塩山芳明/出版業界最底辺日記―エロ漫画編集者「嫌われ者の記」 (ちくま文庫)

話:★★★★☆
 私も劇画から入った工口漫画読書歴はそれなりに長いと自負していますが(歳がばれる)、わかるネタが多いだけに非常に楽しめる内容でした。原稿チェックなどの短い会話からその漫画家の一端を知ることができるのが特に楽しい。良くも悪くもいろいろな物語を日々創作する人たちとの仕事はうらやましく感じます。もちろん、それだけ多くの個性と接する仕事が楽なはずもありませんが。ちなみに、この本で漫画家の刹奈さんが亡くなっていたことを知り、大変ショックでした。なんと1年以上経っているとは・・・。

その2

 WEB巡回していたら、いつもラノベも含めて漫画本発掘の参考にさせていただいているフ○ン☆S○inさんのところで、
> 強誘電性液晶自体は悪くなかったんだけど時代に乗れなかったモノが…
とのこと。まだ20歳台か30歳前半の年齢なら詳しく知らなくても仕方ないかもしれませんが、もう少し液晶に詳しい方かと思っていました(多分技術雑誌や論文を読んだ程度なんでしょうね)。こういう場所にこっそり批判するのも失礼な話ですが。
 私の場合あまり詳しく書くと素性がばれるのでやめますが、時代に乗れなかったなんて言える素性の良いものじゃなかったんですよ。
 SEDについては、確かにコントラストや視角特性の点で理想デバイスに近いものですが、じゃあ高級CRTモニタと同等以上の画質になるかといったら可能性があるだけでまだまだ未知数。1年以上前に上野の博物館の地下で行われていた東芝のプライベートショートでSEDを前にして技術者と高画質化に的を絞ったマニアックな話をさせてもらいましたが、その辺は何もわかっていない様子(もっともその専門家ではなかったのでしょうからSEDを否定する気は皆無ですよ)。ただ、30"で300万円以上するクラスのCRTと比べたらかなり安くかつ同等以上の高画質化の可能性があるデバイスであっても作り手にそのセンスと目がなければ、最先端技術を粋を集めたLCDにすら勝てないでしょうね。今年のCEATECにはいよいよ民生用の1080pで出ますよ〜、すごいのが(試作完了)。SEDの問題点をはじめ、詳しい話が何もできず申し訳ありませんが。ちょっと脱線。もろ仕事情報に関わるのでFPDネタは控えざるを得ないのがツライところ。

刹奈(刹那)

 はまぞうで検索すると、何とまだ未購入なものが結構ありました。(追記) 専用のページに関連情報をまとめました。→ここ
ラブ・ポーション (マンサンコミックス) Colorful love (マンサンコミックス) One Love (マンサンコミックス) 星屑桜 プラザCOMIX 恋のチカラ プラザCOMIX
ただ、所有する本はそれなりにあって、久しぶりに書棚を掘り返して読み直すと、

限界LOVE (富士美コミックス)

限界LOVE (富士美コミックス)

「限界LOVE/初版:2000年12月発行、富士美出版
絵:★★★☆☆、話:★★★☆☆、工口:★★☆☆☆
 初購入単行本でした。2作目だそうですが。このブログでの最初の漫画評価なのでとりあえず絵は平均点としましたが、結構好きなのです。女性作家のためか、やたら「好き」の言葉が多いのが気になるものの、愛がいっぱいのお話は大好きです。
Lovely eyes (富士美コミックス)

Lovely eyes (富士美コミックス)

「Lovely eyes/初版:2001年9月発行、富士美出版
絵:★★☆☆☆、話:★★★☆☆、工口:★★☆☆☆
 一作だけ初期の頃の作品が載っています。結構絵柄違ってますね〜。とりあえず手軽に読める作品が多いのは良いのですが、もっと気合の入ったストーリーもみせてほしい気がしました。
ラブロマンス (マンサンコミックス)

ラブロマンス (マンサンコミックス)

ラブロマンス/初版:2003年1月発行、実業之日本社
絵:★★★☆☆、話:★★★★☆、工口:★★★☆☆
 好きなストーリーの多い本となりました。冒頭の連作も2話構成としては谷と山が明確にあって非常によかったです。(同人誌で共作されているMUGIさんによるネームだそうですが。カバー裏に作者記載)ただ、収録作品の発表時期に幅があり絵柄の違いが大きく、ちょっと統一感がない本になっていました。デビュー当時の作品から絵柄は変わっていないほうだと思っていたのですがこうして比較すると違いは大きいです。
ラブ・マニュアル (富士美コミックス)

ラブ・マニュアル (富士美コミックス)

「ラブ・マニュアル/初版:2003年8月発行、富士美出版
絵:★★★☆☆、話:★★★☆☆、工口:★★☆☆☆
ときめきをキミに (プラザCOMIX)

ときめきをキミに (プラザCOMIX)

絵:★★★☆☆、話:★★★☆☆、工口:★★★☆☆
もう、できません (いずみコミックス)

もう、できません (いずみコミックス)

「もう、できません/初版:2005年10月発行、一水社/漫画屋」
絵:★★★☆☆、話:★★★☆☆、工口:★★★☆☆
 若干陵辱系の内容になっており、ラブ話が好きな作者と思っていただけに結構印象に残る本となりました。※塩山氏に無理矢理描かされたのかもしれませんが、作品の幅が広がったのは確か。結果として、生前に発行された最後の本となりましたが、これからまだまだ成長する可能性があった作家だっただけに本当に残念です。未購入の本も目にしたら是非手に入れたいと思います。