オールドメディアの新しい試み

今日はオールドメディアの代表たる新聞社さんの新しい取り組みについてです。

産経新聞の関連会社である産経デジタルさんが、『iza!』というサイトを開始しています。
これは、単なる新聞社のニュースサイトではなく、なんとコメントやTrackbackが可能になっており、記者ブログという社員のブログまであるというものです。


CNETさんの記事は次の様にあります。

by CNET Japan 『「iza!」は「新聞2.0」--産経デジタルが語るネット事業への取組み』


産経新聞グループの4サイトのニュースをまとめて読めることや、記者によるブログや、用語集「イザ語」の採用などがiza!の特徴となっている。ブログを執筆する記者は現在62名で、さまざまな部署から選ばれている。ブログの執筆作業は業務の一部としており、週一回の更新を義務付けているという。ブログ執筆記者については、今後100人規模に拡大したい考えだ。

 イザ語は記者が執筆しており、現在約5000件の用語が登録されている。ウィキペディアのようにユーザーが説明を書き加えることも可能だ。また、イザ語のページでは語句を含むニュースやブログ、写真などのともリンクしている。なお、サイトの構築はチームラボが担当しており、チームラボディベロップメントと共同で開発した検索エンジンSAGOOL」などが採用されている。外部からの利用がしやすいことを念頭にサイト構築を行ったという。

 ユーザーが自由にブログや記事へのコメントができることで、不適切な書き込みや著作権を侵害する画像のアップなどが懸念されるが、ユーザーの書き込みに関しては特にチェック機構を設けていないという。もちろん、問題のある書き込みが発覚した場合は早急に対処するが、現在ところそのような書き込みはないとしている。ただし、画像に関しては厳しいチェックを行っているという。


これって、ものすごい画期的だと思います。
GoogleNewsやGooglezonが話題になって以来、新聞社と言えばオールドメディアの代表格として、TV局とともに批判の矛先になる存在でした。それが、一転、この挑戦です。

タブーとされていた記者の個人ブログ。そして、記事へのTrackbackやコメント。すばらしいじゃないですか。
これから訪問者数や利用者数が増えてくるに連れてスパム等の問題が起きてくるのかもしれませんが、そういったものと戦いながら、歩み続けて欲しいものです。
こういった先進的な取り組みを行うと必ず問題は起きてきますが、それは必ず乗り越えることができて、それによって他の競合や追随者が決して追いつけない所に進むことができると思うのです。



せっかくなので、Tarckbackしてみます! 大手新聞社の記事にTrackbackするなんてなんかドキドキです。

by iza! 『東証と東大がタッグ 大学発ベンチャー上場モデル研究へ』


東京証券取引所東京大学は5日、国内の大学で生まれたベンチャー企業が健全に成長し、株式のIPO(新規公開)を目指すまでの指針となるような標準的な上場モデルの完成を目指し、共同で研究を始めると発表した。
 来年3月末までに、大学発のベンチャーがIPOを実現するまでの説明責任や、大学の知的財産権の扱いなどを整理したガイドラインをとりまとめる計画。国内の大学発ベンチャーが上場を支援する手段として「広く普及、定着させたい」(西室泰三東証社長)考え。
 共同研究について同日会見した小宮山宏・東大総長は「日本経済・社会に貢献することが時代の要請」として、現場の研究者の起業支援に役立てたい考え。


大学発ベンチャーを強化しようという試みの様です。これはこれですばらしいですよね。
只、私が思うのは、日本市場は上場基準が甘いと思うんです。
何でもIPOすればいいってものじゃないんです。IPOして終わりでもありません。IPO基準が甘くていいことなんて、一部の関係者以外にいいことありません。
先日の梅田さん(id:umedamochio)の『シリコンバレーからの手紙』の記事にあった通り、基準が甘いということは、IPO後の投資家がリスクを負っているんです。

by シリコンバレーからの手紙116 『制度設計側が是正すべき一般投資家のリスク過重』


 今の日本の仕組みの最大の問題は、株式公開前の関係者が「早すぎる公開」によって先にハイリターンを確定してしまい、「最大の難所」を乗り切るリスクを、公開以降に投資した一般投資家に負わせているところにある。
 むろん株式投資は自己責任が原則だ。しかし一般投資家の多くが、「おいしいところ(ハイリターン)を株式公開前の関係者が先食いしていて、厳しいところ(ハイリスク)を一般投資家に押し付けている」構造になっていることを知らない。


梅田さんは、この問題を精度設計側が解決すべきとおっしゃられています。
私は、それもあると思いますし、今の日本には投資家の目を磨くための試みがもっと必要かな、と思います。
そして、それに貢献できる様なサービスがインターネットを使ってできるしやりたいと思っています。



と、いうことで、話が脇道にそれましたが、産経デジタルiza!頑張って欲しいですね。
注目していきたいと思います。