「福島事故のCommunication 日・英の状況から考える」

ときどき紹介している原発推進側団体である「エネルギー問題に発言する会」というのが座談会資料を載せてくれているのだが、「最近福島事故のCommunication日・英の状況から考える」というのを載せて、この内容が面白い。講演者は元読売新聞編集委員だそうだから基本的には原発推進派の流れを汲んでいると思うが、内容は非常に推進側に手厳しいものだ。原発事故後、推進派と反原発派の間でお互いを攻撃しあう関係が続いているが、実際には反原発派というのは危険を指摘してくれるという意味で安全対策の面では敵ではない。規制委作りは成功して実効あるものとなっているが、あくまで枠をはめるだけのものだ。本当に実効ある安全対策をするには真の専門家による分析が必要でありそれは原発を作り運転しているメーカーや事業者に他ならない。だから規制委は事業者と話せという主張は見られても、じゃあ実際に推進側の事業者が事故原因について鋭い分析をしたものを見たことがなかった。今回の資料はまあジャーナリストによるものだから専門家によるものではないが、そうはいっても推進側目線でのかなり鋭い指摘がされているように思う。この講演会を推進側団体でやるところに意味がある。こういう議論を推進側内部でおおいに戦わせ、それを世間にも公開すればまさしく専門家の信頼回復に貢献することになるだろう。推進派がやるべきことは内なる敵の撲滅であるべきなのだ。
http://www.engy-sqr.com/lecture/index.html