本を借りる

 本日は野暮用で外出となりましたが、その流れで図書館に立ち寄りまして、ひさし
ぶりで本を借りてきました。図書館へといくことはありましても、これまで借りる
気分にならずでしたが、これはいけないと、本日はえいやっと二冊借りてきました。
もう一冊と思ったのですが、それは分館に架蔵とのことですから、次回は、そこに
足を運んで借りることにいたしましょう。
 本日借りた一冊目は、次のもの。

昭和の翻訳出版事件簿

昭和の翻訳出版事件簿

 こちらの図書館は、宮田昇さんの本を良く選書するようでありまして、宮田さん
の新刊は、ほとんど手にすることができます。
 この本は、創元社ホームページに連載していたものに加筆して一冊にしたものとの
ことですが、刊行したときには89歳でありますからして、立派なことであります。
本日は、このなかのいくつかのところを読んでいるのですが、興味深い話がたくさん
ありです。
 たとえば、次のようなくだり。
「この『大久保康雄』訳を除いて、戦後の翻訳を語ることはできない。昭和20年代
ら30年代にかけての翻訳出版の主流は、彼を中心になされていたと言っても言い過ぎ
ではない。」
 その昔の翻訳ベストセラーには、かなりたくさん大久保康雄さんのものがありまし
て、たぶん今でも新潮文庫の翻訳物などでは大久保訳が残っているはずであります。
大久保さんを、とんでもない人とやっつけたのは、丸谷才一さんでありまして、丸谷
さんの文章(「梨のつぶて」に収録されている)を読みますと、大久保康雄さんの翻
訳には手をだすまいという気分になるのでありますね。
 大久保さんも時代のベストセラーとなった「ロリータ」さえ翻訳しなければ、この
ようなことにはならなかったのかもしれません。きっと、大久保さんの翻訳で、小説
を読んで楽しんだという方も多くいますでしょう。そういう読者さんたちは、丸谷
さんの文章などは読む事はないかな。
 もう一冊は、どこまで読めるかわからないが、次のもの。
古都の占領: 生活史からみる京都 1945‐1952

古都の占領: 生活史からみる京都 1945‐1952

 著者 西川祐子さんは1937年お生まれとのこと。著書を手にするのはこれが初めて。
著書一覧を見ましたら、手にしていても不思議でないものがいくつかありです。
検索をかけてみたら、西川長夫さんの奥様とのことでありました。
 この本では、まず織田作之助のところから読んでみてみましょう。