偉大なるゲームデザイナーMark Rosewaterはこうおっしゃられた。
「ゲームを楽しむことによって,戦略的にも優位に立てるようにデザインせよ」
ゲームのルールとは,プレイヤーに対するデザイナーからの「約束」とも言える。デザイナーは「このような選択肢の範囲内で,ルールに従って行動し,勝利を目指せば,たとえ負けたとしても楽しい体験ができます」という提案をしているのだ。
それゆえ,その約束を守ったのに楽しい体験が得られなかったとなれば,プレイヤーが怒るのは当然と言えるだろう。
もちろんプレイヤーは,デザイナーが意図しないところに「楽しさ」を見出すこともある。それでも,デザイナーはきちんと「楽しさ」をデザインし,それが勝利への道と合致するようにしなくてはならないのだ。
trpgのデザインにも当てはまる。ゲーム的に有利な行動が楽しくなくてはならない。
trpgは複雑なゲームなので、下記3つのパターンが考えられる。
- ゲーム的に有利で、かつ楽しいこと
- ゲーム的に有利だが、楽しくないこと
- ゲーム的に有利でないが、楽しいこと
だ。
このうち、
- ゲーム的に有利で、かつ楽しいこと
は何も問題は無い。
- ゲーム的に有利でないが、楽しいこと
これも、実は問題無い。RPの楽しみの多くはここにある。これを否定してはいけない。「それはゲーム的に意味ないからしなくてもいいよ」という親切なアドバイスは実は害悪なのだ。そんなことは解っている。
- ゲーム的に有利だが、楽しくないこと
ゲームデザインの上で解決するべきことは、これを減らすことなのだ。