新潮「波」7月号から

 昨日にTVをみておりましたら、それにジャズ評論家瀬川昌久さんが登場して、その
番組の主人公である「服部良一」さんの音楽へのコメントをつけていました。
瀬川昌久さんは健在であったかと思って、その番組を見ていたのですが、本日に新潮
「波」7月号を手にしましたら、ここに瀬川さんの名前を発見です。瀬川さんが大学を
卒業してから銀行員として、ニューヨークに駐在していたことは、うっすらと知って
いましたが、7月号「波」の随想という文章に記されていることには驚きでありました。
 まず、この「随想」というのが、蓮實重彦さんの「伯爵夫人」刊行記念で書かれた
ものであるというのが、まずはびっくりです。瀬川さんと蓮實さんはどこでどのよう
につながるのかなです。
当方は、たぶん「伯爵夫人」という作品はしばらく読むことはないはずでありますの
で、これがどのようなお話であるのか、またどのような作中人物がいるのかも知るこ
ともないでしょう。
 瀬川さんは、この文章の書き出しに「かねがね敬愛する蓮實重彦さんが『新潮』四月
号に『伯爵夫人』という小説を書いて評判になっている、と聞いて早速本屋に走った
が、既にどこも品切れだった。」と記しています。かねがね敬愛というのは、蓮實さん
の書いたものを通じてか、それとも旧知の間柄であるのかなと思います。
 そう思っていたら、次のくだりがあります。
「文中に出てくる二朗の数人の旧友の中に、『文士を気どるあの虚弱児童』の『平岡』
の名がでてくる。『新潮』のインタビューでも『仮面の告白』評が出てくるので明ら
かに三島由紀夫(本名平岡公威)のことであろう。私はたまたま三島とは初等科から
大学まで同級で、文学面を離れて親しく友達付き合いを重ねた。」
 こうあるので、瀬川さんのプロフィールを確認してみましたら1924年お生まれとあ
りました。瀬川さんは、学習院時代から三島由紀夫と同学であったとは、まったく
知りませんでした。それじゃ蓮實さんとはと思って検索してみましたら、年齢は
一回りほど下のようですが、お二人と同じく学習院から東大へという学歴でありま
した。瀬川さんと蓮實さんをつなぐものは、この学習院なのでしょうか。