渡辺電機(株)

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俺と兄貴の結婚式

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永井豪の「おさかん家族」に非常に感動して、いったいどこに掲載されたのか調べたが、なんとオレが今お仕事をいただいているプレイコミックだった。1977年ということは、「やけくそ天使」の直前くらいか。あの時代、直球どエロギャグが好きな編集さんがいたのだろうか。そして、既に巨匠の名を欲しいままにしていた豪ちゃんの、根性の座った下品っぷりに深く頭を垂れるのだった。
盛(さかり)一家の家族の名前は主人の盛サド兵衛を筆頭に、長男・盛カキ介、次男・盛五エ門、長女・盛ぽる乃、三男・盛畜之丞。罪もない一般人を家に引っ張り込んでなぐさみものにする家族を見て、悲嘆に暮れながらネコを犯す三男、というパターンが定型。これでギャグの体裁なのが恐ろしいです。一般人が一家に犯されてそのまんまとか。まぁ、あばしり一家の変形と言えます。
エロ一家のギャグで思い出すのが、「伊賀野カバ丸」の亜月裕先生が週プレに連載していた「OMETTOすわん」で、こちらは萬舐(まんなめ)家の家族たちの話でしたが、やはりネーミングも長男が「せんずろう」とか、ヒドかったです。少女マンガで名をなした方なのに、下ネタにまったくためらいが無かった。
OMETTOすわんは古本で時折見かけるのでサルベージ可能ですが、おさかん家族の方は「エッチまんがセレクションG」に全10話中の7話が収録されたのみ。秋田書店からの完全版の刊行に期待したい、と言いたい所ですが、正直これだけでも十分おなかいっぱい。ほんとにヒドい。「永井豪」の名前が無ければ、今の生真面目な「マンガ読み」の方は激怒すると思いますし、「カリスマ書店員」の方も眉をひそめ、POPなんか書いてくれないでしょう。かくありたい。私もせめてその足下くらいまでには到達せねばと、先人たちの偉業を前にあらためて身の引き締まる思いがするのでした。

永井豪エッチまんがセレクション グレート (SPコミックス)

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