美奈川護:著者、望月朔(さく):イラスト/ヴァンダル画廊街の奇跡

ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)

ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)

  • 感想:読了日03/02

ゴッホの「ひまわり」が規制対象になるプロパガンダ撤廃令が施行されている世界。図書館戦争という作品同様に、こんな馬鹿すぎる設定はないわと感じてたが、考えてみたら某国の首都で扇情的すぎるという数名の意見を基準にして事実上国中の出版規制をかけてる条例があったことを読後になって思い出した。今度多少のリアリティを感じながら読み直してみたい。作品自体、美術館に侵入する怪盗モノっぽいテイストを入れてる割に華がない。また転写眼というキーワードは気に入ったけど、それを実際に大きく描き写す能力はまた別だと思うんだが…。その辺も少し説得力が弱い。もっと悲惨な空気にして、過去の文化を愛している国ですらひっくり返すような強い力の存在が描き切れてない。恒久的平和という世界政府の目的とこの撤廃令がやはり飛躍しすぎてる関係にあると思う。ラノベだから、あまり思想や政治臭を出さないようにした可能性もあるけど、こういう世界が実際に存在したらどうなるかをもっときちんと描いていたら評価はもっと高くなったはず。総評4

峰守ひろかず:著者、京極しん:イラスト/ほうかご百物語(7)

  • 感想:読了日02/23

相変わらず軽妙で楽しい話だったが学校の怪談が出てくるとさすがに妖怪出尽くしたかという気もする。ラスボスがあれなのは納得としてそこまでのつなぎとなるラス前ボス次第ではまだまだ盛り上がると思うが…。総評4

高遠豹介:著者、プリンプリン:イラスト/ぷれいぶっ!

ぷれいぶっ! (電撃文庫)

ぷれいぶっ! (電撃文庫)

  • 感想:読了日02/22

この作者の文章センスはかなり好き。狙って書かれたネタが素直に楽しめる。登場キャラクタもよく動いてる。続編も書いて欲しい。総評5

海堂崇(たかし):著者、CH@R:イラスト/りーち☆えんげーじ! -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部-

りーち☆えんげーじ! -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部- (GA文庫)

りーち☆えんげーじ! -子孫繁栄! 国立栄華学園中等部- (GA文庫)

  • 感想:読了日02/18

デビュー作でこれだけファンサービスできればある意味、立派。おもしろかったです。総評5

綾里けいし:著者、kona:イラスト/B.A.D.(1) 繭墨は今日もチョコレートを食べる

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)

B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)

  • 感想:読了日02/17

総評5。静香からの狂気の愛がもっと激しく描けてたら満足できたはず。それでも終わり方は次巻を楽しみにさせてくれて好感。新人としては注目に値し、まだまだ期待してもよさそう。

川原礫:著者、:イラスト/アクセル・ワールド(4) ―蒼空への飛翔―

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

アクセル・ワールド〈4〉蒼空への飛翔 (電撃文庫)

  • 感想:読了日02/12

前回一方的で理不尽に大切なものを奪われるだけの展開で終わった作品だが、最後まで読むと存外オーソドックスな展開。わかりやすい伏線をそのままたどるのか、これから更におもしろくできるのか真価が問われる気がする。作者に描く力があることはわかる。総評4

支倉凍砂:著者、文倉十:イラスト/狼と香辛料(14)

狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈14〉 (電撃文庫)

  • 感想:読了日02/09

あとがきまで読んで、いつか来る最終巻のエンディングをフライングで想像して目頭が熱くなった。それほどにロレンスとホロの存在が大きくなってることを思い知らされる。前巻でも感じたことだがロレンスの成長はめざましく作中のル・ロワの感嘆の言葉はそのまま私の言葉でもあった。ホロと出逢ったからこそ始まった物語ではあるがロレンスがいたからこそここまでの作品に成長したと感じた。総評5

庵田定夏:著者、白身魚:イラスト/ココロコネクト ヒトランダム

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)

