[映画]溝口健二監督 / 瀧の白糸(1933年、入江ぷろ)

Talking Silents 1「瀧の白糸」「東京行進曲」 [DVD]


サイレント作なので、女性弁士の語りが入っている。弁士は澤登翠(初めて知ったが、現役の女性弁士)。この語りがなかなか趣きがあって、良い。
ストーリーは水藝(水を用いた奇術)で食いつなぐ旅藝人の女と元馬丁(予審判事になる)の男の悲恋物。原作は泉鏡花らしいが、あまりの人気で今までに6回も映画化されているのは凄い。さすがに平成になってからは、映画化されていないようだが、こういうベタな悲恋物は人気が高いのだろう。ラストで取って付けたように、二人ともxxしてしまうのは、ぼくの目から観るとあまりに安易な結末で興が削がれるのだが。
主演の入江たか子の美貌と演技力がこの作品の芯棒であり、この映画は後にも先にもそれに尽きるように思う。