昨日の本屋で

 昨日の本屋では文庫本を一冊購入したのですが、そのほかでは雑誌に目がとまり、
何冊か手にとってみました。
 一冊は「芸術新潮」でありますが、これはヌード写真が巻頭特集でありまして、いつ
もは「芸術新潮」に縁が無い人も、今月は購入するのでありましょうか。それとも当方
と同じように立ち見で終わりとなるのでしょうか。そういえば、カメラ雑誌も、どこか
の月でヌード特集を組んで部数減少に歯止めをかけるようになっているようであります。

芸術新潮 2016年 07 月号

芸術新潮 2016年 07 月号

 もう一冊は、背表紙に黒く大きな文字で「 重松 清 鶴見俊輔さんのこと」と刷り
込まれていたものです。大きくとりあげられているのであれば、これは買ってもよろ
しいであろうかと思い、手にして目次を見てから、そのページにあたってみました。
重松さんがインタビューに答えて、鶴見俊輔さんについて語っているのは、わずか数
ページのもので、とっても雑誌の背表紙に記すほどのものではなしと思われました。
( 当方は、以前に「en-taxi」の巻頭で展開されていた重松さんへのロングインタ
ビューのようなものがあって、そこで鶴見俊輔さんの話をしているものと思っておりま
した。)
よく考えてみましたならば、最近の書店では、雑誌は表紙が見えるように平積みで販売
されるのが一般的で、背表紙が見えるように売られる雑誌というのは、あまり部数が
でないものであるようです。一番の売りとなる特集は表紙に刷り込み、そこからはみ出
したものが背表紙にまわったということかもしれません。
 どうして重松さんが登場したのかというと、この版元の文庫本に重松さんと鶴見さん
の対談がはいったからであります。(このことが、この雑誌を立ち見してわかったこと
です。 そういえば、この版元と鶴見俊輔さんは関わりが深かったことを思いだしました。
版元のスポンサーである宗教団体の別働隊である政治団体の、最近の有り様は鶴見さん
の世界とは相容れないように思いますが、出版社のなかにもそう思っている人がいるの
でありましょうね。
 この会社の文庫本というのが、またなかなか見つからないものでありまして、さて、
どこにいきましたら、これは見つかるのでありましょうか。