Hatena::ブログ(Diary)

烏は歌う このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2011-04-28

「記憶」の仕組みを知って効率よく学習したい…その2、感覚記憶を有効に使うには


感覚記憶→短期記憶→長期記憶


・感覚記憶を有効に使うには


・短期記憶の特徴と容量について


・長期記憶を「想起」しやすく保つために



○復習

・感覚記憶

目や耳などの感覚器官で受け取った感覚を、「とりあえず」「なんとなく」保持するための記憶、それが「感覚記憶」です。

見るもの聞くもの全てを記憶…なんてことをしていたら凄まじい容量になってしまいますので、「特に注意を引かなかったもの」「特に重要でないと判断されたもの」の記憶は、数秒で消えてしまいます。

そして、膨大な量の情報が入っては消えていく感覚記憶の中で、意味がある情報だと「選択」された情報だけが短期記憶に送られます。



○感覚記憶を上手く使えると…


感覚記憶の容量自体を増やしたり質を上げたり…というのはなかなか難しいですね。

そもそも無意識の領域に近いので、容量がどれほどあるのか認識すること自体が無理ですし。


では、「感覚記憶が優れている状態」とはどんなものかと言えば…大量に生まれては消えていく「感覚記憶」の中から必要な情報を捉え、上手く「次の段階(短期記憶、長期記憶)」に送り込めている状態である、と言えるのではないでしょうか。


よく、「おんなじものを見聞きしていたはずなのに、この人はこんなにも多くのものを感じ取っているなんて!」と驚くことってありますよね。

こういうとき、二人の感覚記憶に入っている情報の量、質自体はそんなに変わらないのですが、いわゆる「頭の良い人」は、その入ってきた感覚記憶を効率良く短期記憶に送り込み、意識化することができるのです。

いわゆる「頭の悪い人」は、同じ情報を頭に入れているのですが、それを短期記憶に送り込むことができず、感覚記憶のまま保持して数秒で忘れ去ってしまいます。

要するに、「右から入って左から出て行く」という状態です。


感覚記憶を「選択」して短期記憶に送り込むプロセス、この良し悪しが学習の効率に大きく影響すると言えます。



○「選択」の質を上げる方法


自分にとって大切な情報を感覚記憶の中から「選択」し、短期記憶に移すためには…

情報の「右から左」を防ぐためには…

1.注意、集中、興味を切らさない

2.感覚を「意識化」するための補助となる行動をする

3.予習をする、「型」を身につける

の3つの方法が代表例として挙げられます。


1.注意、集中、興味を切らさない


まあ、言うまでもなく基本です。

人間の脳というものは、情報自体が目や耳に入っていたりしても、そっちに注意や集中や興味が行ってないとびっくりするくらい「右から左」ですので。


「絶対に注意を切らさないぞ!」という意志だけではなかなか持たないので、集中力を高める環境づくりとか、適度な休憩や気分転換なども非常に大切。


教える立場、指示する立場で「こいつに何言っても右から左なんだよな…」と思うような場合、まず話し始める前に「こっちに注意を向けさせる」「相手の集中力を切らさないよう工夫する」のが、まず何より大事だったりします。

…子供のころに「話し始める前に、聞く人の準備ができてるか確認しなさい!」「だれかが話し始める前にそっち向く!」と口煩く教えられるはずなのですが、それを実行できる大人は残念ながらなかなかいません(笑)。


2.感覚を「意識化」するための補助となる行動をする


感覚を「意識化」するための補助となるような行動をするのも、「右から左」を防ぐために有効です。

例えば…

・話や口頭での指示→復唱する、相槌を打つ

・読みもの→線を引く、音読する

音楽→口ずさむ、身体や手でリズムとる、音程の上下を手で追う、指揮者のように手を動かして曲想をつかむ

視覚情報→指差し確認

…などなど、受動的に情報を受け取るだけでなく、自らアクションを起こして情報を漏れ無くつかみとってやる!という風に動いてみると、効率的に情報を感覚記憶からそれ以降の段階に送ることができます。

また、集中を切らさないための補助にもなります。


3.予習をする、「表現用語」や「型」を身につける


感覚記憶の性質から、効率よく学習するには「予習」がとても大切になります。

その理由は、「知らない情報」「見たことも聞いたこともないもの」は、脳が「不要な情報」と判断してスルーしてしまいやすいからです。

よくある話だと、「知らない専門用語」が飛び交い出したら急に言葉が頭に入ってこなくなった…ということありませんかね?

そういう情報は、「自分にとって必要じゃないし、容量ばっかりかさむし…」ということで、脳に「記憶するに値しない」と判断され、感覚記憶の段階のまま数秒後には忘却されます。

そこで、「予習」をして予め言葉や名前や概念を知っておくと、「あ、これって見た/聞いたことあるかも!」というくらいのレベルであっても「記憶する価値はあるかもしれない」と脳が選択して、その情報は感覚記憶からとりあえず短期記憶に送られます。


また、基本的な「表現用語」を身につけておくということも、記憶の効率をよくします。

例えば、ワインの香りとか、声の音色とか…記憶したい情報には複雑で繊細なものも含まれることがあります。

それらを感覚記憶から短期記憶に移すときに、ある程度「わかりやすい言葉」で移してやらないと、複雑で膨大な感覚情報は感覚記憶のまま消え去り「…なんかうまかった」「ふわーっとしてる」とかの非常に大雑把な記憶だけが残る、ということが多いです。

そこで、「表現用語」の出番となります。

ワインなら「赤い果実の香り」「バニラの香り」「樽の香り」「干し草の香り」…とか、声質なら「倍音の多い/少ない」「ハスキーな」「金属的な」「甘い響き」「アタックが強い/弱い」…とか、そういう感じの「表現用語」を予め知っておくと、具体的にはっきりと鮮明に記憶しやすくなりますし、頭の整理もしやすくなりますし、他人にも伝えやすくなります。


それと、「型」をきっちり身につける、というのも有効。

自分の中に「型」があると、行われている物事に「近い経験をしている」ということで、感覚記憶がそれ以降の段階に移行しやすくなります。

その上、「型」から外れたものには「違和感」を感じるようになりますが、そういう「違和感」が注意や集中力を喚起し、「これは重要な記憶だ」と脳が判断し選択するもととなります。

そういう状態になると、「同じ情報に触れても、ずっと多くのことを発見出来る人」になります。



○最後に


今回は、「記憶の入り口」となる感覚記憶のお話でした。

「入り口」のお話なので、「記憶の話」というよりは、「認識の話」のようになりましたね。

色んな情報が「感覚」として絶え間なく飛び込んでくる中で、それをどのように「意識」「記憶」にしていくのか…という話でした。


もちろん、これは入り口の話ですので、感覚記憶(数秒)を短期記憶(数十秒)に取り込んだだけでは、「記憶した」とは言えません。

入り口でつまずいては話になりませんが、まだまだ入り口。

次は、短期記憶についてお話します。

もうちょっと「記憶」っぽい話になるはず。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証