その21 そして当日!(中編)

当日は朝から降ったりやんだりのぐずついたお天気。
しかしながら前日わざわざ黒猫隊長が手配してくれた宅急便が朝一で我が家に届きました。
真っ赤な雨コートを抱きしめて隊長の心遣いに深く感謝。
ここまでしてもらったらその気持ちに応えないわけにはいきません。


しかし着付け教室はもうキャンセルしてしまった。
自分で着るしかないのです。


歌舞伎は夜の部。
家を出るのは3時と決めて、出発2時間半前の12時30分頃から着付けを始めました。
教則本を広げて曇天で涼しい日だったのに大汗をかきながら悪戦苦闘。
先週の教室を頭に描きながら、1時間半ぐらいかけてなんとか着れた!
帯締めとかきれいじゃないけど、どうにか外を歩けそう。
空を見ると、ちょうど雨のやみ間らしい。
よし!雨コートと折り畳み傘を鞄に詰め込みえいや!と家を飛び出しました。


銀座に着く頃には霧雨がさらさら。
しかし雨コートを着る余裕もなく私が飛び込んだのは、らくやさんでした。
着付け教室の店員さんに、とにかくチェックしていただかなくては不安で不安でしょうがなかったのです。
するとちょうどお教室だった石田節子さんとエレベーターに同乗。
なんと石田先生に着付けをチェックしていただいちゃいました。
なんてラッキー!
「きれいに着てらっしゃるわよ。どこもお直しするところなんてございませんよ」
お世辞かもしれないけど、そう言っていただきやっと一安心。
「少しの雨もだめですよ」と若い店員さんに雨コートの着付けをお手伝い頂き再出発。


遂に遂に着物で歌舞伎座に到着いたしました!(感涙)


行ってみると小雨の中、傘だけで並んでいる着物の方も多数見かけました。
だ、大丈夫なのかな、裾とか濡れちゃうよ!とこちらが心配に。
逆にとてもすてきな雨コートを着こなしてらっしゃる方も数名。
雨用にわざわざ仕立てたコートを着てらっしゃるんですね。贅沢ですよねえ。