ヱヴァンゲリヲン新劇場版Ｑ
全４部作の劇場版のうち３作目。初日に観ることができたので、適当に感想を書こうかと。別に初日に観る必要なかったんですけど、「早く見ないとネット上でネタばれが多すぎて大変なことに」というのがあるので。
ネタバレなしで書きますが、先入観なしで観たい人は読まないほうがいいかと。
そもそもエヴァのこれまでの流れを説明すると。（さっさと感想読みたい人は【ここからがＱの感想】まで飛んでください）
最初にテレビ版エヴァがありまして。それまでのロボットアニメと違ってウジウジした主人公と謎だらけの展開が話題を呼んで、しかも最終的にその謎を全然解決せずにぶん投げたところなんやかんやで大成功。
後半で謎を増やしておいてどうなるのかとワクワクさせておきながら「主人公は精神的に救われました！おめでとう！」というオチだったので、かえって「あの謎はこういう意味だったんじゃ」という推測を語る人が多かったんですよね。*1
で、その謎を完結するために劇場版が作られたものの、やっぱり謎はぶん投げっぱなし。それっぽいことを匂わせつつ、世界を崩壊させて、観客を微妙な気分にさせてモヤモヤとしたまま終わりと。
劇場版でも謎が解決せずによくわかんない終わり方だったので、やっぱり話題になりました。時代のせいもあるんでしょうけど、「謎をちりばめて全然解決しない」ってのは話題としては面白いよな、と。
それから数年。なんとエヴァがパチンコに。まさかあのエヴァがパチンコに！？と話題になったのですが、エヴァ初期のころは『宇宙から敵が来る→巨大ロボでやっつける』というウルトラマン的な展開だったのでわかりやすく、あといろんな理由*2で大ブレイク。エヴァ本編を見てないけどリーチアクションなら知ってるという人が増えたみたいです。
というわけでパチンコでお金が入ったので新たに劇場版を作ったのがいわゆる『新劇場版』というわけです。
新劇場版は最初から４部作ということが決まっていた（最初は３部作だったような気もしますけど）上に、旧作（テレビ版＆旧劇場版）のリメイクということで最初は「新作じゃねーのか」とがっかりさせつつも、旧作とはわずかに違ったストーリーだったんです。
新劇シリーズは序・破・Ｑ・？という構成だったのですが、序では『テレビ版と似たようなシナリオだけど終盤が違う』ということで話題になり、破では『新キャラも登場してほぼ新作』という構成でした。
とくに、破の終盤では主人公が「綾波！ 来い！」と叫ぶことで『旧シリーズとは違う、新ストーリーだ』と明確に示していました。それまでは登場する敵や舞台設定に若干の変更点があった*3のですが、基本的にシナリオは変わってなかったんですよ。それが主人公の心情変化でハッキリと示されたと。「前はあんなにうじうじしてたのに、たくましくなったのね……！」みたいな。
……というのがこれまでの流れ。【ここからがＱの感想】
ぶっちゃけ、微妙でした。たとえるなら、「ゲッターロボが映画化したぞ！」とワクワクして見に行ったら真ゲッターロボだった、みたいな。
そもそも、今までのエヴァって謎をちりばめることで話題になってたようなもんなんですよね。なので、今回も謎がいっぱい。
ところが、あまりにもその謎が大きすぎて。全体の１／４ぐらいはポカーンとしちゃいましたよ。「お前らもっとちゃんと説明しろよ！」「世界観全然違うじゃねーか！」みたいな。
あと、自分の中で勝手に３部作と思い込んでたのもイマイチだった理由の一つかと。「謎が多すぎてまたぶん投げるのかなぁ」と思ってたら実は４部作で。
とはいえ、今回の劇場版はちゃんと謎を解決しようという感があったのは評価できます。たとえば「私は３人目だと思うから」みたいな部分とか、初号機の謎とか。旧シリーズではそれっぽいことを匂わすだけだったのですが、今回はちゃんと表現してたのがよかったです。
けれども、未だに謎は多く。エヴァの呪いってなんじゃ？ とか、なんちゃらインパクトって？ とか。そもそも旧シリーズと新劇はどういう関係なのか？ と。旧劇で謎をぶん投げっぱなしだったので、ちゃんと解明されんのかなぁとすごく不安です。
今回は戦闘シーンが少なめでシンジの内面描写がメインだったんですよね。全編が新シナリオだったので眠くなることはなかったのですが、終了条件（そもそも誰を倒せばいいのかが不明）が見えないのが不安。
まとめると、『Ｑだけだとなんとも言えないけど、謎を解決しようとしてる感が見えるし、旧シリーズとは全く違うシナリオだったので次に期待』という感じですね。
あ、重要なこと忘れてました。
加持さんは登場しません。
