スノーマン
雪が降ると、庭はおとぎの国。
何を求めてか降り立つ雀も、
白い雪の屋根から落ちて白く曇るさまも、
いとおかし。
そこへ
「手伝って! 手伝って!」
と、玄関からゆりの叫ぶ声。
「・・・」
私もイクオも無反応。
ゆりは、雪だるまをつくっているのである。寒っ
「アタマが大きすぎて乗っからない。今すぐ!」
やれやれと、これ以上ないくらいにスローに上着を羽織っているうちに、今度は、外で
「ありがとうございますぅ〜」
と、ゆりの声が聞こえる。
あわてて出て行くと、雪かきをしていた近所のご夫婦が、
今まさに、ヒトの頭七つ分ほどの雪の塊をウンウン持ち上げて、だるまの胴体に乗せているところ。
「まぁ、大きいのをつくったわねえ。ふつう土が混ざったりするのに、キレイな雪だるまネ」
なんて、感心してくれている。
そんなこんなで、目鼻をととのえ、
できあがったのですスノーマン。
赤いバケツを乗せるのを忘れています。赤いマフラーは友だちに貸してしまったし。