本はねころんで

2017-10-25 戦争をよむ 2

 昨日に引き続いて中川成美さん「戦争をよむ」(岩波新書)を話題にです。

 この本は、全部で六章からなり、あわせて70の作品が紹介されているのですが、

「女性たちの戦争」「植民地に起こった戦争は」「周縁に生きる」という章には、

知らない作者の作品がならんでいて、これらは気になりました。

 本日は、そのなかから「終縁に生きる」で紹介されている作品に言及です。この章

の頭には、次のようにありです。

明治維新から三十年にも満たない時から、日本は戦争に乗り出した。日清、日露か

第一次大戦、そして日中戦争から第二次大戦へと、日本は間断なく戦争へと身を投

じた。そこには近代資本主義の容赦ない戦争が影を落としている。その周縁に追いや

られた人々の姿は、文学の中に未だ生きている。・・ 

 戦争が生み出される要因としての貧困格差や、戦争の結果として個人に強いられた

不当な運命など、市井の人々が蒙った様々な人生の困難が描かれた作品を、ここに集

めた。」

 ここに取り上げられている作品は11ですが、次の三作がならんでいました。

にあんちゃん (角川文庫)

にあんちゃん (角川文庫)

オキナワの少年 (文春文庫 ひ 3-1)

オキナワの少年 (文春文庫 ひ 3-1)

無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)

無知の涙 (河出文庫―BUNGEI Collection)

 この三作の主人公は、朝鮮半島にから移住した家族の二世、返還前のオキナワ、そ

して北海道であります。これって、津島佑子さんの「半減期を祝って」にでてくる

30年後の「愛国少年団」に入団を許されない人ばかりではないですか。

 周縁に生きる人々は、愛国からは相当に遠いところにいるようです。

それにしても、ここで東峰夫さんの名前を見るとは思わなかったことで。中川さんは、

東峰夫さんの「孤独な抵抗」を高く評価していて、これを機に作品を読んでみなくて

はと思ったことです。