萌黄色と枯葉色/異類との合一

季節は変わりましたが、まだお人形の衣替えができていません。
四季咲きのミモザ、ということでふたたびこのお洋服の登場。
背景は秋の葉っぱ色の、私のワンピース。何年か前のツモリチサトのものらしいです。

******

五十嵐大介の作品集『そらとびタマシイ』(講談社)。
すっごいタイトルです。
絵もお話も、題名以上です。
犬のルウキイの霊と、互いに惹かれあって溶け合った美代子の姿がリアルです。
ルウキイはずっと、両親が亡くなった少女美代子の親代わりだったのでした。

厨戸真貴は最近唯一の家族であった父が亡くなり、ある朝たまたま梟の雛を踏み潰してしまいます。
それから真貴は、どうも梟に寄生されているみたいになります。
望まずして他の生き物の霊と合体しようとしている真貴の前に、美代子が現れ。。。。

****

「媚薬が 効いてきた ようね」「体の奥に 潜んでいた 憑依霊が」「表面に浮かび上がってきたのだわ」(50ページ)

****

ルウキイの霊を憑依させた美代子の姿も、梟が憑依してしまった真貴の姿も、お人形にできそうです。
いえ。
異類との交感を体躯の表面に現したお人形を、すでにどこかで見たような気がいたします。

表紙になっている、か細い真貴ちゃんの腕や胸元も、球体関節のお人形を彷彿とさせます。