六一〇ハップを試してみた。

六一〇ハップの製造終了、製造元・武藤鉦製薬も会社整理へ」

http://www.zakzak.co.jp/top/200811/t2008112640_all.html

 今年春頃にネット上に広まり、マスコミ報道によってさらに加速した硫化水素自殺騒動。その材料のひとつとして取り上げられた入浴剤の六一〇ハップがついに製造終了、会社も清算という形に追い込まれてしまったらしい。
 ふむふむ。――と、ネット上の六一〇ハップ情報を閲覧してみると、実に数多くの絶賛の声。そんなにいいのか、六一〇ハップ
 そういえば、この入浴剤つかったことないなぁ、と思い、いつも買い物をするドラッグストアの入浴剤コーナーでもしかしたらと探してみる。――と、商品陳列棚に写真とともに「こちらの商品はレジ・カウンターでお申しつけください」。なるほど。レジで尋ねる「入浴剤の六一〇ハップください」。店員、レジ下をごそごそ。でてきた。1リットルで810円。買った。
 濃い目の紅茶のような、ウイスキーのような液体。昭和くさい無骨なラベルがとってもノスタルジー。ラベルを読む。浴槽には一回15ml前後、一回あたりの単価は15円以下って計算。物凄いリーズナブルだな。
 ありとあらゆる効能書きにおののきつつ、早速風呂に投入。見る見るうちに湯船は白濁し、立ち込める硫黄臭。な、なんか、すごいぞ。お湯はぬっとりと肌に絡みつき、余分な角質や皮脂がごんごん殺がれていっている感がひしひし。
 そう、これはもうまぎれもなく「温泉」なのだ。実際成分から言って、硫黄泉(――草津温泉とか登別温泉とかね)と、同等なんだとか。無機塩類にちょいちょいっと着色料混ぜただけの「これってただのプラシーポ?」程度しか効果のないそのへんにある入浴剤やらバスソルトが涙目になるほどのガチンコっぷり。とにかく湯に浸っている間に肌が活き活きして来たのが実感できる。
 特にわたしは、冬場になると手湿疹になったり、頭皮は軽度の脂漏性皮膚炎になったりと、敏感肌傾向で悩まされていたんだけれど、湯に浸かりながら、ちょっと濃い目に希釈した六一〇ハップで患部をマッサージして湯上りにクリームを塗ってみた――ら、これが大当たり、3日ちょっとで大幅改善。
 湯上りも、あったかいというより、暑いくらい。腐った卵の匂いといわれる硫化水素は微量であれば、血管を広げ、血流を良くするのだそうで、血流があがれば代謝あがるわけで、代謝があがると体の免疫力もあがるわけで。冷えや肩こりはもちろん便秘(――実際、使って翌日から便通が異様に整った)や風邪予防、はては高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病予防にも効くのでは?――ってこれ、温泉の謳い文句とホント同じだな、おい。
 つまり、コンセプトは自宅で湯治ってこと。しかも、安くて効果絶大。凄いなぁ。六一〇ハップ
 注意しないと、硫黄成分で浴槽や風呂釜を傷めてしまったり、扱いに普通の入浴剤にはない面倒くささはあるけれども、湯船に混ぜなくっても、バケツに汲んでの足湯とか、湯上り前のかけ湯とか、洗髪洗顔時の数滴だけたらして使ったり、と、それだけでもいけそう。
 こんな完成度の高いすばらしい商品が今まであまり知られずに、かつ、こんな形で製造中止に追い込まれるなんて。例えば、テレビ番組でスイーツ(笑)向けに「美肌効果・代謝アップ」を大々的にうたえば、それこそバナナや納豆どころでないムーブメントを起こせるポテンシャルがある商品ですよ、これは。もったいない。
 肌のトラブルを抱えている人、冷えや肩こりのひどい人は、是非モノで一度は試してみるべき。小売の勝手な販売自粛で、いまや店頭でなかなか見当たらないというのが弱点ですが(哀)。
 ちなみに三回使って効果を確信したわたしは、今日一本さらに予備で買いました。毎日使っても四か月分。大切に使おう。
 どうにかいい形で復活しないかなあ。自殺したい人はどんなことしても死ぬんだし、商品自体は関係ないだろうよ。