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京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-07-01 講座:新しい概念を用いたがん治療15 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今回も、これまでのおさらいをしていきたいと思います。

がん細胞は、たくさんのブドウ糖を取り込むことで、エネルギーを獲得します。また、エネルギーを獲得することで、高まる細胞内の酸性度を低下させるために、ナトリウムをはじめとするアルカリ性イオンを取り込みます。さらにがんは炎症が体内に起きている状態ではどんどん進行していきます。

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こうしたがん細胞の特徴を踏まえると、単にがんを攻撃・切除すれば直るというものでもないことがおわかりになるかと思います。むしろ、がん細胞をたたくのみだと、がんは”変装”し、より強い浸潤性を獲得して、転移・増殖してしまうことも知られています。

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下の図のように、がんを攻撃すると、周囲に血小板が集まり、NK細胞からの攻撃を守るようになります。また好中球が動員されることで血管内皮細胞が活性化します。このとき、血中の指標として、血小板・好中球の増加が認められ、CRPも上昇していることが多いです。

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さらに、がん細胞は、サイトカインやケモカインといった免疫応答を活性化させる物質により、単球を動員し、血管内皮をさらに活性化させます。これががん細胞が遠位に転移を進める準備段階にあたると言え、実際にさらに状態が進むと、転移が体内に拡大していきます。

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ただ単にがんを攻撃するのではなく、がんの代謝を抑えるように生活習慣を変え、一定の改善が認められた段階で、抗がん剤や分子標的薬を使用することで、薬剤は少量でも効果を発揮します。すなわち、生活習慣の改善はがん治療においては必須であると私は思います。具体的には、糖分・塩分の摂取を抑え、カリウムを豊富に取れるような野菜中心の食生活と、さらに梅エキスのようなサプリメントを摂る、ということになろうかと思います。

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ここまで、2回にわけておさらいをしてきましたが、次回は本講座の最後のまとめをしたいと思います。