深く何処までも。【番外編:巨大施設見学③】

長崎港に広がる造船所

■光る船

今年6月、数人の知人と共に泊まり掛けで長崎へと向い造船所や廃墟等を幾つか観て回った時、初日の晩に人気の全くない真っ暗な道を宿へと急ぐ途中に不思議な光と遭遇したのがその船との最初の出会いだった。
どうやら艤装中の船舶らしいと直ぐには気付いたものの、中央に見慣れない巨大な櫓が屹立していて、果たしてどのような目的を持った建造物なのか結局その日は判らず仕舞い。
その後、長崎と佐世保の港で幾つか造船所と廃墟を興味深く堪能している間も、ずっとその船の事が何処か頭の片隅に残っていた。
結局、関東へ戻った後も気にはなっていたが、暫く忙しさにかまけて放って置いたままにしていたある日、突然思い掛けず真相を知る。
名古屋万博の一環として開催される見学会の前に横浜と横須賀でも一般公開される事となったその船の名は、地球深部探査船『ちきゅう』と云った。
【次回へ続く】

(写真/深夜の港で一際光り輝く船)