  • 感想:読了日02/07

語る価値もないが非常に気分の悪くなる作り話。気持ちを入れて読まずに表面的なラノベ的な部分だけで楽しめる人向け。間違っても懸命に生きようとした友を失った人が読む本じゃない。死を単なる演出の道具に使って揺さぶりを掛ける以外何の仕掛けも無いお話。買い置き分は読むがファミ通文庫は合わない。総評0

六塚光:著者、CH@R:イラスト/Le;0(2) ―灰とリヴァイアサン―

Le;O-灰とリヴァイアサン- (2) (一迅社文庫 む 1-3)

Le;O-灰とリヴァイアサン- (2) (一迅社文庫 む 1-3)

  • 感想:読了日02/04

ヴァンパイアと海獣と人が入り乱れた戦いにそれなりに戦略性があって楽しめたと思う。ふと思い出した突っ込み所はサジッタの力。1キロ先から姫乃にも気づかない超高速で矢を放ち百発百中にコントロールできるテレキネシスが1キロの石ころも持ち上げられないっておかしくね。総評4

大橋英高:著者、草凪とんぼ:イラスト/U.F.O. 未確認飛行おっぱい

U.F.O. 未確認飛行おっぱい (ファミ通文庫)

U.F.O. 未確認飛行おっぱい (ファミ通文庫)

  • 感想:読了日02/03

おっぱいを揉んだ時の描写がこのザマでは、どこがおっぱい星人だと突っ込み入れたくなる。いやそらもう羨ましいお話でしたがまだまだ愛が足りないね。イラストの方も乳神様を描いたにしては残念。総評4

三原みつき:著者、相音うしお(こもねうしお):イラスト/ごくペン!(2)

  • 感想:読了日02/02

ギャグすぎる存在のベスがまともなセリフを吐いてもやはり心に響かない。おバカ小説の難しいところ。凛子のキャラがなかなか立たないねぇ。総評3

全部アップすることに

 またしばらく更新できない状況だし、少しでも記憶に残っているうちに読み終わったラノベ感想を放出。ちなみに短い感想は読書メーターそのまま。少し長めのが今日思い出しながら書いた感想です。一応これが昨日までに読み終わった全作品だと思うのですが…。

 実際かなり読むペースが落ちました。正確に数えてませんけど、以前は1,2日で1冊が2,3日で1冊ペースになってるんじゃないかと。理由は単純で電車に乗っている時間が減ったため。今年に入って、あまりに体力が落ちてるのを実感したため、先月から帰宅時に更に歩く距離を延ばしています(それでも1万5千歩くらい?)。会社を出る時点で本屋に行けないのは確定してるし急いで帰る必要がなくなったのも理由ですが。それでも通勤電車での時間を過ごすのにラノベは最適なため当分続きそうです。
 一方でエロマンガの作品感想数はなかなか回復しそうにないです。実際買う量も減ってます(正確には少し買わない本が増えたという程度ですが)。理由は内容とは無関係で、買いに行く時間がなくなり、読む時間がある時に新刊がないため。とにかく当分月末に日本でゆっくりできる予定がないためストレス溜まります。自宅にいる時間が減ってるので正直どうしようもないし。歳を重ね立場も上がればこういう状況になるのが自然なんでしょうけど、寂しい話です。もっともエネルギー充填のために読むのをやめることは考えられませんが。

黒岩瑪瑙/ミルキーウェイ MILKY WAY

(成)MILKY WAY (ホットミルクコミックス)

(成)MILKY WAY (ホットミルクコミックス)

絵柄&魅力:★★★★☆、設定&話:★★★★☆、愛&エロス:★★★★☆、総評&次巻期待度:★★★★

  • 感想:読了日03/13

 半むけ、ショタちんこ、年上美人、肋骨、… とデビュー作以来嗜好にブレがなく安定した作風。ただ残念なことにショタが好物ではない私には迫力不足要因でもある。個人的には「はいぱーDUEL」路線でくノ一エロスを1冊まとめて読みたいんですよね。最近忍者モノって少なくて。切れ長の目が美しいクールビューティはくノ一姿がよく似合うし、黒岩氏の作風を残すならショタ忍者出てもいいし、少し嗜好が狭まるので別の出版社から声が掛かったときにでも是非ご検討をw
 

