電気のコスト

さて、原発は決して安くないことはわかった。また、原発なしでも電力はまかなえて、火力が4000万kW以上もあり、揚水発電も1000万kWもあるので揚水+火力の半分が調整能力だとしても太陽光や風力などの不安定電源も2500万kW程度までいれられそうである。原子力は1800万kW程度だから原発自然エネルギーに置き換え可能だということだ。適宜調整できないという意味では風力も原発も似たようなものである。さてそれが可能なことはわかったがコスト的にはどうなのか。太陽光は49円なんていうコストといわれているが、我が家の場合は20年で考えれば約29円である。30年で考えれば18.4円。それでも高いが揚水発電が50円以上といわれているからピークカット電源としては安い。風力はもともと12円〜16円といわれていて一部では火力並みに安い場合もあるようだ。だから原発をこれらに置き換えてもそんなにコストが上昇するわけではない。ところが、原発は高いからやめようと思っても、作って運転してしまった以上建設費はかかっているし燃料処理費もかかるし廃炉費用もかかる。つまりすでにコストの大半は発生してしまっているので発電をやめたからといってコストは下がらない。よって原発の電気を他で置き換えると置き換えた他の発電方法がコスト的に原発と同等あるいは安くても、置き換えた分だけ燃料や新たな投資分のコストがかかる。つまり電気のコスト上昇を抑えるためには今使える原子炉は全部可能な限り長く動かさなくてはならない。結局それでは電気をとりまく状況はなにも変わらない。原発がなければいろいろ面白そうなのに、電気のコスト上昇を容認しなければ面白そうなところには行けないのだ。世の中電気のコストは重要問題だから、原発の新規設置はなくなっても既存原発は全部動かし続けることになるだろう。つまんないなあ。