オン・ザ・ダークサイド・ストリート。


 今日も職場まで歩く。寒くもなく、暑くもなく、花粉に悩まされることなく歩ける時期というのはこうしてみると思いのほか少ないことに気づく。


 昼過ぎまで職場で働き、午後から年に一度のお得意さん周りの営業に出かける。


 ここ数年横浜線沿線の同じ場所担当なので道に迷うことはない。駅を出て商店街を街道沿いに歩いて行く。そこにあるのは見本のようなシャッター商店街。日差しは明るいのだが、どこか埃っぽっくて寂しさが付きまとう光景。


 10分ほど歩いてやっと訪問先の建物が見えると目の前にはそこまで続く急な坂が。汗をかきかき、登って1軒目の営業を終える。


 駅まで戻って新横浜へ移動。


 こちらでも1軒お得意さんを訪問。またもや坂の上。横浜は坂の多い場所なのだ。



 汗をふきふき営業トーク。手土産を渡して仕事終了。


 今日はもう職場に戻る必要がない。なので先日初めて行った新横浜のブックオフを覗いてみることにする。前回はあまりいい本がなかった印象なのだが、今日はけっこう買った。

 全部105円。


 新横浜駅前に新しい駅ビルが建ち、その8階に三省堂書店ができたので行ってみる。


 ワンフロアの半分をビックカメラが占め、残り半分が三省堂のスペースだ。何フロアもある大型書店を見なれた目にはちいさな半フロアであるが、壁際以外の棚を低めに抑え、先まで見通せるので広々とした印象を受ける。


 コミックスのコーナーで、最近よい評判を聞くカラスヤサトシ「おのぼり物語」を探すが見当たらず。諦めてエスカレーターを挟んで向こう側にある人文・文芸・文庫・新書のコーナーに移動。コミックス・雑誌のコーナーに比べ極端に人気(ひとけ)のない様子にちょっと心寒くなる。
 ええい、景気づけだ。最近置いている書店の少ない中公叢書をずらっと揃えているのが気に入った。前から気になっていたこれを買ってしまおう。

  • 加藤徹「京劇『政治の国』の俳優群像」(中公叢書)

京劇―「政治の国」の俳優群像 (中公叢書)

京劇―「政治の国」の俳優群像 (中公叢書)

 第24回サントリー学芸賞受賞作品。


 重い鞄を抱えて電車で地元へもどる。駅前のタリーズ・コーヒーでアイスモンブランラテを飲みながら携帯本の戸板康二「思い出す顔」を読む。


 バスでは桂米朝「猫の忠信」を。


 帰宅して、家で今夜から高島俊男「寝言も本のはなし」(大和書房)を読みだす。この本はほとんどが読書エッセイと書評なので、興味深いし読みやすい。特に第二章の「独断書評三十傑」は高島さんの書評が堪能できる。高島さんには「本と中国と日本人と」というとても面白い書評本があるが、それ以外にも毎日新聞の書評欄に書いたものなど本に入っていないものがたくさんあるはず。文庫オリジナルでいいから、未収録書評を集めた本を作ってくれないかな。

寝言も本のはなし

寝言も本のはなし

本と中国と日本人と (ちくま文庫)

本と中国と日本人と (ちくま文庫)