した異様な姿でダンスをしていました。マジックの力を持っていて、助けてはくれるけれど恐ろしいところもある精霊、だった気がします。

お手伝い小人のような、おばかさんなところのある存在とはちょっと違います。

精霊はいろんな「顔」を持っているのでしょう。

ひまわりにも、精霊が宿っているのではないでしょうか。暑い暑い日の昼下がり、ひまわりの「顔」を見ていると、そんな気がしてきます。