放射線治療と抗癌剤治療開始

あまり眠っていないのに、朝の5時過ぎに目が覚めた。
点滴はまだ落ち続けている...


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早朝の病室で、こっそり珈琲 (インスタントだけれど)...



午前6時頃、傷口 (喉の穴) の清掃に来てくれた。
それからしばらくして、今回の入院では初めての検温と血圧チェック。
どちらも問題の無い値だったみたい。

7時半くらいに点滴バッグ交換。
やはりまだ抗癌剤ではなく、腎臓の保護が目的のヤツ。
前のバッグの開始は、昨夜の9時頃だったから、1本終了するのに約10時間。
ほぼ予想通りってコトは、この新しいのが終わるのは、今日の午後5時過ぎ。
で、それから抗癌剤治療を始めるんだろうか。
夕方には放射線治療もあるし、それとかち合ったりってコトは...
まぁ、何時から始められても、延泊にさえならなければ、文句は無いけど...

点滴バッグの交換が終わった頃、朝ごはんが運ばれて来た。
今朝は ข้าวต้ม (カオトム / お粥)
豚肉の塊 (リブ) と椎茸の入った、やたらと油っぽいヤツ。
見た目の割に、味は悪く無いのだけれど、油がきつくて、ほんの数口でギブアップ。
付いて来た箱入りのミルクも、薄くて美味しくないし...

で、代わりに、カオパットプー (カニチャーハン) とサラダでお腹を満たす。
これは、どうせ病院のごはんは食べられないだろうと、病院の敷地内に在る店から、
直前に買って来てくれたもの。
食後は言われた通りたっぷりの水、そして温かい珈琲。
これでようやく 人間らしい気分になれた...



8時頃に朝の回診がある。
来たのは若い女医さんと、研修医っぽいオカマさんのコンビ。
回診って言うより、とりあえず顔を見に来たよ〜... みたいな感じ。
でも、雰囲気としては、何処かのお店のチーママが、妹分のオカマさんを引き連れ、
朝から病室の挨拶回りをしているみたいで、なんか可笑しかった。
妙にタイっぽい光景だなぁ... と。



朝ごはんと回診が済んだら、Tan は一旦帰宅。
まずはにゃんズのお世話をして、それから昨夜浴びられなかったシャワーを。
ちょっと休憩したら、イミグレまで行って滞在延長手続き。
買い物その他の用事を済ませて、放射線治療の始まる夕方前には、戻って来る予定。
放射線治療も、何度か済んで慣れて来たら、別に一人でも大丈夫だろうと思うけど、
初日だけは一緒に居てもらわないと、いろいろ困りそうだから...
Tan にはおんぶにだっこで、すごく忙しい思いをさせてしまっている。
でも、今は自分がこんな状態だから、ありがとうとしか言えない。
いつか恩返し出来るくらいには、元気になれるかな。
なれたらいいな...



Tan が居ない間に、朝食についての調査 (?) が来た。
朝は何をどのくらい食べたのかって聞かれたので、病院のご飯は口に合わなかった、
なので、買って来たカオパットプーとサラダを食べたと、正直に答えておいた。



11時半頃に昼ごはんが来た。
五穀米っぽいご飯。
メインはหมูผัดพริกขขิง (ムーパットプリックキン / 豚肉と長豆のナムプリック炒め)。
春雨入り肉団子のスープと名前の判らないデザート、それとゆで卵が1個。
配膳用のカードには、タイ語で “ธรรมดา (タマダー / 普通)” って書いてあったから、
普通食とか標準食とか呼ばれている食事だと思う。
で、病院食だから、どうせ薄味なんだろうと、なめてかかったら...
パットプリックキンがマジで辛いのにビックリ、味の濃さも街の普通の食堂並。
但し、辛くて味が濃いのと美味しいのとは別の話で、他の2品同様残念な味だった。
朝と同じように、数口でギブアップ。

12時半頃には、早くもおやつが届いた。
油のキツそうな揚げパンと粉末の MILO。
お腹は空いているけれど、ちょっと食べる気にはなれない...
付き添いが戻って来る時に、家から何か持ってくるか、買って来るかする筈なので、
それを待つ事にする…

Tan が帰りに牛麺 (我が家での呼び名) を買って来てくれた。
いつもの店が休みで、他所で買った物だけれど、よく似た味でけっこう美味しい。
ただ、追加の調味料を入れない状態でも、かなり辛くて...
ずっと辛いものを食べていないから、舌がそういう味を忘れているみたい。
そっちの方も、しっかりリハビリしないと。

牛麺食べて、ちょっとだけコーラも飲んで、満腹だし、かなり満足。
後はお約束の水もたっぷり飲まないと...

