「面白いドラマをありがとうアワード2014」

今年も亜姫篤さん(id:einfall/@gameura)の企画に参加させていただきます。企画ありがとうございます。毎年、〆切を守れてない気がする…来年こそは!

【1】2014年にTV(キー局・U局・BS・CS)でオンエアされた、日本の新作ドラマで面白かったものを3つあげてください。できればその理由も教えてください。

『BORDER』
脚本:金城一紀×主演:小栗旬。これだけでもう、わくわくしますよね。そして期待以上でした。タイトル通り、アタマに弾丸を抱え死者が見えるようになった刑事という、生死のボーダーラインに立たされた主人公を、小栗さんが抑えつつ、的確に演じていた。橋本一さんと波多野貴文さんによる過不足のない演出もすばらしかった。全9話と短めだったけど、きっちりと練り込まれた上の9話だったし、ちゃんと満足感あって、ピリリと締まっていた。青木崇高、波瑠、古田新太滝藤賢一野間口徹、浜野謙太、遠藤憲一という、脇を固めるレギュラー陣のキャラ立ちもよかった。あと中村達也さんや宮藤さんといったゲストの人選も絶妙でした。最後、小栗さんがボーダー越えちゃったのは、驚愕。続編見たい気もするけど、あのキレイなエンディングでは無理だろうなあ。サイガーのスピンオフでもいいんだけどなあ。

リバースエッジ 大川端探偵社
原作のひじかた憂峰さん(つまり狩撫麻礼さん)と、大根仁さんの相性のよさよ(『湯けむりスナイパー』で証明済みだけど)。浅草を舞台にした探偵ものなんて、もう、それだけで味があってたまらないじゃないっすか。人情とハードボイルドの共存。村木:オダギリジョー(渋い)、所長:石橋蓮司ダンディー)、受付嬢 ・メグミ:小泉麻耶(いいビッチ)っていう、メインの3人のバランスもたまらなかった。あと毎回のゲストも楽しみでした。EGO-WRAPPIN'によるオープニング曲&エンディング曲、森ラッピンによる劇伴も、ほんとすばらしかった。作品にぴったりだった。これ、原作漫画がたまったら、シーズン2やってほしいなあ。

『Nのために』
ある事件を中心にして、高校時代、大学時代、大人になってからと3つの時間軸が平行して描かれるんだけど、決して複雑じゃなく見ることが出来て、スタッフの手腕を感じました。あと3つの時間軸を演じ分ける役者さんのうまさよ。さらに謎のひっぱり方がうまくて、最後まで魅せられました。とくに好きだったのは、榮倉さん演じる希美と、窪田正孝君演じる成瀬君の関係性。ふたりのシーンは、ほんと、いちいちキュンキュンしたなあ。さらになかでも高校時代は、島のロケーションのすばらしさと相まって、辛い境遇でありつつ、つながるふたりがはかなくて、せつなくて、たまらなかった。配役的にも榮倉奈々窪田正孝賀来賢人小出恵介、4人のNがとにかくよかった。替えがきかない配役だったと思う。さらに光石研山本未来柴本幸徳井義実のダークさは忘れがたいし。ドラマのオリジナル・キャラの三浦友和さんが、みんなをつないでいくのもよかった。そして榮倉さんの持ち味として、どんなことがあってもくじけなさそうな強さがあるのに、すごく救われた。お話自体は、悲惨なことがいろいろ起こるから。原作は湊かなえさん、脚本
は奥寺佐渡子さん。原作読んでないけど、これは小説のドラマ化としては、とても幸福な成功例なんじゃないかなあ。

他に楽しんだのは(順不同)、『なぞの転校生』(次点はこれです、岩井俊二さんのリリシズムとジュブナイルSFの幸せな邂逅)、『失恋ショコラティエ』(恋愛もの苦手な私がはまった)、『福家警部補の挨拶』(幕切れ絶品)、『僕のいた時間』(難病もの苦手な私が完走)、『夜のせんせい』(話題になってないけどなかなかよかったんですよー)、『医龍4』(まさか4が見られるとは!)、『ウレロ☆未体験少女』(とにかく楽しい)、『鼠、江戸を疾る』(木曜時代劇の安定感)、『銀二貫』(右に同じ)、『ブラック・プレジデント』(意外なひろいもの)、『MOZU』(脇役の暴れっぷり)、『続・最後から二番目の恋』(貴一さんと小泉さんの会話の心地よさ)、『吉原裏同心』(いい小出君)、『ぺテロの葬列』(宮部作品を月8枠らしく手堅く映像化)、『おやじの背中』(おもしろい試み)、『ST 赤と白の捜査ファイル』(バディ好き、チーム好きにはたまらない)、『孤独のグルメ4』(シーズンを重ねても欲出さないのがいい)、『信長のシェフ』(たまらないけれん味、ゴールデン進出で増えた予算がミッチーのモフ
長の衣装の豪華さに投入されてるのが好感)、『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(なぜ好きか説明がつかないけどおもしろかった)、『アオイホノオ』(5位はこれ、ほろ苦く熱い青春もの)、『マッサン』(丁寧な作品)、『信長協奏曲』(豪華キャスト&歴史とフィクションのつじつま合わせのうまさ)、『さよなら私』(いい入れ替わりものでした)、『ドクターX〜外科医・大門未知子』(安定感、あと実はおやじ天国なのがいい)、『深夜食堂3』(行ってみたい)、『甲殻不動戦記 ロボサン』(日常+SF好きにはたまりませんでした)、『素敵な選TAXI』(バカリズムの才能&最終回のキレイなたたみ方)、『きょうは会社休みます。』(かわいい作品でした、あとワンコのマモルな!)、『ごめんね青春!』(宮藤さんの学園もの、さすがの群像劇のうまさ)、『ナイフの行方』(山田太一さんらしいヒリヒリ感)あたりでした。去年もがんばって見たなあ、ドラマ。

