また若者たたきの記事か…

こんな記事を読んだ。

なんでもかんでも、即答する人が増えていませんか

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1009/09/news012.html

私のとってこの記事は、また自分の周りを見ずに若者をたたいているだけの記事に見える。

先日も都内のジーンズショップに買い物に行った。気に入ったジーンズを見つけ、店員に自分のサイズに合う物がないか聞いた。店員からは即座に「(在庫は)ありません」との言葉が返ってきただけだった。

この店員はすばらしい。在庫を把握しもったいぶらずに、しっかりした対応をしている。一体何が問題だというのだろうか。即答していることが問題なのだろうか。私もこういった状況に出くわすときは多々あるが、結局在庫がないということをわざわざ待たされて言われる。それならば即答の方がずっとすばらしいではないか。

もしくは、態度の問題を指摘しているのだろうか。「ありません」という文章だけでは感情表現が理解できないが、果たしてこの記事で印象づけられているような冷たい態度をとられたのだろうか。私はそうは思わない。おそらくしっかりした対応で「ありません」と答えたに違いがない。

万が一、冷たい態度をとられたとしてもそれはレアケースではないか。私の体験の限りでは最低でも「ちょっと今、切らしています」ぐらいの対応はされてきた。読者の場合に置き換えて考えてみてほしい。もし洋服店で冷たい態度で「ありません」と対応される場合が多々あるならこの記事が正しい。もしそうでなければやはり希な場合をこの記事で指摘してるに過ぎない。

携帯電話の記事についてもあやしい。

モバイル社会研究所」が平成18年に行った調査によると、中高生の8割以上が携帯電話のメールを返信するまで30分以上かかると「遅いと思う」と回答。「10分以上」も中学生で58.6%、高校生で65.6%もいた。

高齢者と若者では携帯の使用頻度が普及率が全く違うにもかかわらず、この調査を用いて若者は「我慢できない」と主張するのはおかしいと思う。

学生の頃、確かに早く返信しないといけない気持ちに駆られたことはある。しかしそういう場合は友人ではなく、知人レベルの人や目上の方に対してである。私を含め、私の周りは友人から来たメールであり急ぎでなければ次の日に学校で直接返事することも多々あった。

高校の時などは終始メールを気にしている人もいたが大学生になり社会人になるにつれて携帯に依存していた人は私の周りではかなり減った。今の年配者が若かりし頃に携帯があればやっぱり依存してる人はたくさんいできていたと思う。要は年齢の問題だ。

そんな年配者は我慢できているのだろうか。

私は大学生時代にコンビニエンスストアでアルバイトをしていた。コンビニと聞くと若者の利用率が多いように聞こえるが、少子高齢化のせいもあって私の職場では50代以上もおおかった。

この類の客層は総じて待てない人種が非常に多かった。レジに客が2、3並んでいるだけで「一体どれくらい待たせるつもりだ」なんて怒鳴られたこともある。梶原しげる氏は若者との接点が多いかもしれないが自分と違う類の同年代との接点はないのだろう。

人間らしいゆっくりとした生活を目指す「スローライフ」の普及活動に取り組む野口智子(58)は、研修先の社員に「野山で自分の好きな葉を見つけて」と指示した。しかし、社員は即座に上司に聞いたり、グループ討議をしたり。「自分で好きな物も選べないのか」と驚いた。

この記事のタイトルは「なんでもかんでも、即答する人が増えていませんか」
である。それにもかかわらず終わりでは即答できていない人が描かれている。"即座に"という言葉に惑わされてしまいそうだがタイトルと矛盾している。

しかもこのすぐ上の段落で書かれているTwitterと関連してるように見せ、原因をTwitterのせいにしている。じっくり考えてみると何も関係ないことがわかる。

今の若者は大変だと思う。「日本人は曖昧で即決できず言葉を濁す」なんて今まで言われてきたのにいざ返事をしようものならすぐに批判される。それは老人でも十分にあり得ることであるのにいつも若者のせいにされる。遠くにいる若者を見るのも良いけれど、まずは自分の周りを確認してほしい。