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2011-07-02

モチベーションを下げる罠、「アンダーマイニング効果」にご注意。


久しぶりの学習心理ネタ。



○「アンダーマイニング効果」とは


アンダーマイニング効果とは、

「外発的なモチベーション」が、「内発的なモチベーション」に「負の影響」を与えること

です。


これだけだと、なんのことだかさっぱりなので、喩え話を紹介すると…

ある老人が、隣の空き地で、放課後に子供たちが毎日野球をするので、騒がしくて困っていました。

そこで老人は実に巧妙な計画を思いつきました。ある日、子供たちにこう言いました。

「君たちの野球を見るのがとても楽しくていつも家からみているんだよ、これからここで毎日野球をやってくれたら、100円あげよう」

遊びにきたのにお金がもらえるということで、子供たちはびっくりしましたが、その後一週間、老人は毎日100円をあげました。

翌週老人は「すまんがお金に余裕がなくなってきてね。これからは毎日50円にするけど、それでいいかね」といいました。

子供たちの一部はしぶしぶでしたが、また翌週も毎日、野球をしにきて50円をもらって帰りました。翌週、老人は「すまんが、今日からは10円にさせてもらうよ。お金がなくなってきたんだ」といいました。

もともとそこで遊ぶのが目的だった子供たちは、まあしょうがないかと思いその後も野球をしにきました。数日後、老人は「悪いが、今日からもうお金はないよ、ついにあげるお金がなくなってしまったんだ」と告げました。

すると、子供たちは、怒って文句を言い出しました。

「冗談じゃないよ、ぼくたちがタダで遊んでやるとおもっているの?もうきてやらないよ」。 それ以降、子供たちは二度と隣で野球をしなくなりました。 老人は1000円ちょっとで、騒々しい子供たちを追い出すことができたわけです。

via-jsato's tumblr, ある老人が、隣の空き地で、放課後に子供たちが毎日野球をするので、騒がしくて困っていました。 ...
http://jsato.tumblr.com/post/2807941636

jsato's tumblr, ある老人が、隣の空き地で、放課後に子供たちが毎日野球をするので、騒がしくて困っていました。 ...


…ずいぶん前にはてなブックマークTwitterで話題になってた話ですが。


解説すると、少年たちは最初は「内発的なモチベーション」にもとづいて野球をやっていたわけですが、老人からお金をもらうという「外発的なモチベーション」を得たことで、いつの間にか「お金を貰いたいという外発的なモチベーション」ばかりが強くなり「野球をやりたいという内発的なモチベーション」は無くなってしまったわけです。

結果、「報酬」が無くなってしまえば、もはや野球をやる理由は無くなってしまっているのでした。


こういったことは、身近で色々経験があるのではないかと思います。

「好きなことを『仕事』にしたら、全然昔のように楽しめなくなった!」とか。

「宿題やろうかなー…と思ってたら、お母さんに宿題やりなさい!と言われてやる気なくした」とか(笑)。



○「アンダーマイニング効果」に注意する


「undermine」には、「土台を削り取る」とか「(健康などを)蝕む」という意味があります。いわゆる「アメとムチ」によるコントールというのは、知らず知らずのうちに内発的なモチベーションの「土台を削ってしまう」可能性があるということです。

via-NED-WLT : アンダーマイニング効果 (Undermining effect)
http://nedwlt.exblog.jp/8006411/


…ということで、アンダーマイニング効果が起こるのは避けたいものです。

そのためには、

・外発的なモチベーション(「飴と鞭」)に頼りすぎない

・内発的モチベーションをなにより大切にする

などのことを注意していく必要がありますね。


練習のモチベーションを考えるときには、外発的なモチベーションを与えちゃダメ…ってわけではなく、内発的なモチベーションと外発的なモチベーションのバランスを考えましょう。


「これができたらご褒美!できなかったら罰!」みたいな外発的なモチベーションは一時的には凄い力を発揮しますが、それだけでなく「練習するの楽しい!成長するのが気持ちいい!」みたいな内発的なモチベーションも育てていかないと、アンダーマイニング効果によってモチベーションが「息切れ」してしまいやすく、なかなか長続きしません。

外発的なモチベーションが「一時的な効果は高いが副作用のあるドーピング」となるか、それとも「足りない必要な部分を補ってくれるサプリメント」となるかは、あなた次第です。

上手く使えばサプリメント、頼りすぎるとドーピング。

外発的なモチベーションは「持続力」には欠けますが、「とりあえず人を動かす」効果はあるので、外発的なモチベーションを内発的なモチベーションに変えていければ最高ですね。


そのためには、ときどき自分にとって大切な「内発的なモチベーション」とはなんだったのか…を意識することも大切ですね。

外発的なモチベーションの一時的な魅力というのは凄まじいものがあり、ついつい内発的モチベーションを置き去りにしてしまいがちになってしまいますが、ちょくちょく内発的モチベーションにも目を向けることで、アンダーマイニング効果で低下したモチベーションを回復することができます。


ちょっと自分語りをすると、私のブログのような趣味のブログだと最初から「内発的なモチベーション」主体で書いているはずなんですが、いつの間にか「アクセス数」とか「はてブ数」とかの眼に見える「外発的なモチベーション」を得られるようになると、どんどんアンダーマイニング効果が…。

で、「なんかちょっとアクセス減ったし、最近ブクマされないし、もうやめよっかなー…」みたいな気分にときどきなってみたり。

正直な話、このアンダーマイニング効果にヤラれてしまったブロガーってすごく多いんじゃないかと。

そんなときに私は、「ブログを書くことでいかに考えを整理できたか、新しい視点を持てたか」とか「今までに貰ったコメント、つながり」とか「自分のお気に入りの、会心の出来のエントリ」とかを見て、内発的なモチベーションを高め、「よっしゃ、また書くぜ!」「ブログってすごいね!」という気分を作ることにしています。


歌の場合、合唱で「伸び悩み」とか「スランプ」とか「指揮者やまわりからの叱責」とか「褒められ不足」とかでモチベーション不足に陥ることは多々ありましたが、そういうときは「好きな歌」をとことん聞き込み、歌い、「歌うって最高だなあ…楽しいなあ…気持ちいいなあ…」という気持ちを取り戻すようにしています。

…そのときの気分によって違うんですが、なぜかスティーブン・タイラーだったり、チバユウスケだったり、平野レミの息子だったりするんですけど(笑)全然合唱じゃねえけど、まあいいや。


そんな感じに、「自分の内発的なモチベーションを揺り動かす、思い出させる何か」を持っておくといいです。

好きになったきっかけとか、最高に気持ちの良いプレイができたときの記憶とか、そういったものを、ね。



追記


なんだかこの記事が発掘されて拡散されているようなので、補足記事を書いた。


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