あ、イミグレの方は、無事に7月中旬まで、90日間の滞在延長許可が下りたらしい。
もし下りなかったら、今頃大騒ぎになってただろうけど、これでひと安心...



牛麺を食べ終わった頃に、検温と昼食チェック。
病院のご飯は、ムーパットプリックキンと、ご飯を少しだけ食べた。
その後、外で買って来た牛麺を完食したと答えておく。
これって治療によって、食欲不振になったか否かを調べる為なんだろうな。
こっちは食事が不味いから、治療が始まる前に、既に食欲不振になってるけど...



16時頃、予定より早く、点滴2本目が終了。
まだちょっと (1時間分くらい?) 残っていたけれど、放射線科へ行く車が来たので、
これで終了にしたみたい。
終了のお祝いは、何だか判らない注射が2本。
もらっても全然嬉しくないけど、血栓防止とかだろうな、きっと...

注射が済んだら1階へ降り、病院の車で放射線科へ。
車を降りたら、 車椅子を使うかと聞かれたけれど、歩くのもリハビリだと断って、
徒歩で放射線科の在る地階へ下りる。

放射線科の待合室は治療待ちの人でいっぱい、その後からも次々と…
でも、大して待たされず、すぐに名前を呼ばれて、1回目の放射線治療が始まった。
体勢は少し苦しいけれど、特に何処かが熱いとか痛いとか、そういう事は一切無く、
こんなもんなのか… って感じだった
1回目は手加減してちょっと安心させておいて、次から本気出す仕様... なのかも。
ってのは、怖いからやめて欲しいところ...

放射線治療が終わって、持ち帰るカルテを待っていたら、今朝の回診コンビが登場。
オカマさんの方は朝と同じ、研修医の制服のまま。
でも、チーママの方は夕方っぽい装いで、足元は黒いエナメルのピンヒール。
メイクだって、医者としての業務に差し支え無い範囲でビシッと決めてる。
仕事はキッチリこなし患者さんへの応対は親切丁寧、もちろん素敵な笑顔も一緒に。
この若い女医さんは、男女を問わず受けがいいみたい。
主治医ではないので腕の方は不明だけれど...



放射線科から病棟まで、リハビリを兼ねて歩く。
リハビリは口実で、実は途中に在るベーカリーやコンビニにも寄りたかったから...
店に入るのも、商品を選ぶのも、レジで支払いをするのも、本当に久しぶり。
商品の目新しさは全く無かったけれど、懐かしさはいっぱいだった。
病院のごはんが食べられなかった時の為に、ベーカリーでクロワッサンとクッキー、
7-11で、エビ餃子とピザソースのホットドッグ、りんごジュースその他を購入。

17時少し過ぎに病室に戻ると、すでに晩ごはんが来ていた
昼と同じ五穀米みたいなご飯。

メインは แกงเขียวหวานไก่ (ゲーンキョウワーンガイ / 鶏肉のグリーンカレー)。
野菜炒めと大豆のデザート、それにゆで卵が1個と箱入りのミックスジュース。
グリーンカレーと野菜炒めはまあまあ、豆はちょっと固すぎって感じ。
少しは手を付けたけれど、完食とか絶対無理。

もちろん足りないので
7-11で買って来たエビ餃子とピザソースのホットドッグを食べる。
ついでにアップルジュースとたっぷりの水、それから温かい珈琲。
さすがに満腹...



18時頃、抗癌剤治療前の検温と血圧チェック
平熱 (36.2) で、血圧が 129 / 80 と、問題の無い値。

18時半に、眠剤と吐き気止めの点滴が来た。
眠剤は、抗癌剤の副作用緩和が目的らしい
どうやら、治療中は気持ち悪くなるから、その前に寝てしまえってコトらしい。
吐き気止めの点滴は、500ml を 30min で。

19時、吐き気止めの点滴が終わったら、いよいよ抗癌剤治療の開始。
550ml (cisplatin : CDDP) / 4h

治療途中で、気分は悪くないか? 吐き気はするか? 手足の痺れはないか? とか、
いろいろ聞かれたような記憶はある。
でも、そういった予想される副作用は、その時点では一切無かった。
期待を裏切る病人で申し訳ありません...


23時半頃に、 抗癌剤1本目が終了。
続いて利尿用の点滴... だったはず。
眠剤が効いていたのか、寝たり起きたりの繰り返しで、記憶はかなり断片的。
でも、大きく違っているようなコトは無い... と思う。


ブログ その67