トランスフォーマーギャラクシーフォース

 ここしばらくは、戦場が、あちらこちらで同時に進行し、刻々と変わる状況に対して、サイバトロン、デストロンともに、駆け回るところが、見所です。概ね面白い。
 しかし、ソニックボンバーのいきなりの合体しよう宣言、無理があるなあ。せめて前回に、ひょっとしたら合体できるかもと思わせる伏線を一つ用意していれば、良かったのに。

ウルトラマンマックス

 取ってつけたような、ラストの文明への警告云々とか、爆破まで1時間もあるのに救出命令でなく撤退命令をいきなり出す無茶苦茶さとか、昔の「島一番の暴れん坊大将」的なアクション等の見せ方(これ自体はよかった)と、島の文明を滅ぼして封印された怪獣という大層な設定が全然つりあっていないレッドキングとか、相変わらず酷い代物。
 しかし、主人公とピグモンとの交流に、感じ入る物がそれなりにあったのも事実。

機動戦士フリーダムガンダム(機動戦士ガンダムSEED DESTINY) PHASE42「自由と正義と」

 バトル主体で、その点では楽しめるとは思ったら......ここまで外した代物とは

 今回の話がはじまって、いきなり、デスティニーに一方的にやられた上に、腕まで破壊され、あやうく撃破されかけるアカツキ。そりゃあ、前回(前々回)も「二年前の機体でなおかつカガリの操縦でアレだけ強いのは不条理」という問題がありましたけど、作劇意図としては、「父の遺した伝家の宝刀を手にとり、リーダーとしての自覚に認めたカガリが、戦場で活躍」という物だったのに、それをいきなり覆す。
 「初登場時だけは強いが、後はさっぱり」という新ヒーローや新ロボのパターンより酷いよ。
 「ピンチの時に駆けつけるフリーダム」というのだけを考えた代物。ストライクフリーダムを活躍させたいなら、カガリを直接助ける状況にしなくても、ドムのように、カガリとは別方面の助っ人に現れるようにするだけで、こんな破綻はありません。カガリの腕前ではデスティニーに勝てないと言うのなら、そもそもデスティニーに遭遇させず、素直に目的地に直行させればいい。

 ジェットストリームアタック
 三機縦に並んで突撃して、適当に攻撃するだけの、ヘナチョコな代物。
 昔のネタを持ち出してくることはかまいませんが、『THE OORIGINE』版の三次元的に動き回る改良ジェットストリームアタックが作画の手間で無理としても、25年前の元のジェットストリームアタックにも大幅に劣るというのはどういう事で。

 アークエンジェルミネルバ
 これはいつもの事ですけど、相変わらず異常に接近してから攻撃。レーダーや長距離誘導ミサイルがなかった20世紀前半の軍艦同士の戦いでも、交戦距離や射程距離は、最低でもkm単位で離れていたていた物ですが。
 アニメとしての絵的な見栄えの都合というのもあるでしょうけど、ここまで考えなしなのも酷いい。
 それに、このニ艦があんなに近距離で戦っているなら、ミネルバ側は、レジェンドとインパルスにのアークエンジェルを攻撃させればいいのでは?

 補給や整備の必要が例に指摘され、実際にエネルギー切れを起こすデスティニー。あれ?デスティニーは、この世界では「補給も整備もいらない」核動力だったのでは?
 ただ、猪シンの手綱を上手くとるレイの描写は、数少ない、いいところでした。

 ......はっ!

キバヤシ:「俺たちは考え違いをしていたんだ!デスティニーが補給も整備も必要なのは、そうしないとシンが際限なく猪突猛進する事を見越した、議長とレイの配慮だったんだよ!」
MMR一同:「なんだって!!」

 前回から、なぜか、オーブのトップが替わったのでジブリールを差し出すと、ザフトのアピールしないカガリ。相手が聞き入れなくても、その場や後々の大義名分をたたせるために、こういうアピールはするべきはずなのに。
 で、カガリいわく「諦めるな。押し返せば停戦への道も開ける」
 ......やることの順序が逆だよ、カガリ

 アスランラクスの問答。結局アスランラクス派の鉄砲玉の一人に逆戻りしただけにしか見えないのですけど。これで、交渉や指導等の方面もするようになるとかすれば、鉄砲玉に戻ったわけではない......ああ、交渉関係はオーブ所属時、指導はミネルバで体調をしていた時にしていて、さっぱりだぅたすえに、現在の状況なのですから、やはり、このままラクスの鉄砲玉に成り下がるような気がします。
 結局ラクス派の人々、なんとなく「せんそーはんたーい、はいわばんざーい」と思っているだけで、それ以上の物が無いので、キラやアスランにも「反議長のための鉄砲玉」という立場しか与えられない。

 そもそも、議長の「役割云々」って、未だ詳細不明なデスティニープランのことを考えなければ、ごく普通の社会的常識に基づいた物にしか見えないのですけど。
 しかし、この番組の製作者の考える「自由」というのは、アークエンジェルのテロっぷりとか、ハイネの「隊長要らない、戦場では好き勝手に戦うだけだから、役割分担するのは無能なナチュラルのやること」という、「それだと野球やサッカー等のチームスポーツも満足にできないだろう」という珍理論とかから考えると、「神(番組製作者)に認められたものが、子供の思いつきのように好き勝手にふるまえる世界」という、下手な管理社会より、さらに酷いディストピアを想像してしまいます。
 この番組の「自由」の定義からすると、自発的に優れた役割分担や上下関係を構築している『仮面ライダー響鬼』の猛士のみなさんも、「なんてひどい管理組織なんだ」となりかねないなあ。