UBS レポート 2008・10.31

UBSの“米国大統領選挙とその経済・投資に与える影響”に関する10月31日付けの調査レポートを入手しました。
いくつかのポイントを要約しますと次のとおり;


? “マケインが当選する可能性は全く無くなった訳ではないが”と前置きして、帰趨を決する12ないし13のswing statesでかなりはっきりリードを示しているオバマが勝利する可能性が大きい。


? 過去の統計から推測すると、政党が変わった場合、投資家はその不確実さを嫌う傾向があることから、その最初の年2009年の株式市場は期待できない。波乱含みの年になりそう。市場の本格的回復は2年後になる。


? オバマが当選した場合、富裕層への増税、中間層への減税、キャピタルゲイン・配当税を15%から20%へ増加させる。当面以上の様な税制改革、エネルギー政策、金融業界への規制強化へと動きがある。医療改革は当面の金融・市場の混乱から当分見合わせ。


? 2009年は米国のみでなく、ヨーロッパ、日本を含む全世界的な不況になる。新興市場もその成長率が減少するが、中国・インド・インドネシアのような比較的大きな経済規模を有する国は、この不況をしのげる可能性が大きい。


? 長期投資の観点から言うと、株式投資は魅力的である。米国・ユーロ諸国など先進国が有望、但し日本・英国は?


? 日本はサブプライム問題の直接の影響は相対的に少ないが、間接的な悪影響は大きい。2009年はゼロ成長を見込む。 


? オバマが当選した場合、エネルギー関連ではRenewable Energy、ヘルスケアー関連ではHospitals, Nursing Home, Clinical Labs, Life Scienceが有望.


? 対ドルの為替では、Euroは当分1.30あたり、円は今が底、12ケ月後には110になる。

副大統領候補のディベート

最近は米国金融業界の混乱や、ペイリン効果の反転などで、マケインよりもオバマのほうが有利になっているようです。民主党寄りで、大統領選も含め時事ダイジェストが見られるブロッグにHuffintonPost,http://www.huffingtonpost.com/があります。 


そこで今米国で人気のSaturday Nigh Liveという深夜の喜劇調の番組で、Sarah Palin を愚弄した内容のインタビュウー劇が見られます。ペイリン役をしているのは Tina Fayという役者 でよく似ているので、とても面白く、最近話題になっています。(土曜日、Ch. 11, 11:30PM - 1:00AM)、http://www.huffingtonpost.com/2008/09/27/tina-fey-as-sarah-palin-k_n_129956.html


ともあれ明日のディベートが楽しみだという人がシリコンバレーでは多く、私も是非見たいと思っています。

投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラテ

VIX指数は40以上を投資家の不安心理がパニック状態といわれている。それが29日過去最高の46.72をつけた。


以下最新のロイターニュースです。


[シカゴ 29日 ロイター] 投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー(VIX)指数は29日、過去最高水準に上昇した。米下院での金融安定化策否決を受けて懸念が強まった。
否決を受けて米株市場は急落、S&P総合500種指数は過去21年で最大の下げを記録し、8.79%安で引けた。VIX指数は34.5%上昇し過去最高の46.72をつけた。 オンライン証券thinkorswim Groupのチーフ・デリバティブストラテジスト、ジョー・キナハン氏は「クレジット危機により、市場の不安レベルは1987年の株価急落以来の水準に達した」と述べた。

"薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ"によれば、大麻の使用は大変危険らしい。


■薬物別解説 大麻


 大麻とはクワ科の一年草中央アジア原産の植物です。古代から繊維用として栽培されてきました。この植物にはTHCという成分が含まれており、葉などをあぶってその煙りを吸うと酩酊感、陶酔感、幻覚作用などがもたらされます。現在では世界のほとんどで麻薬として規制され、所持しているだけでも死刑や無期懲役となる場合もあるほどです。


