地底文化フォーラム@首都圏外郭放水路

 21日は春日部の先まで、G-CANSプロジェクトの地底文化フォーラムに行って来た。ようやく外郭放水路に入ることが出来て感激。幾何学的な大空間に、ぶっとい柱がぼかぼか立ってる光景は、大谷採石場に劣らぬなかなかのドワローデルフ度。会場となる調圧水槽は、今日にそなえてきれいに掃除されてるとはいえ、柱は薄く泥に覆われ、川水の生臭さも微かに漂っている。上を見ると、壁には水位の痕跡がくっきり。本来の用途に使われるときには水の底に沈む場所に入れてもらっているわけだ。
 ストームトルーパー撮影会などして遊んでるうちに午前中の一般公開時間が過ぎてしまったので、一度地上に戻って午後のフォーラムの受付を済ませて昼食。G-CANSの人たちがちゃんこ鍋を作って配っていて、たいへん美味しかった。おかわりが欲しいぐらい。しばらくしてからもう一度地下に降りて、フォーラム開始。オープニングテーマがワンダバで笑った。いろんな人のプレゼンテーションがあったけど、外郭放水路建設の責任者である宮尾博一さんが、地下好きというだけで一般人が何百人もやって来たということにびっくりしていたようで可笑しかった。そりゃあびっくりするよなあ。庵野監督*1は、自分の仕事の話は何にもせず、一介の地下スキー、建築スキーとして発言していたのが親近感。地下室建設の大ベテラン東方洋雄さんは話が面白くて*2、本も読んでみたいと思った。地下写真集『JAPAN UNDERGROUND』の内山英明さんが地下のエロスについて触れていたのも興味深かった。
 いろんな切り口の地下話が聞けて刺激的なイベントだった。一口に地下が好きといっても、個人によってツボは違うと思うので、そのあたり話を深めると盛り上がりそうだ*3。全体的に駆け足で、余裕がなかったのがちと残念だけど、あれ以上長いと凍えてしまう。カイロが配られてたんだけど、座ってると足からしんしんと冷えてきて、後半なかなか辛いものがあった。あそこで同じようなイベントをやるときは、椅子じゃなくてホットカーペットに座布団とか、そういう形式も面白いかもだ。
 終了後、長い階段をえっちらおっちら登って、再び地上へ。もう夕暮れであたりは薄暗い。身体が冷えていたので、ちゃんこ鍋が余ってたら恥ずかしげもなくいただきに行こうと思っていたが、さすがに片付けられていてザ・ショック。バスで春日部まで戻って魚民で石狩鍋など食いましたとさ。僕だけ用事があったので先にお暇したのですが*4、もうちょっと飲みたかったな。皆様おつかれさまでありました。といっても、この日集まった人々の多くとは、二日後の23日にもう一度会うことになるのですが。

*1:夫婦でポンプ施設を見学されていました。安野モヨコは美人でした。

*2:カッパドキアに行ったときに、自分でも掘ってみたとか(笑)

