ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

社会的文脈の無関連化機能がわかった気がする!

宮台さんのブログで東浩紀編『日本的想像力の未来』について紹介したツイートがありました。これ私も読みました。宮台さんはそこで、日本アニメのファンが世界中にいるのは「社会的文脈の無関連化機能」があるとからだと説明されていました。自分の地位や人種などを考えずに楽しむことができるという話です。ツイートの説明には『先が読めず、夢も持てない時代、「かわいい」をベースにした社会的文脈の無関連化機能は、どこの国でもその有用性が見出される可能性があります。』とありました。


日本的想像力の未来 クール・ジャパノロジーの可能性 (NHKブックス)

日本的想像力の未来 クール・ジャパノロジーの可能性 (NHKブックス)


私はこの社会的文脈の無関連化機能という言葉に強く興味を持ちました。しかし、今一つどう捉えていいかわからなかったんです。なんとなく、カルチュラル・スターディーズを否定するような話だなとかは思ったんですけど。で、今ずっと欅坂46ナチス制服事件でモヤモヤが消えず、考えているんですけど、これで繋がりました!!!! よくも悪くも無関連化してしまうのか。



大塚英志さんは95年の地下鉄サリン事件の前に、オウム真理教の危険性になぜ気づけなかったか?と自問し、ゆるキャラや変な歌をうたうアイドルによって無害な物に見えたことを挙げておられました。つまり、宮台さんの言う社会的文脈の無関連化機能には二面性があって、格差や人種差別などの抑圧からマイノリティーを守ってくれるというようなポジティブな面と、逆に、悪事に利用した場合には「かわいい」によって無害に見せることも可能だということです。


そう言えば、小林よしのりさんのマンガでは、自分の味方は可愛く描かれ、敵対する人物は醜く描かれるというのがありました。これも社会的文脈の無関連化機能の応用になるんでしょう。実際にどういう人物であるかは別にして、いい人悪い人と読み手が描かれた印象のままに受取ってしまう。間違いなく悪用できるw


だから、秋元康自衛隊の募集ポスターにアイドルを使ったり、ナチスの制服を連想させるコスプレをさせたことにも危険性があるわけです。「かわいい」によって無害化されたものに、文句をつける方が大人げないと言われるような状況になりますから。やっぱり、気をつけないとな。




90年代後半のかわいい代表・吉川ひなのさん。この曲を作曲・編曲した朝本浩文さんが亡くなられたそうです。53歳でした。このシングル2枚はカップリングも含めて大好きだったな。そう言えば、奈良美智さんのドキュメンタリーを観たら『ハート型の涙』を聴きながら描いておられた。あれはバンコクで買ったカセットテープでしょう。私も売ってるのを見ました。