 大麻を乱用すると気管支や喉を痛めるほか、免疫力の低下や白血球の減少などの深刻な症状も報告されています。また「大麻精神病」と呼ばれる独特の妄想や異常行動、思考力低下などを引き起こし普通の社会生活を送れなくなるだけではなく犯罪の原因となる場合もあります。また、乱用を止めてもフラッシュバックという後遺症が長期にわたって残るため軽い気持ちで始めたつもりが一生の問題となってしまうのです。社会問題の元凶ともなる大麻について、正確な知識を身に付けてゆきましょう。



最近のロシア出身力士の大麻使用疑惑の報道を見ていると、日本では大麻の使用はヘロインやコカインの使用と同様薬物汚染として激しく取り締まられている。オランダほどではないにしても、米国ではこの点ずっと大麻の規制は緩やかで、随分日本の状況と異なるので、個人的に違和感を覚えた。



私の友人によれば、クリントン大統領、オバマ大統領候補(?)、最高裁判事なども大麻の吸引の事実を認めている。
米国の中でもカリフォルニア州大麻の医学的使用が自由化されており、医師の処方箋があれば手に入れることが出来る。友人の話では、病気でなくても、頭が痛い、眠れないなどと一般的な症状を訴えると、簡単に手に入れることが出来るそうだ。



また大麻解禁論者と薬品・酒類造醸業者と論争が続いている。解禁論者によれば、大麻は薬理学的にはアルコールと全く同じで、体への負担ではアルコールより健康的であると主張している。一方反対論者は日本の薬物乱用防止ホームページのような論陣を張っている。
しかし一部の意見では、薬品・酒類造醸業者及び税務当局者などは、大麻解禁によって既成の業界のダメージを心配して反対しているのだと言っている。



日本では上記のような論争は起きていない。 誰がどのような目的で、大麻に関して情報統制を行っているのか興味深い。 

先にDr. Pauschの最終講義のビデオを送ってくれた友人から聞いた話

先月47歳ですい臓がんでなくなったDr. Pauschが、2歳の娘Chloeに遺した以下の言葉があるとのこと;


”もし将来ある男性を好きになったら、彼が本当の紳士であるか判定するのは簡単ことなのだ。 彼が言っていることは全て無視し、彼が何をやっているかだけに注意しなさい。”


なるほど彼は工学者として立派だっただけではなく、教師として人間についても解っている人だったことに改めて感心しました。

“「新型うつ病」大流行の裏側”というニュースを見て

一昨日、上記のニュースをYahoo Japanのサイトで見て、”Easterlin Paradox”を思い出した。このパラドックスを簡単に記すと次の3項目である;
1) どの社会でも、貧乏人より金持ちの方が幸福
2) しかし、必ずしも豊かな社会が貧乏な社会より幸福かというとそうでもない。
3) 国が経済的に豊かになればなるほど、国民は幸福でなくなる。
このパラドックスについては色々議論があるが、少なくとも日本でも米国でもこのパラドックスは半ばあたっているような気がする。


何が“幸福”なのか定義することは難しい。大変興味深いことに、Business Weekオンラインに2006年10月11日に掲載された“Rating Countries for the Happiness Factor”という記事に対するコメントは今でも投稿が延々と続いている。ちなみに先月7月の投稿数は19件にのぼっている。多種多様な意見があって非常に面白い。


最近友人から“Flow: The Psychology of Optimal Experience”By Mihaly Csikszentmihalyi(日本語翻訳名:フロー体験 喜びの現象学、M.チクセントミハイ)という本を薦められた。まだWish listに入れたきりで読んでいないが、上記のようなテーマ(ただし個人の幸せ)に興味があれば一読の価値があると友人は言う。

米国大統領選挙近況

28日(月)に発表された、USA Today/Gallup Pollによれば、マケイン49%、オバマ45%でマケインが4ポイントリードという結果が出たそうです。先月の同じ調査では、オバマのほうが6ポイントリードということでした。


オバマの外遊は大統領選にとって効果的であったとニュースを読む限り思っていましたが、意外な結果が出ました。米国民にとって彼の外遊はマイナス点であったようです。
しかし接戦である事に変わりなく、いよいよ目が離せなくなりました。