【2】2014年にTVでオンエアされた、日本のドラマを書いた脚本家で 1人挙げるならばどなたでしょうか? できればその理由も添えて挙げてください。

『BORDER』金城一紀さん
完成度の高さ、2014年ピカイチだったと思います。1話完結でありつつ、連ドラならではの積み重ねの仕方も見事でした。あと飽きさせないよう、1話毎にアングル変えてくるのにハッとした。金城さんの小説も読みたいけど、ぜひともまた連ドラの脚本も書いて欲しいとも思う、複雑なファン心。

【3】2014年にTVでオンエアされたドラマに出演した役者さんで、素晴らしかったと思う人を挙げてください。ここは人数問いません!

窪田正孝
『Nのために』の成瀬君、『ST』の黒崎、『花子とアン』の朝市…ずっと推していた窪田君がとうとう世間に見つかってしまったという年でした、2014年は。なかでも『Nのために』の成瀬君の透明感と繊細な演技には、きゅんきゅんさせてもらいました。たまらん!そして、そろそろ主演作も期待したい。

小栗旬
『BORDER』と『信長協奏曲』という良作で主演するという引きの強さよ。そして、どちらも小栗さんだからこそ成立していたと思います。『BODER』の抑えた演技は新境地だったし、『信長協奏曲』のサブローと信長の演じ分けは見事だったし、役者としてノってるなあと思います。

岡田准一
軍師官兵衛』は残念ながら、脚本、演出ともにふわっーとしてたんですよ。せっかくの戦国時代で、男子大河だったのに。もったいない…。そんな中、私が完走できたのはひとえに岡田君が芯にいたからだと思います。いい殿でした。そして官兵衛がブラック化してからが、俄然おもしろかった。

田中圭
軍師官兵衛』の三成は脚本的に描き込みが足りないのに悪役扱いで、すごく損な役回りでした。それを演じきって本当にお疲れさまでしたと言ってあげたい。あの三成は、田中圭君じゃないともっとひどいことになったと思う。あと『夜のせんせい』の若くして成功したイヤな感じの奴もよかった。

高橋一生
軍師官兵衛』の口数少ないけどできる部下っぷり、ステキでした。岡田君と実際に親友だからこその関係性がにじみ出ていたと思う。あと『ぺテロの葬列』の橋本さんな!クラッとくるステキさでした。そして白シャツの一生君は正義。

長谷川博己
『MOZU』のチャオ東に尽きますね。クズ役はお手のものですが、この役でおもしろも手に入れたと思う。

田中哲司
すごい働いてたなあ。中でも印象的だったのは、『軍師官兵衛』の村重。どクズな役だけど、哲司さんが演じるとどこか憎み切れないんですよね。出番は少なかったけど『ST』でもよかったな。

吉田鋼太郎
花子とアン』の石炭王・嘉納伝助役で、鋼太郎さんも世の中に発見された感ありますね。こげなもん!脚本に書かれた以上のチャームを発揮していたと思う。あと『MOZU』の東の忠実な部下にして(鋼太郎さん的にはホモな裏設定もあったらしい)、凶暴な中神もよかったなあ。まさか地上波で鋼太郎さんのアクションが見られる日が来るとは。

オダギリジョー
リバースエッジ 大川端探偵社』の村木は基本、受けの芝居。だったからこそ、オダギリさんのうまさが光っていたと思います。あと浅草のなんでもない道を歩いてるだけで絵になる人なんて、そうそういない。オーラを抑えた役だったけど、色気だだもれだった。ヒロインポジの『アリスの棘』もひそかによかった。あ、それから『Sと』と『極悪がんぼ』に触れるのを忘れたのに気づきました。あんなにテロリスト姿に萌え、刑事の胸の開きにときめいて、ツイッターでつぶやき倒したのに。4本も出演ドラマがあった訳で、2014年はオダギリさん好きには祭であった。

石原さとみ
失恋ショコラティエ』の小悪魔キャラ・紗絵子、超絶品でした。もっと、どんどん、やってください。

上戸彩
もともと上戸さん好きな私ですが、なかなか作品に恵まれなくて、ひそかにやきもきしてたけど『昼顔』がスマッシュ・ヒットしてよかったー。不倫にゆれる心をとても繊細に表現していた。あと不倫しつつ清潔感あるのも上戸さんだったからだと思う。