(゜Д゜)っ/凵⌒☆チンチン新聞

ゲーム開発者をめざす若者へのメッセージ
 日本最大のゲーム開発者向け会議「CEDEC(CESA開発者会議)」が8月31日から3日間、横浜パシフィコで開催された。参加人数は毎年増えており、今年は昨年より500人以上多い2500人超が参加した。
 筆者は3日間、「学生版CEDEC ゲームのお仕事 業界研究フェア」のコーディネートを担当した。これは経済産業省の支援事業で、ゲーム業界に進みたいと思っている学生などに向けたセミナーだ。ゲーム業界の最前線にいる開発者を講師に招き、3日間15コマの講演でこれまでのキャリアを語ってもらった。
 初日は300人を超える学生が詰めかけ、会場が一杯になった。関東だけでなく、北海道、名古屋、大阪、福岡など、全国から訪れた学生も多い。一方、学校の行事としてお義理でやって来る学生も少なくなく、3日目には100人ほどに減った。最後まで残ったのは自発的に参加した熱意ある学生たちで、セミナーで聴いた多く情報を咀嚼(そしゃく)しながら、自分が進むべき道を模索しているようだった。
 講師の開発者には、「これまで開発者としてどのように生きてきたか」を語ってほしいと全員に頼んでいた。ゲーム開発の現場で使われる技術は数年単位で陳腐化してしまう。そのため、技術的なことをいくら伝えても、人間としてのキャリアを築くうえで意味を成さないと考えたからだ。それぞれの開発者の「人生」を語ってもらうことで、そこに通底するものを感じとってほしいと考えた。
 狙いは成功したと思っている。多くの開発者から共通するメッセージが語られていたからだ。
高校時代にはまった土田氏
 講演者の一人、スクウェア・エニックススクエニ)で「ファイナルファンタジー」シリーズの音響システムなどの責任者を務める土田善紀氏は、自らの型破りなキャリアを語った。
 土田氏は高校入学時に買ってもらったパソコンに熱中したという。手に入れたゲームをひたすら遊び倒し、それを改造するといったことでプログラムを独学で勉強し、高校3年間を過ごした。有名高校に進学しながらも勉強はまったくせず、3年生の時の偏差値は40台。親に大学に行くよう迫られて無理矢理受験したが、当然のように全滅だった。
 高校卒業後は予備校に入ったが、「ばからしい」と3日でやめて、ソフト会社に就職したという。時はバブル期でプログラマーであればいくらでも仕事があった。下水道の管理ソフトからDTPソフトまで、ビジネス用のソフトの開発をあれこれやった。親は予備校に通っていると思っているので、学校に行く振りをしながら、途中のトイレで背広に着替えて通勤するといったこともあったそうだ。
 そして数年後に独立し、青年社長となった。ところが、バブル崩壊で仕事がなくなり、お金に困って一時は新聞配達員までやったという。それで、「そもそも自分が何をしたかったのか」と考えて、「ゲームを作りたかったのだ」ということを思い出し、スクエニを受けて入社した。
 当時は「プレイステーション」が登場し、3次元グラフィックスをはじめ新たな技術が求められた時代だった。土田氏はビジネス用ソフトを開発した経験を生かしながら、新しい技術を学んで適応していったという。現在も第一線の職種を任され、スタープログラマーの一人として働き続けている。
宮川氏が独立した理由
 もう一人、現在はアップルの「iPhone」向けゲームの開発会社ゼベットの社長で、人気ソフト「ポケットベガス」を開発した宮川義之氏のキャリアも変わっている。
 やはり高校時代、ゲームしたさに1年間必死でアルバイトをして自分でパソコンを買ったという。当時は、国産パソコンの全盛期。17歳の宮川氏はゲームセンターで出会ったゲーム好きのコミュニティーに入り浸るようになった。このコミュニティーにはプロの開発者もいて、「ゲームセンターにあるゲームぐらいは一晩で作ってやる」といったハッカー的な雰囲気があったという。
 宮川氏は、彼らのやることを見たり参考書籍を紹介してもらったりしながら、ゲームプログラミングを学んだ。初めて開発したのは、大好きだった「ボンバーマン」(ハドソン)を真似たゲームで、プロの助言をもらいながら試行錯誤を重ねて完成させていった。
 こうしていくつかのゲームを作った後、知人を通じてスクエニに持ち込むと、「おもしろいじゃん」とスタッフが盛り上がり、すぐに採用が決まった。当時は入社倍率が数百倍という難関であることを後から知ったが、「ゲームを見せてあれほど盛り上がってもらえたのだから、採用されたのも不思議ではない」と思っていたという。
 宮川氏は「聖剣伝説」や「ファイナルファンタジー」シリーズなど、スクエニの数々の看板タイトルを手がけてきた。しかし、家庭用ゲーム機向けゲームのプロジェクトが年々巨大化していくことに疑問を感じ、大手ゲーム会社のポストをなげうって2年前にベンチャーを興した。
 宮川氏が感じたのは、iPhone向けアプリのように個人が開発したソフトを全世界にリリースできる時代に、1タイトルに3年もの開発期間をかけてソフトを開発していては取り残されるのではないかという焦りだったという。全体を見渡すのが難しい巨大プロジェクトではなく、小さなプロジェクトでもいいから全部をコントロールしたいという思いもあった。
 この2年間は、開発したソフトできちんと利益を出すことが課題で、成功が難しいといわれるiPhone市場で、成果を出しつつある。宮川氏は、「17歳の頃も20年後の今もやっていることは変わらない」という。今は開発環境を手に入れるために、1年もアルバイトをする必要はなく「本当に恵まれている」という。ただ、開発者志望の多くの人が、それを意識していない、行動しないというだけで。
努力を開花させる「1万時間の法則」
 マルコム・グラッドウェルの「天才!成功する人々の法則」(講談社)に、「生まれつきの天才は存在するか?」を調べた有名な研究が紹介されている。心理学者のK・アンダース・エリクソンが1990年代初頭に実施した実験で、音楽アカデミーで学ぶ学生を三つのグループに分けて違いを調べた。
 結果は、持って生まれた才能以上に「訓練の役割が大きい」というもので、どの学生も練習を始めたのは5歳ごろと同じだが、練習時間に大きな差があることがわかった。世界的なソリストになれる可能性を持つ学生グループの練習時間は20歳のころまでに1万時間に達しており、練習時間が少なくとも済む「天才」は発見できなかったという。
 この研究を追加で調べる形で、神経学者のダニエル・レヴィンティンは「1万時間の法則」を発見している。作曲家、バスケットボール選手、小説家、アイススケート選手、ピアニスト、チェスの名人など、どの分野でもこの数字が現れるという。1万時間を超えれば誰でも大きな成果を得ることができるわけではないが、結局、プロになれるかどうかは、訓練を積むことの一点にかかっているのだ。
実践の場はたくさんある
 先に紹介した二人にも、「1万時間の法則」はあてはまりそうだ。企業に入ってから育ててもらおうといった考えではなく、自分の力でどこにいっても通用する人間に育っている。
 重要なのは、彼らのケースが珍しくはないことだ。若いころからゲームを作るのが趣味で、いろいろな形で続けた延長に今があるというパターンが、第一線の開発者には多い。
 筆者は講演の中で、「開発者になりたいのであれば、今すぐ作れ」と強調した。作るというプロセスを繰り返し、イノベーションを身体で体験することなしに、成長の土台は築けない。今は、無料同然でゲーム開発ツールを手に入れることができる。作品を公開してフィードバックを得ることも、「ニコニコ動画」などのサイトから「コミックマーケット」といったリアルな販売場所までたくさんある。時代とともに技術は変わるが、「作って、評価を受けて、また、作り直す」という実践を通じて能力を高めるサイクルは変わることがない。
 学生たちはそのメッセージをきちんと受け取り、たった3日間だが成長して帰って行ったようだ。彼らの熱意を受け止めることができれば、日本のゲーム業界もまだまだ捨てたモノではないだろうと感じた。



