わめぞblog このページをアンテナに追加 RSSフィード

わめぞblogへようこそ!

わめぞ年表    http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20070114
わめぞ年表2    http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20070115
メディア掲載情報 http://d.hatena.ne.jp/wamezo/20070113

2012-07-05 【連載】 twitter的日常 Vol.26 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.26 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


今週のお題は「顆粒コンソメはふたたび固形コンソメとなるか」です。


帰らないなら、旅じゃないのか。


半ズボンの足だけが走りだしそうだ。


晴れた日のビニール傘にあつまりやすい光だった。


書かれないままの手紙がいっせいに飛びたてば、ほら朝の背中だ


ふくらみというふくらみをすべりゆく重力に従順だ性とは


踏切が鳴りだし駆けてゆく人を追いかけたくなるのはなぜだろう


きみといて先に目覚めるときいつもここは海辺だろうかと思う


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-06-14 【連載】 twitter的日常 Vol.25 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.25 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


とどまっていた水滴が宇宙より落ちゆくきみの食卓に今朝

 

風のあたる場所だけ冷えている。


同じ泣きかたの子どもが並ぶ。


くぐらない暖簾がゆれている。


窓がいつまでも暗いから、雨の朝が好きだ。


洗濯ばさみとサルビアの色が同じだった。


内腿のやわらかさから暮れていく 海にいたのはだれだったのか


晴れの日の紫陽花、しらばっくれている。


永遠を説くならばいまころがったキッチンロールのようかもしれず



=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-06-02 【連載】 twitter的日常 Vol.24 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.24 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


屋上とは「発情する高校生」という無季語


女の子たちの秘密はひしめいてまことしやかにひろがる躑躅


手のひらが光合成。


スパークリングスパークリング、聞こえますか、炭酸と光が化合するとき、言葉がうまれる。


まるでトロフィーみたいに少女がうけとるソフトクリーム。


「線路内人立入」は訳されて「Accident」のためらいのなさ


スパークリングうまれかわってあのひとの髪をほぐしたひかりになろう


夕方の雨の名残が、どこかから落下している音がする、ほら

いくつものしずくの内をふくらます時間は過去か現在なのか



=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-05-04 【連載】 twitter的日常 Vol.23 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.23 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


もしかしたらすごく長生きしちゃうかもしれない。


期待にこたえることに疲れました、と鯉のぼりのため息。


銀色のものに触れるといつもよりきれいな夜になれる気がする


よごしても洗えばおちる無印の白磁角皿くらいの恋慕


はいいいえどちらでもない       答えたくありません


名前だけいれかえて書く「詫び状の書き方」みたいな顔をしたいま


あんなに明るい窓だったっけ。


祖父の命日に歯ぶらしを替える。


ミジンコのポーズ。


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-04-17 【連載】 twitter的日常 Vol.22 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.22 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


答えが知りたくてなにかを考えるわけではない。


竜が躍り出てきそうな髪形だった。


桜の花びらに追いこされたり、すれちがったりしている。


本のページを繰るときにだけおとずれる小さな夜の話をしよう


だれもいない更衣室ってまるごと、「言っちゃだめだよ」ってひろがっていく秘密みたい。


じゃがいもは裏切らない。


玉ねぎの繊維に迷いこみたい。


思いきり泣けばいいのよ春キャベツ


飛行機の飛ぶ音だけがする夜空


踊り場に立つたび空を脱ぐように、そう、階段てソネットなんだ


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-04-05 【連載】 twitter的日常 Vol.21 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.21 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


「いま無から宇宙が生まれます」と言いきみがティーバッグをひき上げる


ピスタチオ、みたいな月だ 容赦なく殻をくだいてあなたがくれた


防臭剤が飛ばされてきて屋外でこれほど無力な物体もない


まだ冬のコートで向かいの少年は『山川倫理』をゆっくりめくる


もうあれがスカイツリーってことにしようよ。


フォークはいつもなにかを言いたげな凶器だ。


道がかたむいているのか、わたしがかたむいているのか、もうわからない坂道をのぼる。


トマトを食べすぎてニキビができる。


水色のポリバケツが整列する。春がきた。


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-03-20 【連載】 twitter的日常 Vol.20 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.20 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク


放送終了の君が代を聞いて3月


バスマジックリンの黄色がなににも似ていない。


浴室が、髪についた線香の匂いになる。


手のひらのリンスとチロルチョコの重さがたぶん同じだ。


諭されて寿司が乾く。


先生、がんばってもむくわれないことは絶望ではないと、ちゃんと言ってほしかった。


駅を行きかう人のすべてに目的地があるなんて信じない。


トンボの複眼のひとつくらいは前世を見ている。


いままでにわたしが嫉妬した人を数えてトランプができそう


明日の雨とはあたらしい言語でありあなたの窓をたたくわたしだ


髪を夜に切るのは禁忌だったろうか目をとじる


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-02-27 【連載】 twitter的日常 Vol.19 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.19 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク

なんて真剣にうがいをする人だろう。


タクシーの空車の文字をやさしいと感じたら、もう、はやく眠ろう


死、にむかう身体をながれる時間とは朝なのだろうか夜なのだろうか


ふくらはぎ、という部分を目にするたび、こころに形があるとして、あのようなやわらかなカーブを描いていたらいいなあ、と思うのです。


ベビーカーで走りぬける。


墓地で愛人に電話をする。


ベクトルがちがうんだよ、ってあの人3回言った、ときのベクトル。


傘を干す場所というのは存在しない。雨がやんだのちに広げられた傘を見て、ああ、あそこがあの人の、傘を干すためにちょうどいい場所だったのだ、と知る。傘をとじればそこはたちまち、ベランダや玄関に戻る。わたしはわたしの中に傘を干す場所をつくりたい。どこにも戻らない、そのためだけの場所を。


たとえばそれをくれた人に会うことは二度とないのに、その人からいただいたCDの歌声という永遠、のようなもの。


たとえばマネキンがのばしつづける両腕の、あいだにできた宙のかたちが愛、のようなもの。

=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-02-06 【連載】 twitter的日常 Vol.18 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.18 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク

みてみせてみないでみての波よせてかえせばさっきとは違う海


言うつもりなんてなかった いまありとあらゆる窓で落ちゆく結露


電線に夜が流れるまっすぐに流れるその他のものも見ている


鋭角の光はわたしよりはやく階段を駆けおりる おはよう


スプーンはまわりつづけるteaという言葉が意味になるまでの間を


雨と恋とはいつも突然なものである。(フランスのことわざ…嘘)


ひらがなにすればいいってもんじゃない。


めくりたくなる雲だ。


ケーキを持っていて、走れない。

=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko

2012-01-26 【連載】 twitter的日常 Vol.17 乃木繭子

[] 【連載】 twitter的日常 Vol.17 乃木繭子 - わめぞblog を含むブックマーク

ゆく列車のすべてに手をふりたい。


となりの人が噛む飴玉のかおり。


とじられたまぶたのゆるい曲線を集めてあなたの海面は凪ぐ


あかるいだけの光ではない。


スターバックスの「キャラメルスチーマー」は自分への最大限の甘やかしである。


リュックサックが防寒になる。


時刻表って見ているようで、見ていない。


雪の日の坂道をゆく一歩ごと空に直立する詩のように


=============================================

乃木繭子(のぎ・まゆこ)

雑司が谷在住の書店員。

ブログ「空にパラフィン」http://mayukoism.exblog.jp/

twitter @komayuko