10/08/04


実家で飼っていた愛犬ロンが永眠した。17歳。


ロンが最初に我が家にやってきたのは、僕が高校2年生の修学旅行に行く前の日だったと思う。
その頃履いていたブーツよりもぜんぜんちっちゃい、それはそれは可愛くて仕方がない姿だった。
当初は母親が知り合いにロンをレンタルしてもらい、何日かしたら返すつもりだったらしい。
しかしそんな事はできるはずも無く、我が家で飼う事になった。


飼うにあたって、最初父親は反対した。
それまでも我が家では小鳥などは飼ってはいたが、犬を飼うのは初めてという事と、父親は犬がそんなに好きでは無かった様子だった。
それでも僕と母親はどうしてもその愛らしさをあきらめきれないことを父親に伝え、ついに飼う事を承諾してくれた。


それからしばらくはロンに振り回され、楽しく日々を過ごしていた。
しかしすぐに僕は大学で上京する事になり、ロンとべったりの生活は終わった。


その後は年に何回か帰省するたびロンの元気な姿を見るのが楽しみとなった。
しばらくぶりに帰省しても大きくしっぽを振って、派手に身体を揺さぶって出迎えてくれるのは毎回嬉しかった。
若い顔付きと甘ったれな鳴き声から、ロンはいつまでたっても老けない犬だな、と思っていた。
そうはいってももうロンもいい年だからと思い、ここ数年は会うたびに「次会うまで生きてろよ」とロンには伝えていた。


ロンはここ数ヶ月で随分具合が悪くなってしまったようで、前立腺を患っていたと母親に聞いた。
歩くのもやっとだ、と聞いたときは全然想像もつかなかった。
そうはいっても、もうすぐ会いに行く頃にはまた元気な姿を見せてくれるだろうと勝手に思っていた。
それが亡くなる前の何日間かはとても辛そうにしていたのだという。
病院にも通い倒し、できる限りの事をしてくれた両親。
最後の時は実家だったと聞いた。


その日の夜は、飼うのに反対していた父親、一番一緒に散歩をして一番ロンに好かれていた父親がロンと添い寝をしてくれたようだ。


ロン今までありがとう。
すぐにお墓参り行くからね。