「アンドロイド」2位浮上へ 10年の携帯向けOS市場見通し
 2010年の携帯電話向け基本ソフト(OS)の世界市場で、米インターネット検索大手グーグルの「アンドロイド」が大幅にシェアを伸ばし、2位に浮上するとの試算を米調査会社ガートナーが10日まとめた。
 ガートナーはグーグルの昨年の具体的な順位を公表していないが、上位4位には入っておらず、幅広いメーカーによる採用が拡大しているアンドロイドが躍進する。
 アンドロイドは前年の約7倍の4746万本を出荷し、シェアが17・7%に達する見通し。フィンランドノキア系の「シンビアン」は33%増の1億766万本を出荷。シェアは前年から6ポイント以上減らし40・1%となるがトップを守る。



インド薄型テレビ市場、ソニーが韓国勢抜き首位 4〜6月シェア、広告戦略奏功
今年4〜6月、インドの薄型テレビ市場で優位を占めていた 韓国企業を抜き、ソニーが出荷台数でシェア首位に躍り出た 今年は旧英領の国々で開くスポーツの国際大会があり、インド でテレビ需要の急増が見込まれる中、画像の鮮明さなどを強調 する大規模な宣伝広告戦略を展開したことが四半期での首位奪 取につながったもようだ 米調査会社ディスプレイサーチが統計をまとめた。各社の シェアはソニー27%、サムスン電子23%、LG電子21%。イ ンドで主流のブラウン管テレビでは韓国勢が強さを発揮してい るが、薄型市場ではソニーも加わり、サムスン、LGの韓国2 社とシェア争いを演じていた。ただ、3社の差はわずかで順位 も常に目まぐるしく変動。2009年はサムスン、今年1〜3月 期はLGが首位だった。



