そして探偵はいらなくなった。


 新しい屋内仕事になってこの4月から日曜日に休めるようになった。朝、ゆっくり目覚めることができる幸せ。


 目玉焼きを作り、トーストを焼く。3枚目のトーストを黒く焦がしてしまった。「この世界の片隅に」の片渕須直監督がツイッターによく載せているトーストみたいだなと思う。監督はちょっと焦げているくらいのトーストがお気に入りらしい。スライスチーズとハムをのせればトーストの色も気にはならない。


 食後に朝風呂。湯船で、TBSラジオ荻上チキ session22」から片渕須直監督がゲストの“追悼 高畑勲監督、日本のアニメーションに残した偉大な足跡をたどる”を聞く。

 高畑作品は、「おもひでぽろぽろ」、「平成狸合戦ぽんぽこ」、「ホーホケキョとなりの山田くん」、「かぐや姫の物語」を劇場で観ている。片渕監督が言っているように、高畑監督は一作ごとに手法を変えて新しいことにチャレンジするため、同じ監督作品かと思うほど映像の印象が違う。その違いの一端が、高畑監督自体は絵を描かず、演出に徹しているためでもあることをラジオで知った。話題にあがっているTVアニメーション赤毛のアン」、「アルプスの少女ハイジ」、「母をたずねて三千里」は知ってはいるがほとんどちゃんと観ていない。「じゃりン子チエ」はけっこう観ていたので懐かしい。思わず“hulu”で第1話だけ観てしまう。やはり、中山千夏のチエと西川のりおのテツが素晴らしい。


 時間があるので、昨晩観た三谷幸喜脚本、野村萬斎大泉洋出演の「黒井戸殺し」の反響についてツイッターでチェックする。思った以上に原作を忠実に再現(それは犯人が誰かを多くの人が知っている状態を意味する)しながら、しっかりと見応えのあるドラマとして成立させていた質の高さに感服し、異形のポワロ(勝呂)を成立させた萬斎マジックと現実から突出してしまいそうな勝呂のキャラクターの足を地面にしっかりとつなぎとめるような大泉洋の受けの芝居の見事さに見入ってしまった。原作であるアガサ・クリスティーアクロイド殺し」は中学生の時に読んだ。読む前に「トリック大全集」的な本を読んでしまったために「アクロイド殺し」の犯人が誰かを知っていた。その時も犯人を知らずに読みたかったと思ったが、このドラマも犯人を知らずに観て最後にあっと言ってみたかったと思う。まあ、知っていても充分楽しめたからいいんだけどね。あまり、「ネタバレ」をうるさく言い募る風潮は好きではないけれども、犯人を知って読むのでは探偵はただの狂言回しになってしまいかねないから、ミステリーに関しては注意深くありたいと思う。ついでに言えば、同じく中学生の時に「オリエント急行殺人事件」を読んだ時にも事前に犯人を知っていた。たぶん、今回と同じ気持ちになるだろうが、未見の三谷幸喜野村萬斎コンビのドラマ「オリエント急行殺人事件」を観てみたい。



 その後、持ち帰りの仕事を少ししてから、月に一度の職場で使う布巾のアイロンがけ。ジャズのアナログレコードを掛けながら坦々と30枚近くのシワシワ布巾をアイロンで伸ばして畳む。BGMのレコードは最近到着したデアゴスティーニの「JAZZ LP RECORD COLLECTION」の2枚。

  • THE GIL EVANS ORCHESTRA「OUT OF THE COOL」(impulse)
  • MILES DAVIS「MILESTONES」(COLUMBIA)


Out of the Cool (Reis) (Rstr) (Dig)
マイルストーンズ+3

 このデアゴスティーニのレコードは180gの重量盤なのはいいのだが、ジャケットの紙質が薄くてペラペラなのがちょっと残念。もう少ししっかりした厚みのあるジャケットだったらもっといいのだが。アナログレコードはジャケット込みで音楽なのだと思う。不思議とCDではそんな気にはならない。