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2017-10-08 M51957B を用いた自動回復型なシンプル過放電防止回路

M51957B を用いた自動回復型なシンプル過放電防止回路

| M51957B を用いた自動回復型なシンプル過放電防止回路を含むブックマーク

 5年も前に書いた過放電防止回路の記事 へのアクセス数が未だに一定数あるのですが、その当時に 秋月扱いの M51957B じゃなくて、その反対の挙動である M51958B がお薦め、みたいな感じでまとめました。

 しかし M51958B の RS-ONLINE での扱いは終了し、今では本物かどうか若干の不安が残る品を aliexpress でポチらないと手に入りません。


 実は M51957B を用いて部品点数が少ない過放電防止回路の例を 独立型太陽光発電 に UPS を華麗に組み合わせる(応用) の中で紹介させて頂いたのですが、私の用途的に 48V を対象にしていたことや、UPS 制御を主眼にしていたため、普通に 15V 以下で使うには若干の読み解きが必要になってました。


2〜17V 付近をターゲットにした最もシンプルな過放電防止回路


 という風で今一度まとめなおしてみます。


■ローサイド切り替えで良い場合

http://dl.ftrans.etr.jp/?9a7cde6f156e47b7b3435c3ed94ff9c544e60035.png


 M51957B のほかに、Nch-MOSFET 1つ、抵抗数本 で出来上がりという、恐らく最もシンプルな回路かなと思います。

 過放電検知電圧・復帰電圧は R1〜R4 の抵抗で決定します。

 型番の書かれてない右側の Nch MOSFET は負荷の消費電流などを加味したうえで選定して下さい。


 ローサイド切り替えなので、供給側と負荷側で GND は別物という意識づけを徹底しないといけません。

 意味が分からないという人は、次項のハイサイド型を選択しましょう。

 使う部品は1つ増えますが、考えるべきことが1つ減ります。


■ハイサイド切り替えの時

http://dl.ftrans.etr.jp/?691628c1592b43cb97e630ea9992a349cff0fabd.png


 電源側に Pch MOSFET を配置し、そのゲートを小型の Nch MOSFET で制御することでハイサイド切り替えします。

 GND が共通で良くなるので、信号線のやりとりをする場合でも考えることが減ります。


■リレーで切り替え

http://dl.ftrans.etr.jp/?9c764173595d4974acc2b5f9b810efcdc096c76b.png


 MOSFET の部分をリレーに置き換えただけです。




 R1〜R4 の選定で、過放電防止が作動する電圧、および復帰する電圧が決定されます。

 計算式はかなり複雑です。

off→on 電圧Von=1.26×(1+R1÷1/(1/R2+1/R4)
on→off 電圧Voff=1.25×(1+1/(1/R1+1/(R3+R4))÷R2)
最小ゲート電圧Vgsmin=(Voff-1.25)÷(1+R3÷R4)+1.25使用するMOSFETによるが ≧2.0Vは必須
最大検電電圧Vcmax=Vmax×(1+1/(1/R1+1/(R3+R4))÷R2)
最大ゲート電圧Vgsmax=(Vmax-Vcmax)×(1+R3÷R4)+Vcmax<18V(M51957Bの耐圧)

※Vmaxは想定最大バッテリー電圧


 代表的な抵抗値を使ったときの計算結果を エクセルにして置いときます ので、自分の希望値を条件にフィルターして選定して下さい。


 残る定数 C1 ですが、こいつで瞬停への許容度を決定します。

 M51957B は、とても優秀なリセットICで、一瞬の瞬停も見逃しませんが、バッテリーの過放電防止に使うにあたっては、そこまでシビアに低電圧検出をする必要がありません。


 瞬停と書くと、バッテリーは瞬停しないよ・・・って言われると思いますが、負荷が ON になった瞬間や、消費電流が大きくなったとき一瞬だけ電圧降下しちゃったりします。

 そんな一瞬の電圧降下であっても「おっと過放電を防止しなきゃ」と言って発動してしまいます。

 負荷側にモーターがあったりすると、まず確実にアウトでしょう。


 そんな一瞬の電圧降下を誤魔化すための部品が C1 となります。


 じゃあ、容量はどれくらいがいいの?って話になりますが、R1〜R4 の選定値に大きく依存し、一概に○μFってなりません。

 特に R1 からの影響が支配的になるので、CR 並列回路と見なして過渡特性を計算してみたら、ザックリ値は出るはず。

 超ザックリで 0.1〜10μF くらい、負荷がファンや扇風機みたいなモーターだったら 100μF も視野に・・・って風でしょうか。

 ここら辺はとっかえひっかえして追い込んで下さいませ。

 

http://dl.ftrans.etr.jp/?93a2f77c9bb54b0594c65a38ae652ae98f2f0c26.png

 あと、一過性の電圧降下の影響が M51957B の電源にも及ぶ場合、電源ラインをバッファする手段も必要になるかもしれません。

 右図のように、抵抗(またはダイオード)を介して電源を取り、途中にパスコンを挿入します。


 この抵抗は、電圧降下時にパスコンに溜まった電気を負荷側に取られないようにするためのものです。

 抵抗値が多いほうがバッファリングの効果も高くなりますが、M51957B の消費電流に見合って V=IR の電圧降下を生じさせてしまう諸刃の刃なので、特に低電圧域で使う時はパスコンの容量増で対応したほうがいいと思います。

TAMTAM 2017/12/21 13:43 全くの素人の私ですが、本情報にたどり着きバッテリ稼動するパソコンの電源管理に使おうとおもい試作しました。

計算式をエクセルに組み込んで、抵抗値等は表計算に式を入れてR1:40kΩ、R2:5kΩ、R3:12kΩ、R4:250kΩ
として V-ON11.5416V V-OFF9.925496689V VGSmin 9.528145695

負荷側には12V18A程度のPC2台が付いておりますが何故か旨く切り替わってくれないようです。
何かアドバイス等御座いましたら教えていただければ幸いです。

こばさんこばさん 2017/12/21 18:20  こんばんは。

 まずは原因を切り分けないといけないので、可変電源をお持ちでしたら無負荷のまま入力電圧を可変させてみて、9.9V 以下で OFF になり 11.5V 超えで ON になるか試して貰えますか?

 入力側は鉛蓄電池だと思いますが、18A×2(36A)なんですか?
 8sq くらいで引かないと行けないし、そもそもショぼいバッテリーだと、一瞬で電圧降下しますが、その辺は大丈夫ですか?

TAMTAM 2017/12/26 16:12 こばさん、

ご返答有難うございます。可変電源は持っていなかったのですが実験をしてみました。
負荷が無い状態であれば如何やら切替は行えているようです。

負荷側の値が大きく間違っておりました。2台、12V6Aで動作します。
そもそも入力側が悪いのかもしれません。
と、いうのも通常は power supplyで 12V6A 給電、電源喪失時に 5.5VをTPS61088で12Vに昇圧して
稼動させて使っていたのですが、CPUボードが9.5Vで動作しなくなるのでその前に電流をカット出来れば
と考えてこの回路にたどり着きました。

素人考えで使ってはみましたが、負荷を繋ぐと旨く動いてくれないようです。
リレーを入れて試しで見ようかなぁと思っております。

こばさんこばさん 2017/12/30 13:38  負荷なしではOKですか。

 閾値を超えて OFF→ON になるべきところで、ON になってくれないという事象ですよね?
 そうだとしたら、負荷がONになる瞬間の電圧降下の影響を受けているような気がします。

 C1 と書かれたところに大きなコンデンサを付けると感度が鈍ります。
 100μF くらい盛ってみたらどうなりますか。