終身保険、低金利の逆風 高い予定利率を維持できず 住生・あいおい来月販売休止
 契約してから一定期間後に解約すると元本以上のお金が受け取れる終身保険の販売を休 止したり、 利回り を下げたりする動きが生命保険会社の間で広がってきた。 長期金利 の低 下で商品の採算が悪化しているためだ。預金に比べて利回りが高く、貯蓄目的の商品とし て人気を集めてきたが、販売の相次ぐ見直しで個人の資金の運用手段が狭まりそうだ 住友生命保険は10月から、銀行経由の主力商品である終身 保険の販売を当面、見合わせる。同社は金融機関335社と販売 提携し、生保の銀行 窓販 としては最も規模の大きい商品に育て てきた。4〜8月の5カ月間での販売額は約8500億円に上る だけに、販売休止は顧客や銀行に大きな影響を与えそうだ 東京海上日動あんしん生命保険は11月、「長割り終身」と 呼ばれる終身保険の保険料を上げて、実質利回りを引き下げ る。 例えば40歳の男性が20年間、月払いで保険料を支払う場 合、20年後に受け取れる解約返戻金は従来、元本を8.8%上 回っていた
が、見直し後は6.1%に下がる あいおい生命保険も10月から一部の終身保険
販売を休止。富士生命保険は7月に一部 商品の販売をすでに中止した 終身保険は加入から一定期間が経過して解約すると払い込んだ保険料を超えるお金(解 約返戻金)が受け取れる。 予定利率(契約者に約束する利回り)は年1.4〜1.7%程度と銀 行の定期預金などより高い 生命保険協会によると、今年4〜6月期の終身保険の販売件数は業界全体で約75万件 前年同期に比べ4割増えた ところが、生保が資金を主に運用する 国債 の利回りが低下。長期金利の指標となる新発 10年物国債の利回りは8月に7年ぶり低水準となる0.895%まで下がった。このまま終身保 険を売り続けては採算がとれなくなる恐れが出てきたため、販売を見直さざるを得なく なった 終身保険は中高年層が老後資金の運用目的で加入したり、30代の夫婦が子どもの学費を ためる目的で加入したりする例が多い。すでに契約している人には影響はないが、これか ら加入することを考えている人は再検討を迫られる 銀行の窓口で販売する生保の商品では主に株式で運用す
る変額年金保険が人気だった ところが株価の
低迷で売れ行きが落ち、今では終身保険が主力商品となっている。これも 販売にブレーキがかかれば生保や銀行などにとっても痛手。年金保険や医療保険など、ほ かの商品にシフトせざるを得なくなりそうだ。



IMF「世界経済下振れリスク 2010年後半から減速も
 国際通貨基金IMF)は10日、今月4〜5日に 韓国・光州で開いた20カ国(G20)財務相中央銀行 総裁代理会合に提出した 討議資料を公表した。世界経済見通しについて「2010年後半から11年前半にか けて一時的に減速するだろう」と指摘。景気回復の「下振れリスクが強まっ た」と警告した。景気情勢が一段と悪化した場合は、金融政策で対応すべきだ との認識も示した IMFは最近の世界経済について「金融部門の回復が妨げら れているにもかかわらず、景気は前進した」と評価。ただ先進 国は「雇用と家計支出が停滞しており、景気回復は弱いまま だ」と分析した 新興国は先進国に比べて力強い回復を維持しているが、これ までより成長が緩やかになるとの見通しも示した 今回の報告で世界経済の下振れリスクに言及したのは、先進 国におけるソブリンリスク(政府債務の信認危機)と金融部門 の脆弱(ぜいじゃく)性が理由と説明。G20のうち主に先進 国が抱える問題を指摘した 政策対応については
「経済活動が現在の予測よりやや弱まった
としても、11 年から財政再建に向けた取り組みを始める必要がある」と強調。景気が予想以 上に悪化した場合には、発動余地は小さいながらも「金融政策が(景気)防衛 の第一線になるべきだ」との考えを表明した。