斉藤真也:著者、フミオ:イラスト/オトコを見せてよ倉田くん!2

オトコを見せてよ倉田くん 2 (MF文庫J)

オトコを見せてよ倉田くん 2 (MF文庫J)

  • 感想:読了日03/13

背表紙の内容紹介に毎回書かれるほど主人公の倉田くんがダメ人間には思えないんですが、それって自分と同類だから?(w 年上のお姉さんが好きなことに理不尽な圧力を感じつつ本編。
実はこの直後に「ピーチガーデン」という作品を読んでて、そろそろ読み終わりそうなんですが、この作品の感想を書いてるはずが気づいたらそっちの内容になってたのはナイショです。そもそも猫又と犬神の一族が登場した次が兎と亀というのは少々予想外であるため、作品を読んだ直後だから憶えているけど、記憶の中で繋がりが悪いんです。そこに不幸にも、兎さんが監視役みたいなことをする類似設定を持った作品が同レーベルで進行しているため早くも混乱しています。設定だけの比較では既に不利な状況になってるだけに、どういう魅力を見せていくかがこの作品にとっての生命線になりそうです。単に今回のように新キャラを増やすだけでは弱いですが、一応次回の帯の惹き句は「四股*1はじめました」にして、相撲好き少女を登場させるとか...(適当すぎ)。魅力は感じてるので総評4

*1:「しこ」じゃなく「よつまた」

松智洋:著者、なかじまゆか/パパのいうことを聞きなさい!2

パパのいうことを聞きなさい!  2 (スーパーダッシュ文庫)

パパのいうことを聞きなさい! 2 (スーパーダッシュ文庫)

  • 感想:読了日03/13

大学の単位をギリギリ取ってたりするダメっぷりがこの主人公の行動に一貫性を感じませんが、現実はこんなもんなんでしょうかね。お金を節約しないといけないとか自立をしないといけないと本心から思ってても勉強となると急に別モノのようにサボるというのは。こういうだらしない印象がつきまとうと女の子3人を養っていこうとする姿勢に何か別の考えがあると感じてしまうわけで、小説の中でもまさにそういう勘ぐりをする人たちで溢れています。その辺をどう見せてくれるのかが作者に期待している点でしょうか。空ちゃんの病気が悪化した時に見せた必死の行動は確かに一定の信頼性を得るものではあるけど、頻繁に起こるエピソードでもなく、そもそも自分視点でしか相手を見ないことがこういう事態にした原因でにあるので手放しには褒められません。もちろん真面目な子育て奮闘記を期待している読者がいるわけもなく、その辺の手心の加え具合が更に人気が出るかどうかのポイントになる気がします。キャラクタはなかじまゆかさんの絵の魅力も加わって心配することはありませんが、単に美少女3人と同居しオタク要素も入れつつデレてしまうよりも、新しい形で家族としての幸せを見つける物語に進展するほうを個人的には望んでます。可愛い子を自分のものにするばかりが幸せじゃないと思うし、そういうのは読み飽きたので。総評4

鳥生浩司:著者、結城焔:イラスト/双心のサヤ2 ―刀姫恋心!―

双心のサヤ2-刀姫恋心!- (HJ文庫)

双心のサヤ2-刀姫恋心!- (HJ文庫)

  • 感想:読了日03/12

 仕事の疲れがピークに達していたため少しウトウトしながら読んでしまったのでいつか再読できたらと思います。設定を正確に伝えるのは簡易感想では無理なので省略。実際猛烈な睡魔と戦いながら*1読んでると、誰が誰なのか一時混乱していました。時間跳躍する能力で魂だけ入れ替わったりするので。ある程度登場人物が出揃ってから一気読みした方が良い評価になるかも。ラノベは挿絵があるとはいえ、シリーズものの2巻以降を読み始める時、基本、登場人物の名前だけで思い出さないといけないのですが、このシリーズはヒロインがみんな似てるところがあるから特に混乱しやすいです。総評3