*3:これはフォーラムに限らず、一般の地下スキーの間でも。

*4:「王子くんによろしく」と言われました。

メガスターオフ

 23日はフエタロさん(id:Fuetaro)主催でお台場へ行った。目当ては日本科学未来館メガスターと、レインボーブリッジと、水上バスのヒミコ。メガスターは相当混むということで、朝から現地に行って16:00の回を予約しておこうということになった。新橋からゆりかもめに乗って船の科学館駅へ。ゆりかもめコミケのときによく止まったという芳しくない評判を聞いていたんだけど、あら、なかなかいいじゃないか。だだっ広くてひと気のない、荒涼とした湾岸の光景をじっくり眺められるいい路線だと思った。運転手がいない無人車両なのも萌え。フジテレビの建物が近くで見ると結構かっこよかったのが意外で、遠目にはなーんだこの小賢しい現代建築、としか思ってなかったけど、ゆりかもめの高さから見ると悪くなかった。写真撮ろうとして、カメラを忘れてきたことに気付く。ああー。
 ゆりかもめを降りて科学未来館と思われる方角へ向かっていると、目の前にHALさん(id:HAL)が。「こっちでいいんですよね」「多分……」とはなはだ心もとない会話を交わしつつ歩いていくと、どうやら正解だったようで、いかにも科学で未来っぽい建物が見えてくる。すると後ろからひまげさん(id:himage)が駆けてきて三人になった。開館前の行列が出来ていたので、とりあえず並んでいると、他の皆さんは列から離れたところに集合していたことが判明。なんだかんだで全員揃ったので、6階のメガスターまで登ってチケット購入、下に戻って再集合。レインボーブリッジ目指して歩き出す。
 科学未来館近くの国際交流館は、ガラス張りの階段と、普通の団地じみた外観の中に、穴が開いたようにぽつぽつと、螺旋階段や共有スペースらしき場所が点在しているのが面白かった。これを表現する語彙の持ち合わせがなかったため、「アメリカっぽい」とか「芸術新潮に出てくる建物みたい」とか言って、そばにいたHALさんと高島さん(id:chickaree)を困惑させたりした。うん、コルビジェね。それが言いたかった。わかってた。*1
 すっきり晴れて風もなく、歩くには絶好の日和。潮風公園からは、対岸の火力発電所やクレーンの群れが一望できて素晴らしい。逆光と、空気が塵で白っぽく霞んでいたのとで、写真を撮るのは大変そうだった。ルイさん(id:Louis)は「あぶ刑事のにおいがする!」と大喜び。言われてみれば確かに、80年代臭がぷんぷんするぜ。海辺をずーっと歩いていくと、いつの間にか隣接したお台場海浜公園に入っている。砂浜に人と犬とカモメがいっぱい。松林の中に自由の女神像。波打ち際の岩場におそろしくわかりやすいDQN落書き*2。さらにずーっと歩いていくと、ようやくレインボーブリッジに到達。間近でみると素晴らしい巨大構造物! カメラを忘れたことを非常に悔やむ。上からの眺望もすごいので、高所恐怖症の人は結構辛いかも。橋は風が強いかなと思ってたけど、驚いたことに上でも風速0メートル。天候に恵まれてるなあ。ひたすら歩いて向こう岸に着き、振り返っると、裏側の美しさに感動すると同時に、このでかい橋を本当に歩いてきたのかと驚いてしまった。
 さすがに疲れて、浅草へ移動する地下鉄の車内ではぐっすり寝てしまった。浅草では神谷バーでカレーを食べて、電気ブランをひまげさんとあすまさん(id:asuma0760)と三人でシェア。ひまげさんとは二卵性双生児のように雰囲気が似ていると言われた。確か幻獣展のときにも言われたな。今度知らない人を騙してみよう、と話し合う。食べたいものは多かったけど、水上バスの時間が迫っていたので慌しく出てしまったのが心残りだった。
 残念ながらヒミコはとうに満席で、普通の水上バスになる。かなりの混雑だったけど、途中の浜離宮で団体客がぞろぞろ降りて座れるようになった。ここでもぐっすり寝てしまう。日の出桟橋で乗り換えて、また海浜公園へ。行ったり来たりの激しい日だ。科学未来館にもう一度戻って、危ないところでメガスターの16:00の回に間に合った。
 実際の夜空よりも星がよく見えるメガスターの夜空は、一種異様な印象を受けた。何しろ見える星が多すぎて、知ってる星座が見つからない! 目の焦点が合わないので(暗くて周辺視野の方がよく見えてるから)だんだんぼんやりしてくる。一日の疲れもあいまって、ここで撃沈する人多数。僕もちょっと危なかった。プログラムは結構ストイックで、けれん味は薄い。好みとしてはもっとわかりやすくパワーズ・オブ・テンしてくれてもよかったな。しかし最後の銀河団分布図はすげかった。本の写真で見るのとはまったく違う趣で、コズミック・ホラーとはこういうものかと腑に落ちる感じがした。
 終わった後は閉館時間が近い科学未来館を見学。限られた時間ではごく一部しか見られなかったけど、かなり面白い。あれは一日かけてじっくり見て回る価値がある場所だなあ。科学未来館を出ると、ライトアップされた国際交流館がとても美しかった。この辺の建物は金を注ぎ込まれただけあって見栄えがすることだ、と感心しつつ、街の方へ歩いていく。浅草での昼飯からあまり時間がたってないので、甘いものでも食おう。というコンセンサスの元、お台場で初アンミラ体験。なるほど、あれが噂に聞く視線誘導技術か。制服売ってるのにも驚いたけど、メニューの写真より実物のケーキの方がボリュームがあったことにびっくりした。ケーキ二つ食ったった! ダッチアップルパイのアイスクリームがけとフルーツケーキ。んまかった。
 アンミラを出て本屋をのぞいた後解散。ずいぶん歩いてくたびれたけど、とても楽しかったです。お疲れ様でした!

*1:わかってません。

*2:曰く「オレらはビッグになるぜ」。その心意気やよしとは思う。