晩鮭亭日常

2008-10-12 本から得たものは本に返す。

本から得たものは本に返す。



 このところの寝不足と飲み会続きで、朝8時セットの目覚ましは枕元で倒れており、目覚めればもう10時。


 あわてて洗濯をしたり、シャワーを浴びたりなどしているうちに昼を過ぎる。雑然とした机の上に前回と前々回の外市の売り上げがあり、まだ手をつけていないことを思い出す。「本から得たものは本に返す」を信条(?)としている者としては、やはり一箱古本市に行って本を買わなければなるまいと家を出る。


 たまっていたワイシャツをクリーニング屋に置いてからバス電車を乗り継ぎ一箱古本市が行われている根津千駄木に向かう。今日の携帯本は戸板康二「思い出す顔」(講談社文芸文庫)。先日読んだ矢野誠一戸板康二の歳月」の感化で戸板本が読みたくなったのだ。同じ文庫で「久保田万太郎」も候補に挙げたのだが、あるはずの場所に見当たらなかったため、こちらにする。

 巻末の年譜を担当している犬丸治氏が参照したものとして「日用帳」の藤田さんが作成しているHP戸板康二ダイジェスト」を挙げ、感謝の意を表している。

 この文庫本単行本「思い出す顔」そのものではなく、前半を「回想の戦中戦後」、後半を「思い出す顔」から選んだメモワール選となっている。特に「回想の戦中戦後」は「戸板康二の歳月」でも度々引用されていたためなんだかすでに懐かしいような気分でズンズン読み進む。

 BGMはタル・ファーローの「タル」。ケニー・バレルが夜のギタリストとすれば、タル・ファーローは午後のギタリストだろう。日曜の午後の読書にとてもあう。


 根津の駅で下車して地上に出るとすでに3時近い。出遅れた感を味わいながらオヨヨ書林から始動。こちらで「一箱古本市」のマップをもらい、まずは一番近い宗善寺へ。

 ここは以前に自分が秋の一箱で出店した場所。大家さんも親切だし、雰囲気もいいし、いい場所だ。ここで4冊買う。

 後の2冊は四谷書房さんから。これらが200円平均なのだがら一箱は安いや。


 次に、ライオンズガーデンに向かう。ここに行くのは初めて地図を頼りに人の流れがあるほうに進んでいくとありました。ちょうど向こうから北條さんやノンちゃんがやってくる。やっぱりみんな来てるんですね。

 残念ながらここでは買えず。


 また、ずんずん歩いて光源寺へ。近づくにつれて人が集まっている雰囲気と賑やかな音が聞こえてくる。境内に入ると紙芝居が行われていたり、バイオリンタイガーマスク主題歌が流れていたりしてとてもお祭りらしい盛り上がりだ。


 最後の1冊は塩山さんの箱から。

 その他、旅猫さんのところで立石書店に置いていて唯一残ったという酒袋新書カバー(緑)を購入。ブックカバーの中でこの生地の肌ざわりが一番気に入っている。生産中止はとても残念だ。金子さんと落語の話を少し。

 境内には、工作舎石原さん、ぐーるどさん、コウノさんの姿もあった。やっぱりみなさん好きですねえ。


 せっかく不忍ブックストリートに来たのだから、古書ほうろう往来堂には行っておきたい。まずは、ほうろうへと歩いて行くと、途中で書肆紅屋さんに会う。来ていると思ってました。挨拶をしてまた歩き出すと、目になじんだ赤青黄色の建物が見えたのでつい寄り道を。ここのブックオフに入るのは2度目。偶然、文庫2冊で500円セール中。そうなれば棚を見る目も真剣になる。ちくま文庫絶版2冊でまとめてみる。

 ちくま文庫モーム・コレクションは和田誠画伯の装画がとてもいい。


 それでは、今度こそ古書ほうろうへ。おお、探していたこの2冊があるじゃないか。

 「本が好き、悪口言うのはもっと好き」に続く高島エッセイ集の第2弾と第3弾だ。「本が好き、」は文春文庫に入ったものの、この2冊はそのまま絶版となって文庫化されておらず、前から読みたくて探していたのだ。いそいそとレジへ。

 この店はいつ来ても買いたくなる本がある。本の数も多く、いい本が置いてある。地元にあれば毎日通ってしまうだろうと思う。


 千駄木駅を越えて往来堂へ向かっているとプーサンゴの前で南陀楼さんと火星の庭の前野さんと出会う。一昨日のだいこんの会でも前野さんに以前に行った火星の庭が素晴らしかったことを伝えたかったのだが、話す機会なく果たすことができなかった。ここでも南陀楼さんにあいさつしただけで、面識のない前野さんに声をかけられず。今度、なんとか仙台に行って「女子の古本屋」にサインをもらってくることにしようと思う。


 往来堂へ。ここでこの本を買いたかったのだ。


 往来堂のカバーもセンスがよくてうれしくなる。


 ほぼ、今日の目的を果たしたので帰ることにする。 できれば乱歩やプーサンゴに入ってコーヒーでも飲みたかったのだが、残念ながら両店とも満員で入ることができなかった。今日は縁がなかったんだろう。代わりに金のたいやきを買って食べながら根津駅へ。


 帰りも「思い出す顔」を読みながら。バスでは桂米朝「帯久」を聴いた。


 帰宅後、買ってきた高島俊男「ほめそやしたりクサしたり」を少し読む。軽めのエッセイなのだがやっぱり面白い。BGMは夜なのでケニー・バレル「バンガードの夜」。


 テレビで「情熱大陸」を観る。桂小米朝改め桂米團治襲名の顛末。さっきまで「帯久」を聴いていた米朝師匠の現在の姿が映る。足の怪我をしながらも今でも高座に上がっているんだな。

bukubuku 2008/10/13 01:58 往来堂で「ボン書店の幻」とはまさにベストチョイスですね。
今回はいろいろお話できて楽しかったです。また「外市」がんばりましょう。

vanjacketeivanjacketei 2008/10/13 02:04 北條さんも、「ボン書店の幻」を買われたんですね。僕も単行本を買い逃し、いつかは読んでみたいと思っていましたので楽しみです。
また外市で。

mari777mari777 2008/10/13 10:19 わたしも初めて行った往来堂で『ボン書店の幻』を手にとりました。
迷った末、「ちくま文庫だからよそでも買えるかな」と思って戻したのですが、
そうですかあ、ベストチョイスなら買えばよかったな、ちょっぴり後悔してます。
中公文庫の『説得』があったので買いそうになりましたが、晩鮭さんが来月中野訳が出る、とおっしゃっていたので控えました。

vanjacketeivanjacketei 2008/10/13 20:51 mari777さんも一箱古本市に行かれたんですね。
往来堂書店は西荻の信愛書店や京都の三月書房と同様、町の小さな本屋ですがちゃんと自分の意志で本を選び、並べている好きな店の一つです。好きな店がいつまでも続いてくれるよう行くことがあれば欲しい本を1冊は買うようにしています。
僕も中公文庫の「説得」が出た時迷ったのですが(すでに岩波文庫版を持っているため)、ちくま文庫で出ることを知り、そちらで読むことに決めました。

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