*1:乗り換え駅は小さく大声量のアナウンスがないため、寝てしまうと確実に乗り過ごしてしまうため、寝られない状況

岩波零(りょう):著者、異識(いしき):イラスト/ゴミ箱から失礼いたします2

ゴミ箱から失礼いたします 2 (MF文庫J)

ゴミ箱から失礼いたします 2 (MF文庫J)

  • 感想:読了日03/10

このシリーズはかなりお気に入り。絵がいいですよね。イラストだけの話ではなく、常にゴミ箱に入った主人公の萌太の絵面が楽しい。なんともいえない味わいがあります。萌太はゴミ箱に入ってないと自分自身がゴミ箱に変化する妖怪になってしまったためこんな事態になってるわけですが、普段は氷柱という女の子に首輪をつけられ引っ張られてたりして、かなりひどい扱い。そんな状況を萌太はそれなりにダメージは受けながらも意外にポジティブに考えてるところが読んでて気持ちがいいんです。いろいろ残念な感じも笑いを誘うし。
さて、この2巻では何故妖怪になってしまったのかがはっきりして一応この作品世界の基盤が明らかになりました。同時に今後の物語に関わってくる大勢の妖怪候補に誕生したようです。妖怪と言ってもいわゆる水木しげる系妖怪じゃなく基本岩波氏のオリジナルなので何が飛び出すかは予測不可能。まだまだ若い作者ですから作風もこれから変わっていくと思いますが、この作品で魅せている味わいは今後も大切にして欲しいですね。総評5

サクラダリセット2 WITCH, PICTURE and RED EYE GIRL

  • 感想:読了日03/05

大・満・足で元気でたっ! 何でもありのような世界で僅かな可能性をたぐり寄せる緊張感がある。総評5。にしてもパピコ事件w 作家自身もおもしろい。

志村一矢:著者、ぎん太:イラスト/竜と勇者(あいつ)と可愛げのない私

竜と勇者と可愛げのない私 (電撃文庫)

竜と勇者と可愛げのない私 (電撃文庫)

  • 感想:読了日03/03

志村氏の作品はこれが初。ストーリーがアンジュの視点で淡々語られていく手法はどうだったんでしょうか。おもしろい試みとは思いますが成功しているとも思えない微妙なところ。今後、続編を読み進めるうちにクセになるかもしれませんけど。作品は嫌いじゃないです。王道勇者モノをベースにしながら、新しい勇者や魔法使い像を描こうとしている点は好感持ってます。別に過去に見たことがない魔王の力や魔法などの新設定が欲しいわけじゃないですからね。それでも奇をてらうほどの新味な設定を導入しない作品をプロット段階でGoするにはかなり作家に信頼がないとできないでしょうし、他の既刊作品にも興味が湧いてきました。総評4

田名部宗司:著者、椋本夏夜(くらもとかや):イラスト/幕末魔法士―Mage Revolution―

幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)

幕末魔法士―Mage Revolution (電撃文庫)

  • 感想:読了日02/07

今また坂本龍馬ブームが起こってるらしい。この作品には失本冬馬(しもととうま)という赤眼の志士が登場するが…、無関係です。まあ幕末モノに彼を連想させる名前を登場させたくなるのは仕方なしか。大賞受賞に相応しく堅実な仕上がりだったとそれなりに評価してます。主役の久世伊織の設定はおもしろく、今頃これを活かしたバカエロ同人が作られてるんじゃないかと妄想してみたり…。伊織:「そ、そこじゃない」冬馬:「もう見えてるほうでいいや」。すみません、読んでない方には全くわからないですね。ちなみに、こちらは長州の大村益次郎がモデルだそうです。
さて、クライマックスの戦いは読み応えあったというか予想を超えてました。元々電撃小説大賞の応募作なんだからこの作品単体で限界まで盛り上げるのはむしろ当然なんでしょうけど、続編*1でのパワーアップは大変そうです。総評5

*1:恐らく出るでしょう