【Vo.カンベ】明けない夜が来る前に


Photo:Takuya Tomiyoshi


ひとり暮らしをしていると 食事がいい加減になりがちで

いつ 何を どこで食べたのかもすぐ忘れるほど

おざなりな生活と自分とに 妙な焦燥感を覚えてしまう

きっと 「生きることに対してもいい加減だからだ」 と

頭の後ろの方から聞こえてくる 誰かの声のせいだろう


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これまでずっと「4人のTHE VESPERS」として 曲を作ってきたから

3人で表現できる音楽を模索していく上でも

僕個人の表現を突き詰めていく上でも

新しい歌を たくさん書こうと思っている


ただ 「自分が創りたいもの」と「人に好かれるもの」は

あんまり一致しないことが多くって 線引きが とても難しい

たとえば『カラシナイロ』なんかは メンバーも僕もお気に入りだったけれど

あまりの不評に セットリストから外すことになった訳で


そもそも もっと大きな範囲での話をすれば

「記憶に残り、利益を生む」曲を創っていかない限り

バンドマンが生き残っていく術は ない


僕は ただの人間だ

「憧憬の対象になるべきバンド」と言われた時は 心底嬉しかったけれど

25年程度しか生きていないやつに 一体何が言えるだろう

感情を揺さぶる言葉 思考を促す言葉 イーティーシー イー ティー シー

そんなに「イイこと」 言わないと駄目かな

まあ 言えないと 未来はないだろな


ただずっと 「唯一無二」を探している

僕にとってどうしようもなくそれだった 素晴らしい音楽たちのような

自分が自分でなければいけない理由 自分が歌わなければいけない理由

そして THE VESPERSの音楽に耳を傾けて 笑ったり 哭いたりしながら

生きる人たちのいる 風景を


遺せるまで あがいてみないとね

たった一つでもいいから 深い深い 爪痕を

明けない夜が 来る前にさ



【ライブのこと】
◎2011/10/07 FRI.(きょう)
 ラックラスターみやぎpresents『良曲の集い vol.9』
 烏丸今出川 京都バックビート
 OPEN.18:30 / START.19:00
 Ticket.1,000yen(1drink 500yen別)
 with
 宮城裕次(ラックラスター) / 亀谷佳佑(飴色) / 田淵直孝
※カンベジウン ソロでの出演です。

出演者は全てTHE VESPERSと縁の深い人たち。これまで何度もステージを共にしています。
仲のいいバンドマンというのは馴れ合いではなく、惹かれ合うものがあるゆえだと思う。
だからイベントタイトルを見ても分かる通り、単なる内輪のライブでは、ないですよ。
出番は当日じゃんけんで決めるらしいです。そういうのは初めてだから、面白いな。
誰が頭で誰がトリでも、きっといい夜になるはず(※ちなみに僕はじゃんけんがものすごく弱い)。
このライブを機にしばらく弾き語りはお休みするつもりなので、よければ是非来てください。

ではまた、ステージで待っています。