はてな、京都オフィスを増床 スタッフ増強
 はてなは京都本社のオフィスを現在の3倍に増床。スタッフも増員する 2010年09月10日 21時15分 更新 はてなは9月10日、27日から京都本社(京都市中京区)のオフィスを拡大 し、現在の3倍に増床すると発表した。スタッフも増員する 既存のサービス開発部とマーケティング部に加え、サポート、インフラ、ミ ドルウェアの各部門を新設して増員。さらなる事業の拡大を目指す。営業拠点 の東京オフィス、シリコンバレーの子会社は存続する はてなの現在スタッフ数は76人。うち社員が39人(京都26人、東京13人) アルバイトが37人(京都25人、東京12人) 京都オフィスはこれまでも、Webエンジニアやベンチャービジネスに興味を 持つ学生が出入りする拠点として機能してきたという。今後は関西圏の学生や エンジニア向けに、Web関連のイベントや勉強会をオフィスで開催する 近藤淳也社長は「2008年に創業の地・京都へ戻って2年あまりが経った。急 速に組
織が成長し、自分たちなりのサービス開発体制も整ってきた。各部署を 引き続き充実させ、京都から日本、そして世界へ向け
たサービスの提供をいっ そう目指していく」としている。



アップル、受信悪化対応策縮小へ
 米電子機器大手アップルは10日、携帯電話「iPhone(アイフォーン)4」の受信感度が悪化する問題で、購入者にケースを無償提供する対応策を9月末で縮小する方針を明らかにした。
 アップルは受信感度悪化の影響が「当初見込んでいたよりもかなり小さかった」とした上で「ケースを必要とする少数のユーザーには無償提供を継続する」とした。
 9月末までにiPhone4を購入したユーザーは専用ソフトにより比較的簡単にケースを入手できるが、10月以降はサポート窓口を通じて申し込むことになる。日本での対応は未定だが、同様の措置を取るとみられる。



米でES細胞の研究再開 助成禁止は当面猶予
 さまざまな組織に成長できる人の胚性幹細胞(ES細胞)について、米国立衛生研究所(NIH)は10日、所内でのES細胞研究と、ほかの研究機関に対する助成の検討作業を再開すると発表した。
 ワシントン連邦地裁が8月末に出した政府助成禁止の仮差し止め命令について、同連邦高裁が9日、執行を一時猶予する決定を出したことを受けた措置。
 この問題では、米司法省が地裁や高裁に「助成をやめれば24の研究が中止を余儀なくされ、難病の患者に取り返しのつかない危害が及ぶ」と命令取り消しを相次いで申請。地裁は申請を却下したが、その後の高裁の判断は司法省の訴えを認めた形となった。ただ猶予は一時的なもので、今後、研究に反対している原告側などの説明を聞いた上で、新たな判断が示される見通し。



【東京社説】
村木元局長無罪 説明せよ 検察の暴走
2010年9月11日
 特捜の捜査がこれほど否定された判決もないだろう。厚生労働省公文書偽造事件で村木厚子元局長に無罪が言い渡された。裁判員時代にこのずさんである。検察当局はよく調べ説明すべきだ。
 公判で大半の調書が不採用となった時、私たちは「特捜検察は猛省せよ」との見出しで捜査のずさんさを憂えた(五月二十九日)。その裁判の判決理由は「供述調書は信用性が高いといえない」「客観的証拠と符合しない」と何度も指摘し、言い換えれば丁寧に捜査の矛盾を列挙した。これが精鋭とも呼ばれる特捜が手掛けた捜査への評価だった。
 元局長の部下の元係長らの供述調書の大半は「誘導された疑いがある」と証拠採用されず、この日の無罪判決は想定はされていた。
 それにしても、裁判が明らかにした捜査の実態は恐ろしくなる。
 自称障害者団体が郵便割引制度を悪用しようと民主党の石井一参院議員に口利きを頼み、キャリア官僚の村木元局長が部下の元係長に偽の証明書を発行させた−。大阪地検特捜部のシナリオは壮大だった。しかし事実を丹念正確に積み上げていたなら、自分たちの誤りに気づいたのではないか。
 村木元局長は一貫して否認したが、取り調べは当時の上司や部下らから、時には強引に、都合のいい供述だけを集めた。村木元局長の指示を供述調書では認めたとされた元係長は「違うと言ったが、聞き入れてもらえなかった」と、弁護士差し入れの被疑者ノートに書きとめていた。
 元係長のフロッピーディスクに実際に残っていた偽証明書の作成日は、「指示された日」より前だった。これらは裏付け捜査で容易に分かったはずだ。
 この事件は裁判員裁判の対象犯罪ではないが、もし裁判員裁判で捜査機関の出す証拠がずさんだったのなら、と考えれば怖くなってしまう。警察や検察の取り調べをすべて録音録画する全面可視化への動きは時代の要請でもある。
 特捜は、政財界の汚職や経済事件を手がけることが多い。証拠の乏しい密室の犯罪では供述を引き出すことが重要になる。しかしだから誤れば社会的影響は大きく、綿密に供述などの証拠を照合する慎重な姿勢が当然、必要になる。それを忘れては国民を裏切ることになる。
 特捜が国民の信頼を回復しようとするなら控訴よりも、なぜ暴走したのか、なぜ防げなかったのか、検証しぜひ説明すべきだ。