力学§7メモ2

・運動量保存則を質点の速度を使って表すと、
 .

・エネルギーとは異なり、粒子間の相互作用の有無に関わらず、系全体の運動量は各粒子の運動量
 
の和である。

・外場がないとき、運動量ベクトルの3成分全てが保存。
 外場がある場合、その分のポテンシャルエネルギーが含まれない座標軸に沿った平行移動に対して力学系の性質は不変であり、この方向への射影が保存。

力学§7メモ1

・空間の一様性から、運動量保存則が導かれる。
 孤立系の力学的性質は、空間の一様性により、系全体として空間内の任意の平行移動に対して不変。ここで、無限小の座標変位εを考え、ラグランジアンが不変であることを要求する。
 
と平行移動するとき、Lの変化は 
 
任意のεに対してδL=0でなければならないので
 
したがって、ラグランジュ方程式から
 
が運動の際、不変であることが導かれる。ベクトルPを運動量と呼ぶ。
εは全てベクトル。texイマイチ馴染めないなあ。

力学§6メモ

力学系の運動に際して、2s個の量、qiおよび\dot{qi} (i=1~s)を変数に持ち、運動の間一定の値を保ち、初期条件だけで決まる関数がある。
 →運動の積分

・自由度sの孤立系の場合、独立な運動の積分の数2s-1個。

・保存量一定の根拠は、空間と時間の一様性と等方性に結びつく。また保存量は加法性を持つ。

・時間の一様性からエネルギー保存則が導かれる。
 時間の一様性のため、孤立系のラグランジアンLは時間に陽に依存しない。このことを考慮し、Lの時間に関する完全導関数を書き下し、ラグランジュ方程式を用いて、Lのqiによる偏微分の項を時間微分の項に置き換える。全ての項をd/dtで括ることができ、その時間積分は定数Eとおける。Eは孤立系の運動に際して不変であり、したがって系の運動の積分。Eをエネルギーと呼ぶ。

・孤立系の運動に関して、エネルギーは不変。

・エネルギーの保存則は外部の場が一定(時間によらない)の場合にも正しい。エネルギーが保存される力学系を保存系と呼ぶ。

力学§5メモ2

・孤立していない系Aについて考える。この系が、他の与えられた運動をしている系Bと相互作用しているとする、
 =系Aは与えられた外場(系Bによって作られる)のなかで運動する。

・系AのラグランジアンLaを求めるために、全系のラグランジアンLを用いる。系A+Bが孤立系であると仮定すると、
  L=Ta(qa,\dot{qa})+Tb(qb,\dot{qb})-U(qa,qb).
 (Ta,Tb:系A,Bの運動エネルギー, U:共通のポテンシャルエネルギー)
 座標qbには、与えられた時間の関数を代入すればよく、第二項は時間だけの関数T(qb(t),\dot{qb(t)})となる。したがって、ある他の時間の関数の完全導関数となり、省略できるため
  La=Ta(qa,\dot{qa})-U(qa,qb(t)).

・外場の中における1質点の運動に関するラグランジアンの最も一般的な形は
  L=mv^2/2-U(r,t).
 運動方程式
  m\dot{v}=\frac{\partial U}{\partial r}

・全ての質点に同一の力Fを及ぼすような場を一様であるという。この場では明らかに
  U=-Fr.

・物体間の相互作用が拘束の性質を持つ場合、物体の接触箇所に摩擦が生じ、力学の適用限界が生じる。(しかし多くの場合、系内の摩擦は無視できる程小さい)

力学§5メモ1

・質点間に相互作用があるが、他の物体との相互作用がない系。すなわち孤立した系について。

・孤立系のラグランジアンは、一般に相互作用のない場合(自由な質点)のラグランジアンに座標の一定の関数Uの項を加えることで表される。
 →L=T-U (T=mv^2/2:運動エネルギー)

・U:ポテンシャルエネルギーは全ての質点の同一時刻における位置だけの関数であり、一つの質点の変位が直ちに他の全ての質点に影響する。これは作用が一瞬に伝わることを意味する。→古典力学の基本的前提、絶対時間とガリレイの相対性原理。

・上のラグランジアンの形は、t→-tとしても不変であり、時間の等方性を示している。

ラグランジュ方程式から、運動方程式を立てると、ニュートンの方程式が得られる。Uの空間偏微分の項は力Fであり、Uと同様に力は全ての質点の座標だけに依存し、その速度によらない。
 →ニュートン方程式は、加速度のベクトルが座標だけの関数であることを表している。

・ポテンシャルエネルギーは任意定数の不定さを残す。この定数を加えても、運動方程式は形を変えない。

力学§4メモ

・慣性基準系における自由粒子の運動に関するラグランジアン、その速度に対する依存の仕方を調べる。

・系K'と系Kとの速度の関係式v'=v+ε(εは無限小速度)を考えると、K'でのラグランジアンL'と、KでのLとの違いは、時間の関数の完全導関数だけ(§2)。L'をεに関してべき展開して高次を落とし、元のLから増えた項が時間の関数の完全導関数となることから、L=av^2の関係が得られる(aは定数)。この形の式をもとに、系K'に対する系Kの速度Vが有限の場合にもラグランジアンが不変であることが確認できる。

・定数aはm/2と書くのが普通(mは粒子の質量)。

力学§3メモ

・基準系は、力学現象の法則が最も簡単な形になるようにとる。

力学系に対して、空間が一様かつ等方的で、時間も一様であるような基準系を常に見出すことが出来る。
 →慣性系のこと

自由粒子が運動する慣性基準系では、空間と時間の一様性から、Lは自由粒子の位置ベクトル、時間をあらわには含まず、速度vだけの関数(空間の等方性からv^2)。このとき、ラグランジュ方程式からv=constでなければならないとわかる。
 →慣性の法則

・互いに等速直線運動するような全ての慣性基準系では全ての力学的法則は同一。
 →ガリレイの相対性原理(力学の最も重要な原理)

古典力学の思想の基礎に絶対時間の仮定がある。→ガリレイ変換が成り立つ。

ガリレイの相対性原理により、ガリレイ変換に対して運動方程式が不変。