前回は、がんを抑える上で非常に重要な“炎症を抑える”ことの意味、そして天然物を用いた治療例をご紹介しました。

今回は、天然物を用いてがんから回復された方の症例を、もう少し紹介したいと思います。

この患者さんは、2013年10月頃より咳が強くなり、その後、治癒しないことから、病院で検査を重ねたところ、原発性肺癌に加え、全身骨転移と診断されました。

2014年5月より、抗がん剤治療を開始しましたが、同年7月より当クリニックの勧めで、食事療法に加え、抗がん剤を減らし、紅豆杉茶と梅エキスを服用しはじめました。このとき、タルセバという抗がん剤を投与されていましたが、通常150mgのところを三分の一の50mgまで減らしています。

すると、食事療法の影響もあり、尿中のpHがアルカリ化し、腫瘍マーカーであるCEA(癌胎児性抗原)の値も、抗がん剤を減らしているにもかかわらずどんどん減少していきました。

結果的に、それから一年経った2015年8月には、全身の骨転移は消失しました。

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このとき、尿中のpH、CEAに加え、細胞組織に傷がついたり、臓器や粘膜が炎症したときに、体が防衛反応として発生させるタンパク質であるとして、がん患者においても高値を示すCRP(C反応性蛋白)も劇的に低下していました。

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また、以下の患者さんは、2009年1月に大腸癌手術、2010年3月に肛門管再発・切除、同年5月には鼠径部リンパ節再発切除し、その後、人工肛門を勧められるも拒否し、当クリニックに来院されました。この患者さんにも、食事療法と紅豆杉を勧めたところ、CEAの値が低下し、それとともに、高い値は予後不良と相関することが知られている白血球の好中球/リンパ球比が低下していました。この患者さんは、約2年この生活を続けることで、症状がかなり改善されましたが、好中球/リンパ球比の値も重要な指標と言えます。

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このように患者さんのデータを見ると、尿中pH、CEA、CRP、そして好中球/リンパ球比と、さまざまな指標があること、そしてそれらが相互的に関係していることが読み取れます。

ではがんは炎症を抑えると大人しくなる、という仮説に対して、炎症の指標とはいったい何なのか、またハーブ・サプリメントでそれらが抑えることができているのか、という疑問が浮かびます。

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次回は、この疑問について、先行研究で示される知見を元に考えていきたいと思います。

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がん専門医の和田洋巳が40年近くのがん治療の経験で感じた「がんが住みにくい体づくり」について書いていきます。そのほか興味深いがんの症例やがんを防ぐ基礎知識など。