映画美学校/音楽美学講座/クリティック&ヒストリーコース/第9回講義@京橋・映画美学校

講師:大谷能生岸野雄一

  • ♪Bing Crosby / Mr.Parade (composed by Irvin バーリン/一発録り編集無し)
    • 演奏時間2分50秒。40年代半ばの録音。ビングは「ホワイト・クリスマス」で知られる代表的クルーナー歌手。
    • マイクロフォンの精度向上に伴って、微妙な歌のニュアンスが表現可能になった。
    • 歌手の声は大きくなくても、はきはきしてなくてもOK。
    • ラジオの普及と伴って、リスナーに語りかけるように歌うスタイルが広まる。
  • ♪Artie Show Orchestra / Get out of town
    • シートミュージックの時代
    • リズムキープという概念を持たないスウィートミュージック
  • 笠置シヅ子 / ジャングル・ブギー
    • 2拍子でも3拍子でもリズムキープ可能なブギウギスタイルの演奏
  • 笠置シヅ子 / 東京ブギウギ
    • 1946年(昭和21年)の録音
  • ブギウギ小話
    • ブギウギによってビートミュージックが定常化する。
    • 4拍子を8部音符でカウントする⇒グリッドの細分化
    • 50年代後半になっても米国のポップスにおいてビートミュージックという概念は薄い
    • リズム・キープや拍の「裏」概念
    • クリックによるグローバリズムMIDIの普及で実現可能になったが、それに伴って「正確」は「良い」のかという問題が生まれた
    • ワルツ/ポルカ/河内音頭...音楽それぞれが持つビート/リズムの概念がある
    • パパ・ウェンバ/キップ・ハンラハン/矢沢英吉/スコーピオンズ
    • 細野晴臣...日本で最もリズム・アプローチに意識的なポップスのコンポーザー。『Hosono House』では収録曲のリズムパターンが全て異なる。「フレージング」こそ「リズム感」であるという意識を持つ稀有な音楽家
  • ♪Claude Thornhill / オーニソロジー(作曲:チャーリー・パーカー 編曲:ギル・エヴァンズ)
    • ベースはリズムキープ(4分音符)
    • リズムキープが当たり前になるのは、MIDI以降。
    • ビートの均一化(揺れないリズム)で観客は踊りにくくなる
    • ジャズの4ビートは踊れない
    • ベースラインがbumpするかしないかで踊れるか/売れるかが決まってくる...R&B, Funk...
  • ♪Hawling Wolf / House Rockin' Boogie
  • Teenagerというidea(概念)
    • 10代
    • 子供/大人
    • 「青年」の不在(無いものとされていた。絵画、映画でも)
    • 20代後半
    • 映画では「大人」でなければ「子役」
  • 1945年
    • 第二次大戦の影響で少子化⇒世界的なベビー・ブームへ
    • 1950年頃「10代」という市場が発見される
    • 教育の機会均等/職業選択の自由...民主主義的な価値観の浸透
    • ポップスがお菓子のように拡大再生産されるようになる
    • 若者のロール・モデル/イメージ・モデルとしてのアイドル:マーロン・ブランド、ジェイムス・ディーン、エルビス・プレスリー
  • Deen Martin
    • ターゲットは20代男女(ヤング・アダルト)
  • Nat King Cole / Monaliza (1950)
  • ♪Pat Boone / April Love
    • 10代の心情を代弁する大人
  • ♪Les Paul and Mary Ford / How High The Moon (1951)
    • 多重録音
  • ♪Les Paul / Brazil
  • Miles Davis / It's Never Entered In My Mind〜The Man I Love (1956)
    • 洗練志向のお坊ちゃま
  • Elvis Presley / Hound Dog, All Shock Uped, Don't Be Cruel
    • 黒人フレーバー(ドラム、コーラス、クラッピング)・フェイク感がポップ
  • Muddy Waters
  • ♪John Lee Hooker

(つづく)